学力テスト Vol.369-4 その解答 カラシラサギ ~ 外国からのお客さま ~

 カラシラサギ ~ 外国からのお客さま ~


和名の漢字表記は「唐白鷺」で、出身地は「唐」の字が示すように、朝鮮半島と中国南部の一部で繁殖する、海外からのお客さま。英名でも「Chinese Egret」。


夏羽では風になびいたこの写真の方が冠羽がりっぱで判りやすいかな? 学名の「Egretta eulophotes」も「立派な冠羽を持ったシラサギ」と言う意味です。

世界的にも稀少種で、一説では3000羽ほどしかいなくて「NT」(準絶滅危惧種)に指定されています。

忘れないうちにご紹介、頭かきは他のサギ類と同じように「直接型」!!


このように、冬羽になると嘴が根元だけを残して黒く変化するし、冠羽も無くなってくるのでコサギと間違えられて、気付かれないこともあります。だから指先がしっかりと黄色であることを確認しないといけません。


他のサギ類と同じようにゆったりと飛ぶので、こんな感じで対馬海峡や東シナ海から飛んでくるのでしょう。

気をつけて探せばきっと見つかりますよ! そんな大発見した時は、当然ながら乾杯!!
甘党なら大福やケーキをたらふく食べましょう!!

珍鳥の情報を聞いて見に行くのは楽しいことだけど、いつも見ている自分のフィールドで、いつもの鳥たちの行動を見て、自分で新しい発見をすると、ものすご~く嬉しいものです!

サラッと流さないでじっくりと見ていると、いろいろなことが見えてきますよ。
そんな体験を重ねると、もっともっと鳥見にハマって毎日が楽しくなってきますぞ!













学力テスト Vol.369-3 その解答 バン ~ 田んぼの番人 ~

 バン ~ 田んぼの番人 ~


一風、変わった名前ですよね? 漢字表記では「鷭」と書きます。平安時代には「護田鳥(おずめどり 又は うすべ)」と言う名前で登場するのがバンのことらしいのです。
どちらも水田の番人と言う意味を持っていることから「バン」という名前名前が付いたという説があるようです。


分類上はクイナの仲間で、このように足が大きくてスイレンやハスの葉の上を歩くことができます。


おでこに張り付けた赤い唐辛子は「額板」と呼び、無毛で硬く角質化したもので、同色の嘴基部とつながっています。

忘れないうちにご紹介 バンは「直接頭かき」型です。

生まれて間もないヒナも、親から教わったわけではないのにでっかい足で「直接頭かき」。

おっと、ヒナがママのところへ走り出しました。
まだ羽がないので手?だけが見えます。

ヒナはこんな感じで、何となくハゲワシ顔

両親のあとを必死に追いかけていきます。

2ヶ月ほどするとこんな立派な若者に成長しました。
きっと頼もしい「田んぼの番人」になってくれることでしょう。























学力テスト Vol.369-2 その解答 タゲリ ~ 緑の猫が飛ぶ ~

 タゲリ ~ 緑の猫が飛ぶ ~

このクリリとした、大きくてつぶらな瞳!! 
やっぱりタゲリはチドリの仲間。

こちらはタゲリの最大のチャームポイントである冠羽が短いことで♀。
上の写真もそうですが、羽縁にバフ色が見えるのは新羽とのこと。

その近くにいたのが成鳥♂で、♀よりも冠羽が長くて大雨覆の羽縁のバフ色もありません。

羽全体に光沢があり、色全体に深みが出ていて、それはそれはビューチフルでうっとり! 

ツグミやタヒバリ、ハクセキレイなど地味な鳥が多い冬の殺風景な田んぼで、ここだけが花畑になります・・・と言うのはややオーバーで、ジッとしていられると見逃してしまうこともあります。
チドリの仲間はピコピコと動いては、ジッとするというパターンなので、この動いている時が見つけるチャンス!

ビックリして飛んだ時などに「ミュ~」という猫のような可愛い声を。
この声を聞くことができれば、この日は充分に満足!!

さて、本題。タゲリ君は「間接頭かき」


今回は「頭かき」のあとでゆっくりと足をしまってくれたので、うまくその瞬間が撮れました。


この写真の順序を逆から見ると、羽の後ろから足が出てきたのがよ~くわかります。

タゲリは翼の先端も丸く、フワフワと優雅に飛ぶ感じ

この時は何と何と100+の大群が

でも飛んでいる時は、羽根の美しいところはほとんど確認できません。
このように順光で撮れた時だけ、その美しさが見えてくるのです。

ここでビギナーの皆さんへ、冬の田んぼや畑などで小鳥類を見つける技を伝授しましょう。
まずは車で時速2~3kmで農道をゆっくりと走っては、時々停車。

カシラダカのような警戒心の強い鳥はこの時点では畑の畝に隠れたりして、ジッとしています。車が止まってしばらくそのまま、こちらもじ~っと我慢していると、ようやく相手が少しずつ動き出すのです。これでようやく姿が確認できます。
もちろん、車から降りるのもダメ!
徒歩などは論外で、小鳥は最初から飛んでしまってノーチャンスなのです。

うまくいけば、車から5m以内の至近距離で見ることも撮ることもできますよ!
タゲリも比較的警戒心は強いので、とにかく見つけたら車内でジッとしていること。
そうすれば、思いもかけないほど近くまで相手が歩いて来てくれることもあるのです。

タゲリを至近距離で見たら・・・写真では表現できないようなウットリとする美しさなので、ぜひ試してみて下さいネ!












学力テスト Vol.369-1 ~頭かきシリーズ その15~

「beijing olympic 2022」も最終コーナーを回って俄然、面白くなってきましたね~

特に感動したのは高木美帆ちゃんのスピードスケート1000m!!! コーチがコロナで足止めをされて、一人で滑った1500mの銀メダルや、パシュートでのホントに惜しかった銀メダルを乗り越えて、1000mを滑り切った後のさわやかな笑顔が素晴らしかったし、金メダルが確定した後で、 コーチとハグした時にキラリと光った涙には、こちらも大感激!!!

日本選手団の主将として大車輪の活躍で、ついについに念願の金メダルを獲得!! ついつい、もらい泣きをしてしまいましたぞ! 心からおめでとう~~~!!! 

さてさて、こちらも「頭かきクイズ」は、足がもつれて転びそうになりながらも、何とか完走をめざして大健闘中!・・・と、誰も褒めてくれないから自画自賛! フィ~~~

この3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき


A

B

C





学力テスト Vol.368-4 その解答 コミミズク ~ 冬の大人気者 ~

 コミミズク ~ 冬の大人気者 ~

コミミ君の人気はハンパじゃありません!! とにかくスゴイんです。ある日の休日のこと、この鳥が見られるとウワサが広まった途端に、約250人+が集結! ・・・ざらっとだけど、カウントしたんだから間違いありません!

何故、こんなに人気があるのかと言うと、フクロウ類なのに真っ昼間に見れるし、フワフワと休耕田の上を飛んでくれるし、ヒトはそんなに怖がらないし・・・というよりも全くヒトを気にしないマイペースだし、被写体としてはこれ以上のものはありません。


掛川花鳥園のようなガラス越しとか、動物園の檻の中とかではなくて、目の前でこんな可愛い天然モノが見れちゃうんです! 年中無給休暇のジジババじゃなくたって、集まるのは無理ないことなのです。濃いめのアイシャドウが黄色いお目目をググっと引き立てています。


その時、私はいなかったので後から聞いた話ですが、ビギナーの親子が来て「きゃ~、かわゆ~い!」「ミミリ~ン!!」「家に連れて帰りた~い!!」と、うるさいの何のって!!

コミミズクは「小耳木菟」と書きます。耳の小さいミミズクと言う意味です。上の写真でもわずかに、ほんのわずかに小耳が見えるでしょ?

おっと、上空にチョウゲンボウが現れました。

緊張した時などには、こんなふうに小耳を立てます。でもホントの耳じゃないので勘違いせぬように! この部分は「羽角」といって、単なる飾り羽です。

さてさて、ここからが本題! 今回、コミミ君の「直接頭かき」がじっくりと撮れました。

あれ?何か変な感じ!
そうです、右足で左の頭を掻いているんです。もしかして左足を怪我でもしてるのかな?

…と、思いきや、今度は左足で右の頭を! 

うわわ~、さりげなくやってるけど、こんな頭かきの方法を他の鳥では過去、絶対に見たことがありません!! これはすっごい技です! 鉄棒で内村選手がさりげなく繰り出す技が、誰にも真似できないようなすご技なんですぞ きっと!
私の近所にいる皆さんも、この時の写真は撮ってるだろうけど、このすご技に気付いているんだろうか? 誰も気付いていないんだろうな~ きっと!

うっへ~~、またまた右足で左の頭を・・・

これは明らかに意識して出してる秘技に違いありません!!
これはネズミを捕まえるのに効果的な練習・・・うそうそ、そんなことはありません。

それにしても、何故か変則的にクロスに掻くのが好きなへそ曲がりのコミミ君!! ホントに変なヤツじゃ~! 
もしかしたら他のコミミ君も同じことをするのかい? 今後に興味を引きずります。

こちらは目の周りをこすっているところ

拡大してよ~く見ると、ヒトと同じように指の表側を使っています。

きっと爪の生えている方では危ないので、目をケガしないようにしているのでしょう。

おおっ、今度は頭のてっぺんを掻きだしました。
でもこんなことで驚いてはいけません!

フクロウ類にとっては顔の上下をひっくり返すなんて、お茶の子さいさい。

ぐにゅ~~んと回って

ほれ! このとおり、頭が真下に来ました。

どうしてこんな芸当ができるのかって? それはヒトを含めた哺乳類の脛骨(首の骨)が7本なのに対して、フクロウ類は14本あるからなのです。
キリンだってあんなに長い首なのに脛骨は7本しかありませんぞ!

コミミ君の首回りの羽毛の中は、サギ類のように脛骨がS字になって収納されています。それが上下や左右の回転を可能にしているという訳なのです。

エクソシスト」っていう怖~いオカルト映画を覚えてますか? あのように360度の回転とは言わないまでも、コミミ君たちは左右にそれぞれ約270度、合計540度ほども回転できるのです。

ちなみに、「わたしゃ、借金で首が曲がらない」とおっしゃる人間の首が動かせる範囲は左右それぞれ60度、計120度くらいです。

時にはホバリングをしながら、ハタネズミを探します。

コミミ君が大陸へ渡ってしまうのはもうすぐです。

それまでは、じっと静かに見守っていたいものです。

















学力テスト Vol.368-3 その解答 タヒバリ ~ 名前の由来は・・・ ~

 タヒバリ ~ 名前の由来は・・・ ~


或る日のこと、いつもの撮影コースの小川にタヒバリ君がいました。彼は普通、冬の枯れた農耕地などにいることが多いのですが、今日は何故かこんな場所に・・・

おっと~、いきなり水浴びを開始!!

こ、これは、もしかしたらもしかしたら、もしかするぞ~~!!

いきなりの展開に、期待で胸が膨らみます!! こちらはすぐそばの車内からの撮影なので、タヒバリ君の警戒心は、ほぼ0なのです。

水浴びのあとは、狙いどおりに羽繕いの開始
そうそう、その調子!

丁寧に丁寧に、時間を掛けて羽繕いを進めていきます。

後は、この時にカラスやタカ類などが上空に飛んでこないことを祈るのみ!!
邪魔者が飛んでくると「水浴び → 羽繕い → ○○○」のルーティーンが一瞬にしてオジャンとなってしまうのです!

おお~っ、○○○をやった~~!! 

右足で頭かきを始めました! これこれ! これです! この瞬間を待っていたのです!!
正面でよく見えないのですが、もちろん「間接頭かき」の筈です。

うわわ~~!! 今度は左足での頭かきの大サービス!

私にはVサインに見えてしまいます!生きててよかった~~ まさに夢心地の瞬間です!
たかが「頭かき」と言うなかれ! 昨年から「頭かき」特集を集めている私としては、珍鳥よりも価値を見出す至福の時間なのであ~る。

いつもタヒバリ君がいるような場所では、餌探しなどで歩き回っていることが多いので、なかなかくつろいで羽繕いをしてくれる場面に巡り合わないのです。
この晩のビールの旨かったことと言ったら・・・!!!

さてさて、名前の由来ですが、同じような場所に生息していて、ヒバリに似ているから「タヒバリ」と呼ばれているんだとか。同じ茶系の鳥ではありますが・・・。

こちらが「ヒバリ」君 

実は実はヒバリ君はヒバリ科で、タヒバリ君はセキレイの仲間なので全くちがう種類なのです。タヒバリ君はよ~く見ているとセキレイのように尾羽を上下に振ったりしています。

英名では「Water Pipit」。タヒバリ君が田んぼから飛び立つときに「ピピッ」っと鳴くのですが、英名はここから付けられたのです・・・これホントだってば!!