コチョウゲンボウ ~ 魅惑の青灰色 ~
初めてコチョウゲン君が撮れたという、かなり昔のお宝写真。
上記の2枚とも、早朝の天竜川河口の海岸でコチョウゲン君が小鳥たちが飛んでくるのを待ち受けているところです。
♀はキジバトと同サイズ。
♂はさらに一回り小さいし、虹彩がこげ茶なのでとっても可愛い感じ!
A:チョウゲンボウとB:コチョウゲンボウ・・・1文字違いだけど、まったく違います!
◇ABともに冬鳥ですが、Aは国内で一部繁殖しています。
◇Aはホバリングをよくするけど、Bのホバリングは見たことがありません。
ホバリングをしないせいなのか、コチョウゲンの方が尾羽が短いです。
◇Aは電線や電柱によく止まります。Bは電線には止まるけど電柱に止まることは、ほとんどありません。
◇ABどちらにとっても天敵はハヤブサ、オオタカ、ハイタカなどの猛禽類です。
◇Aは時には小鳥を狙いますが主食はバッタなどの昆虫で、Bの主食はスズメやメジロなどの小さめの小鳥類!
もちろんBの方が圧倒的に少数だし警戒心も強いので、見つけるのも撮るのもそんなに簡単ではありません!
Aは5~10mほどの高さを比較的ヒラヒラのんびりと飛ぶ感じだけど、Bは地面すれすれの1~2mの高さをビューンと一直線に飛びます。
まるでステルス戦闘機がレーダーに引っかからないような低空飛翔!
そして目指す獲物の小鳥を見つけると反転して襲い掛かるのです。
チョウゲン君の♂の色合いも美しいけど、コチョウゲン君の背中の青灰色(せいかいしょく)の美しさは格別で、うっとり!!
こんなポーズをしてくれたら「うわわ~~、もう何にもいらね~~!!」って感動しちゃって、その日は一日中「し・あ・わ・せ~~ 💛💛」という超ご機嫌の気分に!!
んん? 頭かきのことを忘れてないかって?
大丈夫!こんなふうに気持ちよさげに「直接頭かき」をしているところをしっかりと撮れてますんで。
P.S.
ところで、近年のゲノム解析(すなわちDNA分析のことです)によって鳥の系統が明らかになり、コチョウゲン君やチョウゲン君たちを含むハヤブサの仲間が従来の「タカ目 ハヤブサ科」から独立して「ハヤブサ目 ハヤブサ科」になり、インコやオウム類(インコ目)や小鳥類(スズメ目)に近いことが分かってきたという、すごい話は知ってますよね?
これは鳥の進化の歴史を理解する上で、分類学上でも ものすご~く大きな進歩なんだって!! (2012年 日本鳥学会が発表)