チョウゲンボウ ~ 不思議な名前 ~
まずはこの不思議な名前から・・・ビギナーの頃から「これって何だろな~」と思っていました。皆さんもそうでしょ? 漢字では「長元坊」と書きます。
江戸時代の頃から「ちょうげんぼう」と呼ばれていたようですが、別名では何と「くそとび」とも呼ばれていたんだとか!・・・理由は鷹狩に使えないからということだけど、何とまあ、ひどい呼び方!
「くそとび」は「倭名類聚抄(わめいるいじゅしょう)」という本では「ネズミを食べ、目が大きい鳥」と書かれていて、ノスリかチョウゲンボウのことを指していたようです。
江戸時代でタカが愛されていたのは武士の趣味。
「鷹狩り」で重用されていたのはオオタカやハイタカでした。
ノスリやチョウゲンボウはタカ狩りには適さないので、どちらも「くそとび」とか「まぐそだか」「まぐそつかみ」と軽蔑されていたのです。
チョウゲンボウやノスリが馬糞をつかむことはないけど、ネズミや小型哺乳類を好んで食べるため、オオタカやハイタカに比べて下等な鳥だとされていたのです。
オニヤンマ
以下は吉田金彦という国語学者の説です。
大型トンボ(ヤンマ)のことを北関東地方(栃木県や茨城県の一部の地域)の方言では「ゲンザンボー」とか「ゲンザンボ」と呼んでいたようです。
このチョウゲンボウの尾が長い飛翔形が、下から見るとトンボに似ているんだとか!
その連想から「鳥ゲンザンボー」→ 「チョウゲンザンボー」→ 「チョウゲンボウ」になったというのです。
その他には「長元坊」なる坊さんがいて、自分を犠牲にして凶作の村を救ってタカになったという説もあるけど、歴史上の人物には「長元坊」という名前の人物がいたというようなことがどこにも書かれていないので、事実ではなさそうだとのことです。
チョウゲンボウは「ホバリング」の名手です。
※ホバリングというのは「低空飛翔」や「空中静止」のことです。
近縁のハヤブサに比べて
① 長い尾を持っているので、ホバリングに適しています。
長い尾を広げると、体を浮き上がらせる揚力を高める効果を生み、低空飛翔時の失速を防ぐことができます。
また、② 初列風切の第8と第9には外弁欠刻があって、これも低空飛翔に失速しにくい構造になっているのです。
これはハヤブサと違ってネズミやモグラ、バッタ類などの昆虫を捕食するのに適しているということなのです!
武士からは「役立たず」と言われてさげすまれていましたが、それは単に「鷹狩り」りという、趣味から見た価値観でしかなかったのです。
最後に、忘れないうちに「頭かき」を。
文句なしの「直接頭かき」で、いかにも気持ちよさげでしょ!
とても可愛らしい猛禽類なので、いつまでも身近にいてほしい・・・と願うばかりです!
名前の由来が面白いですね!
返信削除チョウゲンボウ ホントに可愛らしい!!
ずっと身近にいて欲しいですね~
タカの眼で虹彩がこげ茶色ってあまりいないのです。これがチョウゲンボウが可愛く見える要因です。
返信削除多くは黄色の虹彩のタカ類が多いので、精悍・・・言い換えるときつい感じがしますよね!