学力テスト Vol.392-2 その解答 イソヒヨドリ ~ 縄張りを拡大中 ~

 イソヒヨドリ ~ 縄張りを拡大中 ~

♂の成鳥  

 漢字では「磯鵯」と書きます。・・・が、ヒヨドリの仲間とは全く関係なく、ヒタキの仲間なのです。どうしてこんな名前がついたのかというと、大きさがヒヨドリくらいで、磯で暮らしているから・・・ということで付けられたようです。

こちらは♀の第1回冬羽

 英名は「Blue Rock Thrush」で、直訳すれば「岩場にいる青いツグミ」。
これは海岸線に住んでいる人ならよく知っているように、いつも岩場のあるところで見かけます。

♀成鳥

 1980年代前半頃の記憶では、浜北の岩水寺付近に瓦礫の岩場があって、そこで時々見かけました。その時は、その場所が海岸から20㎞位離れてるのにどうしてこんなのがいるんだろう?と不思議でしたが英名から連想して、もしかして岩場が好きなのかな?と、思っていました。

 その頃、我が家の近くではあまり見かけませんでしたが、それから数年してからはちょくちょく見かけるようになり、今では我が家の周辺にも住み着いています。国内のあちこちでも、街中のビル街にもどんどんと進出中。

 街中のビルがある所は、イソヒヨ君たちにとっては立体駐車場や通気口など巣作りに適当な隙間もあるし、エサもそこそこ豊富だし、雨もしのげるし、岩場に似た恰好の環境なのかもしれません。

 学名は「Monticola solitarius」で「孤独な山の住人」。
ヨーロッパ南部などでは、内陸のけっこう標高の高い岩場などで多く見られるとのこと。

♂の第一回冬羽 

 我が家の屋根や庭先にも遊びに来ます。これは2mの超至近距離からの撮影ですが、ぜんぜん物おじしません! ヒトの存在なんて無視! かなり気も強そうです!!

 4月頃になると、その美しいさえずりが近所に響き渡るようになります。YOU TUBEで囀りを検索してみてください。オオルリやクロツグミに勝るとも劣らない名歌手なんです!

♀が黒い木の実を食べています。

こちらの♂はカマキリを捕まえました。

 この他にダンゴムシやゴキブリなど何でも食べるようで、そんな悪食ともいえる食生活も街中への進出できる理由なのでしょう。

幼鳥たちが飛び回っています。

 イソヒヨドリにはちょっと変わった習性があって、育児方法も独特なんだそうな。
ヒナが自分で飛べるようになる巣立ち後は、父親と母親がそれぞれが2~3羽ほどのヒナを分担して育てるとのことです。

 自分の受け持ちでないヒナに対しては一切面倒を見なくて、餌も与えなくなるのだそうな。この方法がヒナたちの面倒を効率よく見やすいのか、はたまた、できるだけ早く独立させるようにという意図なのかはよくわかりません?
イソヒヨには群れを作る習性はないので、ここで学名の「孤独な住人」と繋がります。

イソヒヨ君は完ぺきな「間接頭かき」
右足の下に翼があるのが見えるでしょ?

 街への進出にはカラスたちが大きく立ちはだかるでしょうが、イソヒヨ君たちなら負けることなく立ち向かっていくことでしょう。

 イソヒヨ君を見て、カワセミを見た!・・・と誤認されるように、そこそこ映えるし、囀りは美しいし、たまにツバメのヒナを襲う以外、特に悪さをする鳥でもなさそうなので、今後の都市化を見守ろうかなっと!

 もしかしたら、イソヒヨ君の都会へ行く理由は「こんな田舎にいたってオラの一生はなんも変わんねえ、うだつの上がんねえまんま、おっちぬなんてやだ~っ! よっしゃ~、オラ都会さ行ぐだ~! 行って一旗揚げるだ~! そしてめんこいネエチャンを見っけてシアワセになるだ~!」と、思い立って行動したのかもしれません。
田舎の青年にとって、都会は薔薇色に光り輝いて見えてたってことでしょう!! 

 かわいい幼馴なじみがイソヒヨ君のことを熱~く想っているということに気づかないで!! まあ、しゃあないね! とにかく、ぐゎんばれ~~!!











学力テスト Vol.392-1 ~ 頭かきシリーズ その38 ~

 今年もいろいろな鳥や虫たちに出会えて、とっても幸せな日々でした。

 初めてであった鳥、数年ぶりに出会った鳥や虫、数十年ぶりに出会った鳥、そしてそして久々に出会った仲間たち・・・どれも記憶に深く深く刻まれるものばかりです。感謝感謝です!

「オオミズアオ」君      
自宅の庭では初記録で、しかも晩秋の11/27になってから! 

庭のエゴノキの実を食べに来てくれたヤマガラ君  9/25
パジャマ姿で撮れるなんて最高~~

 さてさて本題! 以下の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。年末の大掃除などで忙しいと思うので、今回は簡単なものばかり!・・です!

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C





学力テスト Vol.391-4 その解答 サバクヒタキ ~ 大陸からの珍客 ~

 サバクヒタキ ~ 大陸からの珍客 ~

1989年に奈良県に来たサバクヒタキ君

 この当時は、週末が終わる日曜日の夜に固定電話で珍鳥情報が入ります。カーナビなんて無いので手書きの地図がFAXで送られてくるのです。自宅にFAXがなければ会社宛て!・・・だから女子社員と仲良くなっていないと、上司にチクられてしまいます。

 まずは、この送られてくる地図が問題! 鳥は人のいない場所にいることが多いので、これといった目標物がありません。説明が上手な人の地図は、そこそこ安心できますが、地図を書くのが下手な人だと、迷子になってしまうのです。ましてや方向音痴に書かせたら・・・

 そして次の週末まで、「どうか1週間いてくれよ~~!!」と願いながら、まんじりともせず、眠れぬ夜を過ごさねばなりませぬ!

 だから1週間後に出会えた時の喜びは、携帯電話やカーナビが発達した現在とは比べ物にならないほどの大感激だったのです!!


 「サバクヒタキ」の英名は「Desert Wheatear」で、「Desert」は砂漠、「Wheatear」とは ①小麦(Wheat)の収穫時期に体脂肪を満たす鳥 ②白(White)と俗語の腰(ear)から、腰の白い鳥・・・の2説があります。

 また、学名は「Oenanthe deserti
属名の「Oenanthe」とはギリシャ語の「oinanthe」に由来してアリストテレスが記述した鳥の1種。「oine」はぶどう、「anthe」は花時のことで、すなわち「ブドウの花時にギリシャに現れる鳥」を指しています。
種小名の「deserti」はもちろん「砂漠」のこと。 

 「ヒタキ科」の中の「サバクヒタキ属」は世界で18種類います。
その一部の種が砂漠や半砂漠地帯で繁殖しているので、この名前があるのです。   
                       参考資料:「 野鳥の名前」安部直哉著 

この「サバク」君は中国大陸西部から、ごくたまに迷鳥として渡来します。

国内で記録のある「サバクヒタキ属」は4種類で、尾羽の模様も有効な識別点。

 写真はありませんが、サバクヒタキには、かつて東京の荒川でも出会ったことがあります。
 わざわざ見に行ったのにどうして写真を載せないのかって? 知りたい? う~ん、あまり言いたかないけど、・・・レンズだけ持って行ってカメラを忘れちゃったのでござる! フン!!

 現地に到着したら、すぐにサバクが見つかったので、いざ撮影! となってリュックから出そうとしたら無い! 無い無い! レンズはあるのに、カメラがどこにもありません!!! 
 うっそ~~!! ホントけ? 泣きたくなりました! こんな時に限ってにサバク君が近いのです!! オーマイガー~~!! 

 薄情な友人は自分が撮るのに夢中で、私のことなど全くお構いなし!! 気にも留めずに撮りまくっています! 
 私はただただ、指をくわえて見ていただけでした。ぐぎぎぎぎぎ~~~!! 

 ・・・ということで、鳥仲間に親友を求めてはなりませぬぞ! 
もし私だけが大事な鳥を見て、連れが見逃した場合は、そりゃもう、半月ほどは口をきいてもらえません! まあ、逆の立場になっても同じことなんだけどさっ! 

この時、食べていたのは「ケラ」
他にハサミムシとかミミズなどを、おいしそうに食べていました。


 ここは家庭農園だったので、こんなふうに洗濯バサミも写ってしまいましたが、まあそんなことはご愛敬。まずは右足での「頭かき」!! おおっ、やった~~!!


 次は左足での「頭かき」!! もちろんどちらも「間接型」でした。サービス満点です! ほかの写真屋さんと違って、私の場合は「頭かき」が撮れればミッション完了!!あとはおまけです。
これだけ撮れたら、かつての荒川でのつらく悲しく苦~い思い出はきっと消えてくれる・・・かな?!?! 












学力テスト Vol.391-3 その解答 ハクガン ~ 40年掛けた復活劇 ~ 

 ハクガン ~ 40年掛けた復活劇 ~

こちらはハクガンの幼鳥君 「直接頭かき」です。

2年前に撮った写真 中央にハクガンが2羽、写っています。
この時は、これでも一番近い距離! まあこんなもんか・・・ 


 今年、秋の伊豆沼でのこと。この日は地元の人に「ハクガン? まだ来てないなあ~」と言われた直後に16羽という大群が目の前に飛んできました! 
うわわ~ 何という幸運!!!!


 ハクガンは1日に2000kmも飛ぶことができます。それが分かったのは1991年のこと。北極圏で繁殖したハクガンに衛星発信機を取り付けたところ、北アメリカのバンクーバーまで1日で渡ってしまったとのことです。平均時速は83㎞。

 どうしてそのようなことが可能なのか? それは繁殖地からバンクーバーに向かって吹いている風を上手に利用しているからなのです。この風に乗ることで少ないエネルギーで高速移動ができるのです。      ー 参考「鳥の雑学がよ~くわかる本」柴田佳秀 ー

ハクガンの警戒心は半端ないです。

まず1羽の成鳥が飛び出すと

続いて、我も我もと幼鳥が続きます。

まだ周りにいるマガンたちは飛ぶ気配がありません。

この4羽はすべて幼鳥。

 40年ほど前には国内でハクガンを見るのはせいぜい数羽でした。それほど絶滅に瀕していたのです。
 かつての東京湾にはすごい数のハクガンがいたとの記録がありますが、明治時代に解禁された狩猟によって、あっという間に、ほぼすべてが見られなくなってしまったのです。

 現在は、何と何と1000羽を超えるハクガンが渡ってくるようになりました。もちろん、何もしないでそうなったわけではありません。

 詳しいことは、ネットで「日本の空に復活したハクガンとシジュウカラガン:サントリー 世界愛鳥基金」をご覧ください。


ほぼ危機を脱したハクガンたちですが、これからも安心して越冬できますように!








学力テスト Vol.391-2 その解答 ヨシガモ ~ 東洋の宝石 ~ 

 ヨシガモ ~ 東洋の宝石 ~

欧米人のバーダーがよだれを垂らすほどの美しさ!
東洋区にしか生息していないので、彼らには羨望の的なのです!!

この見事な三列風切が発達してくる頃になると。求愛行動が始まります。

こちらは「取り囲み(または囲い込み)」という行動で、♀を複数の♂が囲みます。
彼らの求愛方法は合コン・・・というよりも人気の♀をめぐっての駆け引きなのです。

当然ながら♂同士の喧嘩も絶えません!
「チョエ~ あっちいけ~!」と追っ払います。

奥の♂はマイペースでディスプレイ

頭を下げて

嘴で水を前方に飛ばします。これは「水はね」というディスプレイ。

尾羽を上げて「テイルアップ(または「そり縮み」)」というポーズも。

 引き上げられた尾の側面にある、下尾筒のクリーム色の部分を強調しているのです。
♀はそれらのディスプレイを横目でチラチラと見ながら、この♂の器量(羽の美しさとか、艶の具合を見て健康状態など)をしっかりとチェックしています。


 前傾姿勢で水しぶきをあげて♀の横を突進することもあります。「どうでい!オイラはこんなに若いんだぞ~っ!」と、パワーがあり余っていることを見せつけているのでしょう。

あまり♀が興味を持ってくれないために、しばし♂同士が休戦してヒソヒソと作戦会議!

「なあなあ、お前ってどの子がタイプ?」
「オイラ? あの目がクリっとした子がええなあ! だってすっげ~可愛いもん!」
「オラはあのキュッとしまった腰のあの子だがや~!!」
「オレなんてさあ、あの色っぽい声を出す子に一目惚れだいっ!」
「じゃあ、みんなの好みがそれぞれ違うってことで、喧嘩なんかするのは止めようぜい!」
「んだ、んだ、そうしようぜい!」

しかし、こんな彼らの思惑はぜんぜん役に立ちません! 何故かというと、相手を決める権利はすべて♀にあるからなのです!! 

さあさあ、無駄な話し合いなんてしてないで一生懸命にディスプレイに精を出しなさいってば! 努力あるのみ! 努力すれば報われる・・・カモ?

そんなこんながありまして、このカップルはめでたく結婚と相成りました。

愛を確かめあった後の満ち足りた表情

しかし、こんなハートマークだらけの至福の時間がいつまでも続くはずもなく・・・

ある日のこと、♀が血相を変えて♂に詰め寄っています!

うわわ~、♂の首にガブリッと嚙みつきました!

「ちょっとアンタさ~、私というものがありながら、あの子にニタニタしながら言い寄っててたでしょっ!」
「ええ? そ、そりゃ誤解だぜい! 道を聞かれたから答えてただけだってば~」
「ウソおっしゃい! アンタから声を掛けたのをちゃんと最初から見てたんだからねっ!」
「ううっ! バ・バレてたかっ!」 ・・・果てしなく焼きもちが続きます!


あまりの♀の焼きもちに、とうとう♂もブチ切れてしまいました!
「そういうお前だって、こないだ あのチャラ男と うっとり顔で話してたじゃんか!知ってんぞ~!!」
「えっ、あ、あれはさ~ アタイの顔がチャーミングって言ってくれたから、ちょっと立ち話してただけだってば~ い、いいじゃん、ホンのちょっと話しただけなんだからさあ~」
「グギギギ~~」
「ふん、この焼きもち焼き~ アンタのそういう了見の狭いところって大っ嫌い!!」
もう、エンドレスで止まることがありません! 

まあこれも倦怠期、おっと間違い 円熟期の夫婦にはよくあるお話。少々の刺激がないと、退屈な生活だけじゃメリハリがないしねっ!


でも、こんな痴話喧嘩なんて、これからいろいろ押し寄せてくるであろう人生の荒波
からすれば、些細なさざ波! 翌日にはケロッとして仲良くしていました。

この後、このカップルがどうなったのかは神のみぞが知ることです。


こんなふうに仲良く飛んでいるカップルもいたので、あの2羽もきっとうまくやっていることでしょう。来年も元気で戻って来いよ~

おっと、危なく忘れるところだったわい!
ヨシガモ君は「直接頭かき」でござる。































学力テスト Vol.391-1 ~ 頭かきシリーズ その37 ~

 今回のサムライブルーはよく頑張ったね!! 強豪相手に2勝はものすごいこと!!

 国際サッカー連盟(FIFA)はツイッターに、日本代表チームが去った後のロッカールームにはちり一つなかったと投稿し、室内の写真を公開したとのことでした。

 試合後にスタジアムを清掃するサポーターたちの姿もお馴染みです。さすがさすが「立つ鳥跡を濁さず」でゲーム内容とともに、この行為でも称賛を浴びたのです。

今年の秋も遠州地方には「珍蝶」が飛来しました。

リュウキュウムラサキ

 毎年のように愛知県や浜松市内に姿を見せます。本来は南西諸島に生息しているチョウで
あちらでも、そんなに多くはない種類。

アオタテハモドキ
何と何と、佐鳴湖で発見されたのです!! 

 こちらも南西諸島から台風などに乗ってきたのは明らかです。
その時に♂♀が同時に来たのか、それとも卵を抱えた♀が飛んできたのかは不明ですが、とにかくこちらで新しく羽化したような新鮮な個体もいました。

アカボシゴマダラ

 このチョウは「珍蝶」と呼ぶべきものではありません。というのも奄美大島にいる国産種ではなく、こちらは中国産の亜種を人為的に持ち込んだもので、それを「ゲリラ放虫」したと言われています。いわばチョウ屋がやらかした「お騒がせ犯」! だからこんなのを見つけたからと喜んでハナマルにしてはいけません。アウトです!!
ちなみに、この中国産の亜種は、奄美産とは後翅の赤い斑点の模様が異なります。

 さてさて本題! 以下の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。今回は簡単なものばかり!・・かな?

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C