タマシギ ~ 美人妻は浮気者 ~
5月頃になるとタマシギの♀が鳴き始めます。早朝や夕方、または小雨が降るような・・・要するに人の気配の少ない時によく鳴くのです。
これが♂にとっては心を揺さぶられるような、とっても切ない L💛VE SONG なのです!!
※鳴き声に興味のある方はネットで検索できます。
さっそく♂がその鳴き声に誘われてやってきました。
「おおっ、アンタ!私好みのいい男じゃん! もっと近くへおいでってば~」
普段は見せない部位、風切羽のこんなすごいところをビロ~ンと見せつけちゃって、相手を誘惑するわするわ~!
「うわわ~、す、すっげ~~!!」
こんなのを見せつけられたら、もう♂の目はデレーンとなってしまって、♀の色仕掛けに喉もカラカラ!!
「(ムフフ・・・、もうちょいね!)アンタってさあ、ディーン・フジオカに似てない? ねぇねぇ、私と仲良くしましょ!」このカウンターパンチで♂はイチコロです!
タマシギの英名は「Painted Snipe」化粧が少々毒々しいけど、美人であることには間違いないでしょう。何だかどこぞの歓楽街のクラブのママのようです。
タマシギはご存じのように一妻多夫制で、パートナーを選ぶ権利は100% ♀にあります。
だから♀はつがいになる相手を厳しく選別します。
一妻多夫の話をしたら、とあるオバサマは「うわわ~、え・ええな~ 男を選べるなんてうらやましいわ~」とため息をついておりました。
でも話はそう簡単ではありません。質の高い子孫を残すにはパートナーとなる♂をしっかりと見極めなくてはなりません。
その基準は病気に強く健康なこと、捕食者から逃れる能力が高いことなど、いろいろです。
鳥の色覚は優れていて、ヒトと同じように総天然色に見え、さらにヒトでは見えない紫外線域までも見えるのです。だから♂を査定するのにも、ヒトが見えないところまでしっかりと見ているに違いありません。
左の♂も「オイラってこんなに若いんだぞ~」
「ほれほれ、見て見て~ 元気モリモリだぞ~!」とアピールをしてきます。
♀はそんな♂の行動を横目でチラチラ見ながら、「フムフム、若さと元気の方は合格かな?!」としっかりと品定め!
♂をゲットすると、もう♀はマイペース
ほっといても♂は黙って後ろをついてきます。
「直接頭かき」をする時だって、隣の♀をしょっちゅう気にしています。
そのしぐさを観察していると、まるで我が身を見ているよう・・・。
ケリが上空に来た時、同時に羽を広げて威嚇!!
見事なシンクロで、呼吸もピッタリです!
この♂なら安心して子育てを任せられそう・・・と♀が判断すると
♀はおもむろに、お尻を上げて交尾を促します。
それからしばらくしてからのこと、♂がポツンと1羽で抱卵をしていました。
それにしても警戒心が強い鳥なのに、どうして田んぼのド真ん中で営巣するんだろ?!
♀は4個ほどの卵を産むと、この巣には二度と帰ってきません。「さて、こうしちゃおられん、次の男を見つけにゃならん!」また新しい♂を求めてどこかへ行ってしまいました。
この先、ヒナたちが自立するまで「ワンオペ育児」すなわちコンビニの店長のように、すべてを一人でこなさねばなりませぬ。子育ては 100% ♂だけの仕事なのです。大変じゃ~!
一夫一婦制、一夫多妻制などいろいろ方法はあるけど、日本で繁殖している鳥の中で一妻多夫性を選択しているのはタマシギと沖縄のミフウズラだけ!
今回、この巣を観察していたら、この写真の2日後に大雨が降って巣は冠水してダメになってしまいました。子育ての敵はカラスやヘビだけではないのです!
『育メンの鑑』よ! くじけるな~! なんとか、もう一度がんばれ~~!!
♂がポツンと1羽で抱卵。イクメンですね(^^)
返信削除大雨で巣がダメに!子育ては大変です!!
♀は新しい♂を求めてどこかへ行ってしまうとは~
何ともはや・・・・・
次回の子育ては成功しますように~
タマシギの頭かきは
返信削除[直接頭かき]ですよね。
頭かきの方法を書き間違えていたので、訂正しました!
返信削除ありがとうございました。