学力テスト Vol.326-2 その解答 ヤブサメ

 ヤブサメ

ウグイスの仲間だけど、10.5cmと極小サイズ。漢字では「藪雨」と書きます。疾走する馬上から的に矢を射る 、あの「流鏑馬」ではありません。

夏鳥が渡ってくる頃になると、藪の中から「シシシシシ・・・」と聞こえてきます。それはまるで虫の声のよう。その声を藪に降る雨音に見立てた・・・という説があります。いかにも日本的な情緒あふれる名前。


警戒心が強いうえに、藪の中にばかりいて、姿を見ることは奇跡的!!

だけど、運よく水浴びの場所さえ見つければチャンスが!!

辺りを警戒しながらそ~っと水に入ってきました。
こちらも息をひそめて撮影、シャッター音にも気を遣うほどです。

水浴びを始めました。
だけど、じっくりと水浴びするわけではありません。ホンの1分かそこらで終了。

このあとすぐにササッと引っ込んでしまいました。

実は実は、ヤブサメというのはジジババ泣かせの鳥なのです。と言うのも、鳴き声が8KHz~10KHz(キロヘルツ)と、普通の小鳥のさえずりの2~3倍も高い周波数なのです。
人によっては、老齢になるとこの音が聞こえなくなってくるのです。

ここで基本をおさらい。
音には「大きさ」と「高さ」そして「音色」がありますが、
その中の「高さ」を表すのが周波数。

1秒間に空気が振動する回数で、周波数「Hz(ヘルツ)」で表します。振動は一往復して一回の振動となるため、1秒間に1回振動することを1Hzと言います。

周波数の数値が高い場合には「高音」として、周波数の数値が低い場合に「低音」ということで認識されるのです。

・・・だんだん頭がクラクラしてきたかな? もうちょっとだから ぐゎんばれ~
歳を取ると、ややこしい話を理解するのがめんどくさくなってくるんだよね~
だけど、これを書いてる方は、もっとめんどくさいんだぜい!


さてさて、もっとわかりやすく具体例でいうと、ウグイスは「ホー」が1~1.5 KHzで「ケキョ」は4.5 KHz。アオジの地鳴きの「チッチッ」は8 KHz、オオルリの囀りは3~8 KHz、ミソサザイの囀りは4~8 KHz。ちなみにヒトの話し声の平均は 0.5 ~1 KHz 
※0.5=500Hz 、1000Hz=1KHz です。

ヒトは20Hz~20KHzまで聴くことができます。
参考までに、イヌやネコは5KHz以上を聴くことができるんだって。
これに「大きさ」という音の強弱が、要因として加わります。

参考までに調べてみたら、健康診断の聴力検査は、1KHz(低音)と4KHz(高音)の2つの周波数の音を、一定の大きさで聞こえるかの検査方法。
1KHzは日常会話の音域の代表とされている周波数で、4KHzは年齢とともに聴力が低下していくと、日常会話での聞こえにくさを感じ始める周波数なんだそうな。

調べるのも、だんだんめんどくさくなってきたぞ~!
こんなの調べたって、どうせ明日には数値をすっかりと忘れちゃうんだから無駄もいいとこだよネッ!

ウグイスが囀り中

半世紀ほど前の話ですが、1960年代の音楽は、もちろんカセットテープで聞いていました。
まだCDなんてなかった時代の頃のことです。
そのカセットテープには「ノーマル」とか「ハイポジ」とか「メタル」とか言う種類があり、一番低価格の「ノーマル」テープではヤブサメの声は収録できないと言われていました。その時は、「そんなのあり?まさか~!?!?」と、思っていました。

その後、CDが出始めた頃の1970年代になって購入した「野鳥の声図鑑」に、初めてヤブサメの声が収録されていたので、さっそく前々から気になっていた実験開始!
CDから「ノーマル」と「メタル」の2種類のテープにヤブサメの声を収録してみました。
何と「ノーマル」では入れた筈のヤブサメの声がまったく聞こえません。ゲゲゲ~~!!!

そんなテープやCDの話とは理由が違うのですが、ヒトは歳を取るにしたがって難聴気味になってきます。65歳以上になると高齢者難聴の割合がググ~ッと増えてくるんだって。
要するに高い音が大きくて、そして近くでないと聴こえなくなってくるのです。

それが顕著にわかってしまうのがヤブサメの声なのです。
ウソだと思うなら誰かと一緒にフィールドに出てヤブサメの声を聴いてみるといいねっ!
アンタには聴こえなくても、隣の人にはちゃんと聴こえてたりするんだから!!

最近、同居人の耳が、かなりあやしくなってきました。
今朝もTVの自然番組で、ちょうどヤブサメの声が流れていたので「このシシシ・・・っていう音が聴こえる?」という質問にキョトンとしていました。音量を上げてもダメ~!! 

そう言うアンタはどうなのさ?・・・って、ここで聞く?! 
都合の悪い話は全然聞こえないっていう、とっても便利な耳なのさっ!!

最後になるけど、聴力を保持するには「自然の中で、自然の音を聴くのが一番」なんだそうな。だからコロナなんかに負けずに、どんどん外に出なっくっちゃ!!



2 件のコメント:

  1. fuutennhideさんの音の専門的な知識が凄ーい!(^^)!
    CDになってから「野鳥の声図鑑」で聞けるようになったほど
    ヤブサメの囀りって小さいんですね!
    私も近頃高温が聞き取りにくくなっているようです(;_;
    勿論、同居人もですが。。何とか意思疎通は出来てる?ようなので
    良いことに~(;^_^



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  2. 鳥のことについてはボーっとは覚えていても、しっかりと人に伝えるとなると事前に本やネットでの確認調査が欠かせません。
    私の知人で今年88歳になるバーダーがいるけど、しっかりとヤブサメが聴こえているそうです。隣で私が「今どこで鳴いてるかわかる?」と確認しているからホンモノです。

    我が家は以心伝心なので、言葉はなくても大丈夫!!
    でもあまりにも静かで、まるで手話で会話をしているかのよう・・・なんちゃって!!!!!

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