学力テスト Vol.458-1 ~ あんた誰シリーズ  その18 ~

 今回はカモの「翼鏡(よっきょう)」についてのクイズです。

クイズとしては意外と扱いにくいと思ってたけど、そこはそれ!「何でも前向きに挑戦するぞ~!」というチャレンジスピリットで作ってみました。

「翼鏡」というのはカモ類だけに使う言葉で「次列風切の、光沢のある目立つ色彩の部分」のことです。翼鏡の色は構造色といって、光の複雑な屈折などによって発色するため、角度によって色が変化して見えるのです。

さて、ここで一番身近なカルガモ君を例に挙げて説明しましょう。


カルガモ君の「翼鏡」はお洒落なブルーイッシュグリーン、すなわち「ターコイズブルー」に見えます。

ただ、構造色のため瞬時に変化して、こんな濃い紺色にも見えます。

だから「カルガモの翼鏡の色は?」と聞かれたら「ブルーイッシュグリーンに見えることが多い」・・・ということになります。

イラスト図鑑の飛翔図にはそんな色で書いてあるけど、本によって微妙に異なります。イラストレイターはさぞ悩みながら描いていることでしょう。

さて、こんな翼鏡を持ったカモたちですが、その名前を当ててください。

今回はカモ類は、どれも「三前趾足」で「全蹼足」「水かきあり」というのは共通項目であるため、この件は省きます。カモ君たちの名前だけを当ててください。

A

B













学力テスト Vol.457-3 その解答 ゴイサギ ~ 白いひも ~

 ゴイサギ ~ 白いひも ~

今回はゴイサギ君の頭についている「白いひも」について深堀りしてみました。

「白いひも」というのはこれです!

けっこうふにゃふにゃして、風に揺れているように見えます。
そして、この時の白いひもは1本!

こちらは幼鳥
体に白く星上の斑点があるところから「ホシゴイ」と呼ばれています。
もちろん、この頃には頭に白いひもは見当たりません。

こちらは一見、成鳥のように見えますが、まだ「ひも」がありません。
・・・ということは成鳥ではないのです。
「ひも」が生え始めるのには3~4年かかると言われています。

では成鳥になった個体の「ひも」について、よ~く観察してみましょう。

後頭部のこんなところから2本生えています。

これは頭部の羽毛が逆立っている時なので興奮状態の時ですが・・・

あやや~!!「ひも」が垂直にピーンと立っています!! という事は、当然ながらこの「ひも」の先端まで動きをコントロールできてるってことです! 

図鑑では2本から3本と書いてあるけど


このような3本を広げたオバQヘアーを撮るチャンスはめったにありません!

だから自画自賛で、サンデーモーニングのように「あっぱれ」を!!

足指クイズの答えは「三前趾足」と「半蹼足」で「水かきあり」。

頭かきは「直接型」でした。
皆さんは当然ながらご承知だと思いますが、この「白いひも」は「冠羽」と呼びます。

これが相手へのセックスアピール!・・ということもあるかもね?
ゴイサギ君たちは雌雄同色同体で「冠羽」はどちらにもあるので、お互いに相手への想いを表すってことで!


















学力テスト Vol.457-2 その解答 コウノトリ ~ 片足立ち ~

 コウノトリ ~ 片足立ち ~

あなたは目を開けた状態で、片足で何分ほど立っていられますか? 老化を防ぐには左右それぞれ1回1分で合計2分ずつを1日3回行うことが必要です。

寒くて外を歩くのなんてヤダ!と言うずぼらな人におススメなのがこの片足立ち!! 何とこれをするだけで1時間ウォーキングをするのと同じ効果が期待できるのですぞっ!

昨日、公園で年齢がどうみても70~80代のジイジとバアバの60名ほどの集団がウォーキング前の体操をしていました。最初はステッキを使ってのストレッチから始まって、最後にこの「片足立ち」を左右それぞれ1分ずつやっていたのですが、誰もヨロヨロしない!! 後ろでこっそりと同じことをやったオイラは40秒ほどでダウン!! 前にいなくてよかった~~

片足立ちといえば鳥たちはごく普通にしてますよね・・・しかも長時間!!

シロトキを使った図解

片足立ちは足の長い鳥で目立つけど、カモ類などでも普通にやってます。

鳥の体の中心はこのイラストの左側に書いてあるように膝の下にあります。
鳥の膝は羽毛の中に隠れて見えません!!
骨盤にあるこぶのおかげで、これ以上の角度で足が曲がることはありません。
片足でバランスをとるためには体の真下に足が位置する必要があるけど、鳥は足の位置が基本的に固定されており、体が足に寄り掛かった形になっているので、足先をほんの少々調整するだけでまっすぐに立っていられるのです。

さらにすごいのは骨盤近くに平衡を感じ取るセンサーがあり、それも片足立ちに役立っているのです。もちろんヒトと同じく内耳にも、もう一つのセンサーがあるのです。

そのため頭と体の動きをそれぞれ別々に把握することができるというのです。止まり木が揺れて体が上下に動いたら、頭の位置を固定したまま、体の動きを対応させる、あるいは頭かきをする時に頭を回転させても体のバランスは崩さずにいられるのです。
                                         参考:「鳥になるのはどんな感じ?」 デビット・アレン・シブリー著
最近購入したこの本は、お気に入りの一冊になりました。

頭かきは「直接型」


ちょっと分かりにくいけど「三前趾足(さんぜんしそく)」で「半蹼足(はんぼくそく)」といって、中指と外指の間に小さな水かきがあります。

先日、本州初となる輪島でのトキの放鳥を来年6月頃に実施する予定という話がありました。
まだ地震の復興もままならない中での話なので、どうなるかは予断を許しませんが、コウノトリの野生化が進んでいるのも大いに力になっているのです。


優雅に飛ぶコウノトリは、それを見るだけでシアワセな気分になります。


近い将来、トキも一緒に飛び回ってくれることを祈るばかりです。












学力テスト Vol.457-1 頭かきシリーズ その76

 今回の「頭かきクイズ」も、今までの復習を兼ねた「プチテスト ーその3」を作成してみました。きっとメチャ簡単だろうけど、凡ミスをせぬように満点を獲得してくだされ!

①鳥の名前 ②頭かきの方法 ③足指の形 ④水かきの種類 ⑤水かきの有無  について答えて下さい。

A

B
足指の形
水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆






学力テスト Vol.456-3 その解答 ホオジロガモ ~ おむすび君 ~

 ホオジロガモ ~ おむすび君 ~


学名は「Bucephala clangula 意味は「羽音が響く大きな頭の鳥」
Bucephala」とは牛の頭のことで、「clangulaよく響くという意味。

頭でっかちのおむすび頭で、このアンバランスな感じが大大大好き!!💕
英名は「Goldeneye」で金色の眼!!

♀も黄色系の虹彩ですが、♂よりも薄く黄白色です。
奥にいるくちばしの先が黄色いのが成鳥で、手前が幼羽です。

こちらはマガモの頭蓋骨のイラスト
「TRACKS & SIGNS」より

羽毛で着飾ると、こんなふうになります。


こちらがホオジロガモの頭蓋骨
マガモに比べて、頭頂部がかなり高くなっています。

羽毛で着飾ると、このとおり。
学名のとおり、確かにマガモと比べても頭がかなり大きいことが分かります。
そして、こんなふうに頭頂部の羽毛を寝かせていることもあるけど・・・

それが、このようにおむすび頭に変身!!

よく観察しないと分からないけど、もしかしたらこれは♀へのセックスアピールかも?
そ  他の♂にも頭を大きく見せることによって威嚇しているのでは? そうだとしたら、♀や他の♂がそばにいないときはテレ~っとして頭部の緊張を解いているのかも? どこにもそんなことは書いてないけど、こんな想像をしながら見ていると微笑ましく見えてきます。

虹彩の中央部にある黒い点を「瞳孔」、ヒトでの通称は「瞳」と呼びます。 
虹彩が黄色なので目立つせいなのか、この瞳孔の黒いのが他のカモよりも小さく見えます。 

カモたちに比べて、ヒトの「瞳孔」はかなり大きいのですが、一度鏡で確認してみる? 
「うわわ~、何じゃこりゃ~! 白目が濁ってバッチイ~~」まさに老人の眼!
かつては澄んでいたであろう、瞳はどこへ?・・・トホホ、見るんじゃなかったわい!
は心の窓と、のたまわったのは、かの有名なプラトン先生だそうな。
余分なことを言ってくれたものです。

「直接頭かき」をする♂
もちろん「三前趾足」で「標準蹼型」です。
警戒心が強く、なかなか近くで撮らせてもらえないのが悩みのタネ!

おむすび頭を正面から見るとこんな感じ。

こちらはキジの♀でやっぱり目のあたりがくぼんでいます。

多くの鳥の目は横向きについているため、広い視野を持っています。


両目で見える範囲(図の濃い部分)が立体視できるところです。
イラストは「鳥についての300の質問」より

手前の中央が♂成鳥(生殖羽)
左は♀幼羽
そして右奥が♂1年目の冬羽(1W)

♂ 1年目の冬羽(1W)

来年は見違えるようなダンディな
「おむすび君」になって戻ってきてくれることでしょう。






















学力テスト Vol.456-2 その解答 カワウ ~ グリーン・アイ ~ 

 カワウ ~ グリーン・アイ ~

あいや~、日光浴をしながら気持ちよさそうに「直接頭かき」をしてますね~

カワウ君と言えば、特筆すべきはその虹彩の色

「エメラルドグリーン」に光る虹彩を持ってる鳥なんて国内の鳥にはいません!

カワウ君がなぜ「グリーン・アイ」なのかを知りたいと思っていろいろ調べたけど、分かりませんでした。

虹彩の色は、メラニン色素と呼ばれる褐色の色素の量によって決まります。
虹彩の色はメラニン色素が多い順に黒 ⇒ 茶 ⇒ 緑 ⇒ 青となっています。 

日本人はメラニン色素が多いため、茶褐色の瞳が多く見られます。
歌にもよくある「とび色の瞳」と言うやつです。とび色ってのは『トビ』の羽根の色のことです。メラニン色素が多い・・・すなわち瞳の色が濃い方が眩しさに強いのです。

スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど日光の照射率が低い地域では、グレーや青色または緑色の目を持つ人々がいるようですが、世界全体で見ると「グリーン・アイ」というのはわずか2%しかいないんだそうな。

休息中のカワウ君


前指が3本と後ろ指が1本の形を「三前趾足(さんぜんしそく)」と言いますが、
指のすべてが水かきでつながっているので「全蹼足(ぜんぼくそく)」といいます。
いかにも潜水にもってこいのフィン(ひれ)なのです。

プールでダイブ用のフィンを装着して泳いだことがあるけど、それはそれは楽チン!
もっとも地上を歩く時は少々邪魔だけどね。

ここで「蹼足(ぼくそく)」って何のこっちゃ?の復習です。 
「蹼」とは「水かき」のことで「蹼膜(ぼくまく)」とも呼び、皮膚から進化したものです。

こちらはマガモ君


カモ類も「三前趾足」で、一見カワウ君に似ているけど、水かきがつながっているのは前の3本指だけで、後ろ指は独立しています。

こんな細い枝にも止まることができます。

カモ類でこんなところに止まれるのは、樹上で繁殖するオシドリくらいなものです。

一度だけ電線に止まっているカワウ君を撮ったことがあります。

ゲゲ~~ッ! こんな細いものにあのゴッツイ足指で止れるのかい?!?! 杭とか電柱に止まっているのはいつも見ていたけど、電線って!!・・・アンビリーバブ~~
「うわわ~、ス・スッゲ~」と感心してしまいました!!

風で揺れる電線を足指で丸め込んで、見事にバランスを取っていました。
指の関節も柔らかいんだろうな?きっと。 
彼らが樹上で繁殖できるのは、この細枝を掴める器用な足指があるからなのです。

繁殖期になると頭部と脇腹に白斑が出ます。

さて、あなたの恋人や同居人の虹彩はどんな色をしてるか、よく見たことがありますか?
「そんなの怖くて見れっこないじゃん!」って? そんな人は何か後ろめたいことがあるんじゃないの? 一度くらい、彼女の目ヤニを見つけるほどの大接近で見てみるといいねっ!

その時に「そんなに見つめちゃイヤ~ン」と、ポッと赤くなって恥じらうのか、「何をしとんじゃ?! おんどりゃ~、近寄るんじゃね~!!」とすねを蹴飛ばされるかは、あなたの普段の行動次第です。

ついでに「君のひとみの中に見える僕を見たいな~」なんて少々くさい事も言っちゃったりして! デヘッ
『君のひとみは10000ボルト』を口ずさみながら勇気を出してトライしてみましょう。










学力テスト Vol.456-1 頭かきシリーズ その75


今回の「頭かきクイズ」も、今までの復習を兼ねた「プチテストーその2」を作成してみましたが、きっと簡単すぎてつまんないって言われそう~っ!

①鳥の名前 ②頭かきの方法 ③足指の形 ④水かきの種類 ⑤水かきの有無  について答えて下さい。

A

B

足指の形


水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆