学力テスト Vol.331-1

 今年は鳥の様子にも少々異変が・・・ 毎年、スズガモが3000羽ほど来る湾にゼロ!!  他の潜水ガモの仲間も少なめです。一説には浜名湖の水温上昇でエサが不足してきているとか・・・ そんな中、佐鳴湖ではカワセミを追いかけているオジングループが激増ぎみ!まあ、自然のことに興味を持つ人たちが増えるのはいいことだけどネ!


さてさて、今回は古語などで呼ばれているカモの名前を当ててもらうことにします。姿かたちや、習性から付けられているようです。名前を繋げるだけではやさしすぎるので、名前の掲載は止めておきました。

A:どろがも  B:はながも  C:あおくび


以下の写真はクイズとは何の関わりもありません。

ビギナーのオジンたちが夢中になって撮っているカワセミ君

位置をそ~っと左へ移動してみると、同じ個体でもこんなに違う色に撮れました。
これは「構造色」という手品!!




学力テスト Vol.330--4 その解答 カラムクドリ

 カラムクドリ

この鳥が出たという話を聞いたのは 1/3 。                      朝からお屠蘇を飲んでいたため、運転ができなくなって、近所のカワセミ君と遊んでいた時でした。そこそこに撮り終えて一旦帰宅した時に、携帯に「カラムクが出たぞ~~!」「え~っ、ど、どこ? どこどこ~?」「佐鳴湖じゃ~~!!」「ゲゲ~~!!」さっきまで撮っていたところと100mしか離れていません!!

うわわ~~ その距離なんと5m! 手が届きそうなところに!!!

♂若鳥も2羽一緒に

夢中になって食べているのは「トウネズミモチ」の実

「トウネズミモチ」は中国からの移入種 
漢字の表記では「唐鼠黐」と書きます。果実は強壮作用があるんだそうな!

カラムク君も「唐椋鳥」と書いて中国大陸からの迷鳥。向こうにいる時はいつもこれを食べているのかな? 隣にあるヤマハゼの実には全然、見向きもしません。

風切り羽根には光沢があります。
これはコムクドリほどではないけど、かなりのテカテカ!!

参考までに、コムクドリはこちら。
構造色を発揮して、さらに美しく輝いています。

そして気になったのは尾羽の模様! 

どの図鑑を見ても「外側先端に白斑」と書いてあるのに、全然違う~!!
こんな発見があるのも鳥見の楽しみ!!
ヒトだっていろいろ外見が違うんだから、この程度は「個体差」の範囲なのかな?

いずれにせよ、今回は我が家からの直線距離300mでの大珍鳥!! しかも3羽!!!!!
正月早々のスゴ~イお年玉でした!!

P.S. オジロビタキの投稿の時に、チラっと「」や「亜種」の話が出ました。
ヒトは「人種」と称して白人・黒人・黄人などと区別して話をややこしくしているけど、生物学的には1つの「種」です。









学力テスト Vol.330-3 その解答 オジロビタキ

 オジロビタキ

近年、日本に渡って来る「オジロビタキ」と、その亜種である「ニシオジロビタキ」は別種だという話があります。まだ検討中の段階なので、ここではオジロビタキとしてご紹介。

とにかく「かわいい~~!!!」の一言
チョイ見はシックだけど、とにかくカワユイので、いつも人気ランクでも上位。

この個体はニシオジロビタキと思われます。

ニシオジロビタキは嘴の下が山吹色というのが識別点の1つという事になっています。

時折見せる尾羽を上げる仕草が何とも魅力的!!
その愛らしさに誰しもがノックアウト!!


学力テスト Vol.330-2 その解答 キバラガラ 

 キバラガラ

出身地は中国大陸の南東部から北東部にかけて生息。2010年以降の図鑑でないと載っていないし、まだ数例しか見つかっていないというニューフェイスの珍鳥です。こりゃ地元で待ってても見れっこない~! 行くっきゃない~~!!


「ちょっとアンタ~、明日もどこ行くのさ~! ホントにも~!! この役立たずったら~!!!」年末の大掃除もほったらかして、トンズラです!


「掃除なんてしなくたって死にゃしないから、大丈夫! 雑菌にも強い身体はコロナにも強いんだい!」と、いつもの訳の分からない言い訳を後にしてすっ飛んで行きました。

大きさは10cmだからキクイタダキと同じくらい。

後ろに見えるヤマガラ(14㎝)が、離れているのに、やけに巨大に見えます。


学力テスト Vol.330-1

 英国で流行している変異型の新型コロナウイルス感染者が静岡県東部で4名発生!! 英国に行ったことのない人というので、県知事もピリピリ!! 不要不急が、なおさら きつくなる~~

さてさて、久しぶりに正面顔と後ろ姿でのクイズです。図鑑もフルに使っても構わないので、さあ挑戦!!

A

B

C


学力テスト Vol.329-5 その解答 アカハシハジロー2

 前回、アカハシハジロ(Red Crested Pochard) の頭蓋骨の話をしたけど、その続きのお話!

これが頭蓋骨のイラスト 「TRACKS & SIGNS」より

こちらはホンモノのアカハシハジロ・・・すなわち「番長」君の標準時のアフロヘアー

私の大好きなアカハシハジロ君! 頭蓋骨のイラストからは程遠い感じ!! 
頭がでっかい=態度もでっかそうなので、個人的には昔から「番長」と呼んでました。

こちらが頭の毛をたたんだ時のヘアスタイル 

周囲に突っ張った態度を取らないで、安息モードの時にはこんなふうにヘアを寝かせるのかな?!?! ・・・いずれにせよ、普段この髪形はあまり見せないような気がします。これで頭蓋骨のイラストにようやく納得!! この写真があれば説明は不要ですよね?!?! 苦労に苦労を重ねて、ようやく撮れました。あゝ疲れた~~!!




学力テスト Vol.329-4 その解答 アカハシハジロー1

 アカハシハジロ

今回のクイズの中ではメインゲスト!! 私の大好きなカモです。どこがいいかって?! そんなの、このドでかい頭に決まってんじゃん!! 態度もでかそうだし、いかにも「オレさまは番長だいっ!」って感じが大好き!!


この三等身みたいに感じるドデカ頭が何ともかわいいね~!


カンムリカイツブリが斜めに写っているので、わかりにくいけど全長はほゞ同じなのに
この頭の大きさは5倍くらいはありそうです。


ここで話の流れとして、参考のためにまだフィールドでは見たことのない「カラフトフクロウ」君に登場していただくことにしました。
このプレートは絵の上手な友人に書いてもらい、部屋に飾ってある家宝というか、魔よけのお守りでござる!!
※本物の写真はネットでご覧ください。・・・いっぱい載ってるから。  

このカラフトフクロウ君、ホンモノ?との出会いは富士宮市にある「富士ベゴニア園(現在は富士花鳥園と改名)」というところでした。
元々はベゴニアやフクシアなどの花々を大温室内で大々的に咲かせて客に見せていましたが、数十年前、フクロウ類の展示もすることになったのです。・・・もちろん野生ではなく、すべて飼育された個体。

その中に世界最大のフクロウであるカラフト君がいて、何と手乗りをさせてくれるという情報が入りました!! 
図鑑でしか見たことのない、超あこがれのフクロウに触れる!!!!
動物園の檻の中のを見るのとは訳が違います・・・こりゃすぐに行くっきゃありません! 
即、友人たちとすっ飛んで行ったのはもちろんのこと!! 週末までの待つ時間の長かったこととい言ったら!!

そもそもカラフト君は国内の記録なんてのは、もちろん無くてユーラシア大陸の北部や北米の北部に行かないと見れないシロモノなのです。このバームクーヘンのような顔がたまらなくカッコイイんだよね~~!!
BSの「ワイルドライフ」でも、昨年あたりに紹介されてたのを覚えてるかな?
この時は正座をして見てました。

さてさて、さっそく手乗りをさせてもらいました。でっかい割に意外と軽い!!
その時に、前々から疑問に思っていたことを素早く実践! カラフト君の頭のてっぺんに、人差し指を突っ込んでみたのです。「うわわ~~~!!やっぱしじゃ~~!!」案の定、指は第二関節までズブリっと潜ってしまいました。

アオバズク

もうお分かりだと思いますが、他のフクロウ類に比べてカラフト君の目が小さいという事は、当然ながら頭蓋骨も小さいという事、頭が大きく見えるという事は羽毛が半端なく長いということなのです!

さて、ここからが本題!!・・・この説が今回の「番長」にも当てはまるはず!!
そこで探し当てたのが下記の本。

さすがは歴史ある大英帝国です。
「TRACKS & SIGNS 」という本には、カモ類の頭蓋骨のイラストがずらり。

一番下の段をご覧ください。
左から右へ Mallard(マガモ)・Red-crested Pochard(アカハシハジロ)・Long-tailed Duck(コオリガモ)・Mandarin(オシドリ)となっています。

イラストの中で、一番頭が丸く高さもあるのは上段右上のGoldeneye(ホオジロガモ)。
これがフィールドで見ると一番アカハシハジロっぽい頭の形!! 予測ではこのくらいの形じゃないのかな~と思っていたけど、何の何の! ホンモノは何とマガモよりも平べったい頭蓋骨なんだよね~~!!

参考までに、その他のイラストで日本で見られるカモは上段の左から2つめの Shelduck(ツクシガモ)とその下(中段)のTufted Duck(キンクロハジロ)。
他のカモは日本では見られない種類なので説明は割愛します。
図鑑でそれぞれの嘴の形を照合すると、当然ながらピッタリと符合します。

というわけでして、もし「番長」君を抱く機会があったら、真っ先に頭の先に指を突っ込んじゃおうかなっと!!




学力テスト Vol.329-3 その解答 アカハジロ

 アカハジロ

1994年に都内の浮間公園にて

記録ではこれよりも8年前に不忍池で見ていることになっているけど、はっきりくっきりと覚えているのはこの1994年! 
何でだろ?! もしかして若年性のマダラボケ?!?! きっとそうだなっ!そうにちがいない!!  その頃からこんな症状があったのか~ ガックリ! & 道理で!!

当時はメジロガモは極めて稀な珍鳥だったのに対し、こちらは、毎年のようにどこかに出没する、そこそこの珍鳥でした。

それがここ最近は、立場が逆転しているようです。

メジロガモは × ⇒ △へ  アカハジロは △ ⇒ × へ


アカハジロはロシアと中国の国境を流れるアムール川(中国ではこの川を黒龍江と呼びます)の流域などで繁殖する東アジアの特産種ですが、お定まりの自然破壊や環境汚染などの影響により減少が深刻で、総個体数は1,000羽を切っているという話も!
※1,000という数字は絶滅と背中合わせのボーダーライン・・・と聞いたことがあります。

こちらはアカハジロっぽいけど、頭部に赤が混じった変な雑種

最近はこんなアカハジロとメジロガモの雑種の話があちこちから聞かれます。


同じハジロガモ属のメジロガモは、黒海周辺などヨーロッパ東部やチベットなどに広く分布しているけど、それが東進してきてアカハジロとの交雑が増えてきたらしいのです。

ああ、雑種はヤダヤダ!!・・だけど面白い~~!











学力テスト Vol.329-2 その解答 メジロガモ 

 メジロガモ

まずはこの写真! 時は1991年というから、ちょうど30年前

福岡市の大濠公園に出た、当時としては日本で2番目の記録(最初は1959年 千葉県)という極めて稀な種類でした。それにしても、よくもまあ、はるばると出かけたものです。デヘッ


現在では毎年、国内のどこかで観察されており、言わば珍鳥度が × から △ に降格。


ちなみに珍鳥度のランクは難易度が 高い ×× > × > △ > ○ 低い としておきます。

※ネットで「日本鳥類観察難易度ランキング データベース」というのが掲載されています。ビギナーや観察種を200種類ほど越えたような方には、これから見たいと思う種類が、どのくらいの難易度なのかが目安になりそうな興味あるデータです。 

後ろのホシハジロよりも一回りほど小ぶりです。

おっと、これもメジロガモ?! 

いやいや虹彩は薄い黄色で白くないし、腹部や背中はまったく色が違うシロモノ!
どうみても雑種で、親となる候補は、メジロガモ、アカハジロ、ホシハジロあたりの3種類。

図鑑でいろいろ調べてみると、どうやらメジロガモとホシハジロの雑種らしいのです!
でも、そうだとしたら虹彩が白×赤で薄黄色というのがどうも不思議なんですが・・・
誰かこの辺りに詳しい方は、是非ともご一報をお待ちしております。

こんなのが、いるからカモは面白いんだよね~ 
最近はこんな雑種を見つけるのが楽しみになったきましたワイ!







学力テスト Vol.329-1

 今日は1月9日!! 明治天皇の誕生日・・・そんなこと誰も知らないよね~       実はクイズの日なのです。ん?んん?まだ分からない? 1月9日=19 すなわち一休さんにちなんで、「とんちの日」または「クイズの日」なのです。これホント!

このブログを毎月9日に更新する「クイズの日」って決めたのは、上記のことを全く知らなかったけど、たまたま偶然じゃったわけ!

さてさて、今回の新春クイズはこれ! 簡単すぎて怒られそう~

A

B


C



学力テスト Vol.327-5 その解答 カリガネ

 カリガネ

伊豆沼周辺の素晴らしさは日の出の飛び立ちだけではありませぬ。近くの蕪栗沼に行けば、日の入り時のガンの塒入りが見られるのですが、これまた絶景の極み!!

半月前から日程が決まっていたので、一番心配だったのは天気! ベストは日の出と日の入りが見られることなのですが、今回は奇跡的に両方とも2回ずつ見ることができました。そりゃあ、日の出の飛び立ちや、日の入りの塒入りに曇り空だったら、感激は1/10以下になっちゃうからね~

日の入りの時間になると、四方からガンたちが帰ってきます。

日の入りの10分後、蕪栗沼の水面には多くのガンが降りています。

かすかに残る夕焼けの中で見えるガンの群れ

「落雁」と呼ばれる飛翔
水面上に来ると、隊列がほぐれてバラバラと落下していきます。

薄暗い方向からも、まだまだ続々と帰ってきます。
結局、真っ暗になっても まだまだ上空からはマガンの声が・・・

今回見つけたカリガネは4羽の群れを1回のみ!

見つけた確率は10万分の4でした。見つかってよかった~~~!!








学力テスト Vol.327-4 その解答 ヒシクイ

 ヒシクイ

昨年の11月、十数年ぶりに訪れた伊豆沼は、マガンの数が約10万羽!!

ホントに圧倒されました。当然ながら、日本最大のマガンの越冬地です。

これだけの数のガンが越冬できる伊豆沼という環境は、改めてすごいところと感心しました。現地での保護に関しては相当な苦労もあるだろうと推察できます。

ご存知のように伊豆沼は、釧路湿原(1980年登録)に続いて1985年、国内で2番目にラムサール条約に登録されています。

ラムサール条約というのは、正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地 に関する条約」という名前です。

朝日が上がる前後に、ガンたちがいっせいに飛び立ちます。

四方に広がるのですが、こちらに向かって来るのが一番多い!!

マガンたちの「カハハン、カハハン」という鳴き声と共に頭上にドド~っとかぶさってきます。
朝日の無い方向だと、まだ少々薄暗い時間です。

遅れじと、ハクチョウたちも飛び立っていきます。

撮っている時は気づかなかったけど、なんとなんと水鏡で飛翔が写っていました。

あっという間ですが、それはそれは感激の一瞬!! ホントは写真なんて撮らずにずっと見続けていたい!! それほど崇高で気高い時間なのです。

これらは伊豆沼の獅子ヶ鼻というポイントで撮ったものですが、この日の出の時の飛び立ちの風景が環境省の「日本の音風景100」にも選ばれています。

さてさて、今回はヒシクイのお話。今回の伊豆沼では50羽ほどを見ました。


マガンは日の出の時間に飛び立つと夕方まで殆どは戻って来ませんが、このヒシクイたちは
のんびりと水面にいました。

もしかしたらこの近くに好物のヒシの実があるのかな?


日本に渡ってくるヒシクイには2種類います。こちらは「亜種ヒシクイ」で北極に近い、カムチャツカのツンドラ地帯で繁殖し、太平洋側の伊豆沼に渡って来ます。

こちらは「亜種オオヒシクイ」

カムチャツカでもツンドラ地帯よりも南のタイガ地帯で繁殖して、日本海側に渡って来ます。琵琶湖とか宍道湖などで越冬するグループです。

日本に渡来するヒシクイの仲間は「オオヒシクイ」が過半数を占めているとのことです。

マガンよりも体がかなり大きいだけあって、声も太くて「ガガン、ガガン」と鳴きます。
なかなかに迫力のある声です!

この壮大なガンの大群を見たかったら現地へ行くっきゃない! たとえGO TOトラベルがなくなっても行くっきゃないんです!