学力テスト Vol.429-3 その解答 ワキアカツグミ ~ 方向音痴 ~

 ワキアカツグミ ~ 方向音痴 ~


学名は「Turdus iliacus」 意味は「脇腹に特徴のあるツグミ」のことで和名と同じですが、英名では翼の裏側が橙色なことから「Redwing」といいます。

こちらは「ツグミ」

ボーッとチコちゃんをしてると、ツグミとしてスルーしてしまうかも?!
そんなヘマをしたら一生 出会えないかもしれないという、かなりのレアモノなのです。

ツグミと同じように、クスノキの実を好んで食べていました。

ワキアカツグミの繁殖地はロシアの針葉樹林帯やツンドラ地帯が主で、ツグミとラップしているので、本来はヨーロッパへ渡る筈がツグミと一緒に日本へやって来てしまったのかな?

渡りには太陽や星の位置を体内時計で微調整、さらに地磁気も感じ取って方角を定めて渡っているのです。方向音痴の人にはうらやましい限りの能力です。

「方向音痴」については「Vol.389-4  オグロシギ」で詳しく書いているので、読んでない人はそちらもどうぞ。

雨覆や風切羽にわずかに白い羽縁が見られるので、まだ若者かな?! だったら行くはずのない遠路の旅に出るのも経験のうちだけど、無事に仲間のもとに帰れますように!


実をいっぱい食べて体力をつけた後、みんなの待つところへ帰っていきました。





学力テスト Vol.429-2 その解答 ベニマシコ ~ 僕のお嫁さんはどこ?~

 ベニマシコ ~  僕のお嫁さんはどこ?~

こちらは♂の成鳥

赤い鳥としてかなり人気があるけど、オオマシコと違って意外と間近にいます。河川敷や湿地のような開けた環境を好みますが、そんなところはたくさんあるので、なかなかポイントが絞りにくいのです。

この鳥を探す時は、まず鳴き声で探すこと!! ただし食事中は全く鳴きません。セイタカアワダチソウやヨモギなどの種子が大好物なので、そこに注目です!!

♀がセイタカアワダチソウで食事中

♂と違って♀はこんなに地味~・・・おっと、控え目なシック調

漢字では「紅猿子」、「猿子(ましこ)」はサルの古名で、その赤い顔から来ています。

ニホンザル


体が赤いからというだけでなく、この写真で見比べると顔も似ているように見えませんか?

♂と♀でこれだけ色が違うのを「性的二型」と言います。ベニマシコは繁殖期になると、さらに、もっともっと赤い色に変化します。興味があればネットで検索すると出てきます。

ヨモギを食べる♂

鳥はヒトと同じように視覚に依存しています。さらに言うと、ヒトよりも色彩感覚が優れています。

ヒトは光を感じ取る網膜の部分で赤、緑、青の3種類の光受容部があって、それらの反応の組み合わせから様々な色をフルカラーで見ていて、言わば3色型。

鳥の場合は、それに加えてヒトよりもさらに短い紫外線域からの波長を感じることができる4色型なので、超々総天然色に見えているようなのです。

近紫外線域まで見えている鳥の眼には、ヒトの眼には雌雄同色としか見えない羽毛がもっと違う色が模様で認識されているとのことです。

これを実証するのが「アオガラ」というヨーロッパに生息する小鳥の紫外線と羽色についての研究で、紫外線を見ることができないヒトには同じようにしか見えないアオガラの雌雄が異なって見えるのです。さらに♀は、より紫外域で見える色が鮮やかな♂を選ぶのだとか。

♂の色が華やかに進化した理由は、♀が自分の繁殖相手を選ぶ権利を持っているからなのです。そのため♂は、より鮮やかに!より美しく!!・・・と進化をしてきました。

ところで、最近の若い男どもは体毛を剃ったりエステに通ったりするんだって?!その前に勉学に励むとか健康な体作りをするとか、やることはいくらでもあると思うんだけどね~


この若い♂は将来どんな♀をパートナーにできるのかな?
謙虚さも身につければ、きっと素敵な彼女にモテるようになることでしょう。


P.S.

視覚に関することで調べていたら、「絶対揺れない」というタイトルのCMのことを知りました。それには下記のようなことが書いてありました。ヒマならご覧ください。一番下に動画があります・・・鳥の能力の凄さの一端がわかりますよ。

メルセデスベンツの新型Sクラスに新しく搭載される、「マジック・ボディ・コントロール」と呼ばれる姿勢制御システムを訴求するTV-CM。

https://predge.jp/91081/















学力テスト Vol.429-1 ~ あんた誰?シリーズ  その10 ~

 レンゲ畑がめっきり少なくなっています。

空気中の窒素を地中に取り込む性質があるため、水田の緑肥として栽培されていました。

稲の収穫前にレンゲの種を蒔き、成長させて窒素をたくさん取り込ませたところで、レンゲごと土の中に混ぜ込みます。これにより、化学肥料を与えずに窒素分を田んぼに供給することができるのです。

中国からの帰化植物ですが、あちらでは花を乾燥させて、利尿や解熱剤としての生薬としても使われるという優れもの。

セイヨウミツバチの蜜源植物としても利用されていました。

レンゲは特に蜜が多く、良質な蜂蜜をもたらす植物で「蜜源植物(みつげんしょくぶつ)」と呼ばれるうちの一つなのです。

和名は花がハスの花に似ていることに由来しています。
ちなみに、レンゲの標準和名は「ゲンゲ」です。

白いレンゲを見たことがありますか?
見つけると幸運が訪れるかも?!?!

例年なら、レンゲとコラボでキジ、ケリ、カルガモなどを撮るのが楽しみだったのに肝心のレンゲが、ほとんど消滅状態。理由は化学肥料をまいた方が楽だから・・・なのでしょう。

たまにはカワウ君でもいいか!
ボクも撮ってくれ~と言っているようでした。


さて本題、今回もまだ「頭かき」が撮れていない種類を紹介したいので、後ろ姿のクイズとしました。

A

B


学力テスト Vol.428-3 その解答 ニシオジロビタキ ~ キュートすぎて胸キュン ~

 ニシオジロビタキ ~ キュートすぎて胸キュン ~

名前の由来はこの尾羽

こんなに地味・・・おっと訂正、シックなのに超人気!

それは時々尾を上げるしぐさで、これが超々かわいいのです!

こんなふうに直角にまで尾を上げられたら、それだけで胸がズッキュ~~ン!!

こんなふうに小首をかしげたもんなら、もうメロメロの胸キュン!!

この子の名前をメルアドにしているくらいに大・大・だ~いすきなのです。

そんな子が6年前の師走に我が家のすぐそばに来てくれたのです。
当然ながら毎日のように会いに行きました。そんなだから、1ヶ月ほどしていなくなった時には腑抜け状態になってしまいました。
彼女に振られたって、ここまでショックで落ち込んだ気分にはなりませぬ。

こちらはよく似た「オジロビタキ」

「オジロビタキ」は樺太からロシア中央部を南北に走るウラル山脈までの地域で繁殖して、中国南部から東南アジアで越冬します。これをシベリア種と呼ぶようです。

それに対して「ニシオジロビタキ」は、ウラル山脈から西側のヨーロッパにかけての地域で繁殖、越冬地もオジロビタキよりも西のインド周辺という、ヨーロッパ種なのです。

なのに日本で見られるのはヨーロッパ種のニシオジロの方が多いのです。何故だろね~?!

現在、この「ニシオジロビタキ」を亜種とするのか、別種とするのか日本鳥学会で検討中とのことです。

今季はこんな素敵な成鳥♂が来てくれました。

ピンクのスポットライトはサザンカの花。
ニシオジロ君の喉のオレンジをさらに引き立てます!

粘りに粘ってようやく撮れた「間接頭かき」

一度でいいから「直接頭かき」という超例外を見たいものです!

マンサクの花にも来てくれました。

また来てくれるだろうか? きっと来てくれるよね?
来てくれることを願ってネット検索で、YMOの「君に、胸キュン」を聴いてみましょ!













学力テスト Vol.428-2 その解答 ミミカイツブリ  ~ 恋の行方は ~

 ミミカイツブリ  ~ 恋の行方は ~

ミミカイツブリは冬鳥として渡来します・・・が、かなりの少数派です。


例年・・・といってもここ5年ほどですが、4月初旬の渡って行く頃、こんな夏羽に変身するのが見られるようになりました。ただし、いつもは単独でしか撮れません。

それが何故か今年は3~4羽が集団で!
しかも♂♀が混じっているようです!!
これはひょっとしたらひょっとするぞ~~ ムフフッ!

どうやらその気配がムンムンしてきました。
じっと様子を見守っていると、一番右の白っぽいのが♀のようです。

おっと、♂同士で もめ始めたようです!

「おうおうっ、わけ~の! てめえ、俺の大事な女に色目を使いやがって、いい度胸してんじゃんかよ~!!」
「ええっ、ボ・ボカ~そんなことしてませんってば~ あのコがこっちをチラチラ見てるんで、ちょいと気になっただけですってば~」
「は~ん?、俺に首ったけの女がそんなことするわけね~だろがよ~、あ~ん?」
「ホ・ホントなんだってば~~」
「こちとら職人で気が短いんでい! すっとこどっこいめ~!! とっとと失せろい~!! おととい来やがれ~~ ケッ」

「ベイビ~、待たせたぜい!! 目障りなチンピラは追っ払ったぜい!」
「(ええっ、ちょっと気に入ってたのに~・・・クッソ~)あらそう?あんがと!」


「どうでい、俺って相変わらずカッコいいだろ?」
「(げげ~、そばへ来るな~、暑苦しいったらありゃしね~)そ・そうね~ そのシックスパットじゃなくて、ワンパットのまん丸なお腹と、赤いお目目って素敵~!さっすがダーリン! あたいの眼に狂いはなかったわ~」

「あたいもアンタのこと、大好き~(やってらんね~けど、いないよりいいかっ!)」

「おうよ、二人で楽しく暮らそうぜいっ!」

そうこうしているうちに、何故か♀の方がいなくなってしまいました。何かトラブルでもあったのでしょうか?
そして、その2日後のこと。

どちらも夏羽ですが、何やら険悪ムードが漂っているような・・・

左がどんどん近寄っていきます。

胸を合わせて、完全に睨み合いの様子!! 
これからバトルが始まる?!?!

おっと、左の方が優勢のようです! 右は完全に腰が引けちゃってます。

どう見ても左が主導権を握っているようで、右はうつむき加減で神妙そのもの。

我が家の事例を出すまでもなく、これは明らかに左が♀のようです!! 絶対にそうに違いありません!!

何やらブツブツと彼らのヒソヒソ話が聞こえてきました。
「アンタさ~!! また若い娘にちょっかい出したんだって?! ちょっと私が留守をしてると、すぐに悪さをするんだから!! このチョイ悪オヤジが~、フン!」
「ゴメ~ン、ちょっとヒマだったもんで、ついつい・・・もう、しまへ~ん!! デヘ」

人はこの行為を見て「おおっ、ディスプレイしてる~」と言ってましたが、私にゃ、そんなふうには見えませんでしたわい! まあ解釈は人それぞれってことで・・・。

英名は「Horned Grebe」で「ツノのあるカイツブリ」。和名が金髪の部分を耳と解釈しているのに対して英名ではツノ! 英語圏の恐妻家にとっては、金色の耳飾りは鬼の角に見えるのかもネ!!

こちらで4月上旬の渡りを開始する頃の夏羽よりも、英名で検索して繁殖地での写真を見ると、確かにツノを思わせるような凄い画像が載っています。

今回は5年がかりで、ようやく頭かきが撮れました!

ちゃんと左足の爪まで見えてるでしょ? これじゃダメ?

じゃあ、これなら文句あるめ~!! フン





















学力テスト Vol.428-1 頭かきシリーズ  その58

 

ここ数日の20℃越えの気温で、ソメイヨシノもあっという間に満開に!!

ここは浜松市北部の都田川沿いの桜並木

ここには今頃になると、ニュウナイスズメ君がソメイヨシノを吸蜜に来ます。
・・・が、花見客も押し寄せるので、オチオチ吸蜜しているわけにもいかずに落ち着きがありません。

ニュウナイ君が撮れなかったので、代役でヒヨ君に登場していただきました。


さて、本題。いつも通りに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B