学力テスト Vol.305-3 その解答 キレンジャク

キレンジャク
まずは「ヒレンジャク」との違いを。

右手前のヒレンジャクの方が明らかに小さいでしょ?

サイズはヒレンジャクが18cmで「キレンジャク」は20cm。
一番簡単な見分け方は尾羽の先端の色だけど、これは園児や少々、物忘れが進んだジイサマでも判る識別点。
もうチョコッと詳しく「うむむ、お主できるなっ!!」と言わせるためには次の点を覚えておくとヨロスイ!

まずは過眼線と呼ばれる目から後頭部へ走る黒い線。


ヒレンジャクはこんなふうに過眼線が太くて、冠羽の後ろまでドドーンと伸びています。


しかも冠羽の後ろで、黒い帯がしっかりと繋がっているんのです。


それに対して、キレンジャクの過眼線は冠羽の下で尻すぼみに終了しています。

他にはヒレンジャクのおなかは薄黄色だけど、キレンジャクは灰色。下尾筒がヒレンジャクは赤いのに、キレンジャクはさほどに赤くない・・・などの違いがあります。

けっこう似ている鳥でも繁殖地が全然違うし、そこら辺はヒレンジャクのところで詳しく書いたので、忘れてしまった人は検索するか、自分で調べてチョッ!

さてさて、今回はここからが大事な話だからお立合い!!




この写真で、次列風切と呼ばれる部位に、白い部分とその先端に赤い斑点のようなものがあるのが判るかな? 次列風切がわからない? ・・・そんな話はパス!


上の写真を拡大するとこんなふうになります。

注目はこの右上に存在する赤い点・・細長い米粒のようなものが次列風切りの白い部分の先端にポチポチッとついています。

この赤いのが「蠟質の突起物」・・・すなわち英名『Bohemian Waxwing』の「Wax」のことなのです。興味があったらネットでキレンジャクの写真を見れば、もっと大きくこの赤い蠟状物質が見えることでしょう。

これはヒレンジャクでは付いていなくて、そこは単に赤いだけなのです。
パッと見がヒレンジャクにも蠟状突起があるように見えるので勘違いしたのか、英名でも「Japanese Waxwing」となっています。

それでこの蠟状突起のついている意味って何? って、・・・そんなことオイラに質問されたって知りまへんがや~!!

このキレンジャクの赤いポチポチが付いた羽根をプレゼントされたときは、ものすご~くうれしかったな~!!!



学力テスト Vol.305-2 その解答 アラナミキンクロ

アラナミキンクロ
下記に登場するのはどれもクロガモ属という同じ海ガモの仲間。どれも♂は嘴にチャームポイントというか、♀へのセックスアピール満載です。

こちらはクロガモ♂
黄色の部分は嘴ではなくて、黒い嘴の上に乗っかっているコブ状の飾りです。

論より証拠がこちらの写真。
左の♀の嘴に黄色の部分を乗っけると、あ~ら不思議! ♂の嘴の形になります。


ビロードキンクロ♂

赤い嘴の上に見事なコブが付いてます。さりげないけど、目の周囲のナイキマークでもバッチリと自己アピール!!

♀のビロキンちゃん もちろんコブなんてありませぬ。それにしてもジミ~!!


さてさて、ここからが今回のメインディッシュ。これが、はるばる鎌倉海岸まで遠征してゲットできた「アラナミキンクロ」の♂ あだ名はサザンで有名な現地にちなんで「波乗りジョニー」君!!

ず~っとず~っと前に、茨城県波崎の辺りで♀はお目にかかったことがあったけど、この鳥はやっぱり♂を見ないことには見た見た、見たぞ~・・・とは断じて言えませぬ!!

クロガモやビロキンの嘴なんて目じゃない! 

ビロキンのナイキマークに対抗して、こちらはおでこと後頚部に、真っ白な「熱さまシートとトクホン」をペッタリ! 上記の2種とはパフォーマンスのレベルがまるで違います! まさにウルトラ・スーパー・パフォーマンス!!!


ここまでくると嘴が重たそうで、肩が凝らないかと心配!

現地に到着して1時間以上、探せど探せど姿が見えない~~!! たまに見られない日があると聞いていたので、「げげ~~、今日がその見れない日なのかい?! そんなのあり~?!?! トホホ・・・」 

その後、2kmほど離れた場所にいるとの情報で、砂浜をすっ飛んで行って何とか100mほど沖合に浮かんでいるのを教えてもらいました。
スコープで確認できた時には、「おお~っ!!やった~~~!!やれやれ、いてくれてよかった~」とホッとして、脱力感が!!

翌日、この話を聞いた静岡の友人が勇んで出かけて行ったけど、しっかりと振られてしまいました・・・とさ!! 
まあ、珍鳥にはこんなリスクはいつもついて回るから面白いんだけどね! 面白いけど、我が身にはあまり降りかかってこないでほしいところです。


学力テスト Vol.305-1

昨日のニュースで大きい『ざ』のつくことが2件。
一つは夏の高校野球が中止! ものすご~く『ざんねん』なことだったけど、このご時世だと仕方ないかな?!?!
もう一つは黒河検事長が辞職! こちらは『ケッ、ざまーみろ』のざ!! 
安倍内閣が法解釈を変更してまで定年を延長し、彼を留任させる正当性を主張してきたのに、本人自らがアホみたいな行動で墓穴を掘ったという、笑っちゃうような出来事。

毎日のように庭を眺めていると、今まではあまり気にならなかった雑草が、やけに勢いよく伸びていて大事な大事なクレマチスの鑑賞にも目障りで仕方ありませぬ!
我が家では雑草でも大事に育てていたのですが、あまり伸びすぎるとそうも言ってられなくなります。

「足が治ってきたら雑草取りと余分な枝の剪定もやってくれ~」と、真綿で首を絞められるようにジワジワと耳元で言われ続けてきたので、本日は一大決心をして、エイヤ~っと庭に下りました。
作業を開始して間もなくすると晴れてきたので、佐鳴湖にでも鳥を見に行こうと思ったけど、途中でほっぽらかすと、また手裏剣が飛んできそうなので今日はググっと我慢我慢!

さてさて、そんなどうでもいい話はさておいて、今日もクイズと行きましょうかね~
前回はずいぶんと手こずったので、今回はハードルを半分くらいまで下げてみましたぞ!

A

B

C

D


学力テスト Vol.304-4 その解答 ヒレンジャク

ヒレンジャク
クイズ Vol.304の真打ちはこれ!

青空に舞うヒレンジャク!! カッケ~~~!!

漢字で書くと「緋連雀」これが名前の由来
電線にスズメがくっつき合って止まっているようでしょ?!?!

こんな群れを見たら、まっ先にしっぽの先に注視!!
目的は「キレンジャク」探し!!

何故かというと、静岡県ではヒレンジャクはほぼ毎年2月下旬~3月末にかけて観察はされるんだけど、キレンジャクはその中のせいぜい2~3%程度・・・50羽いたら1羽、100羽いたら2~3羽いれば上出来!といった程度でしか発見できないのです!

似てはいるけど、繁殖地が全然違うのです。片やヒレンジャクは東アジアのウスリー地方のみに対して、キレンジャクはユーラシア大陸の中部以北全体、北米大陸(主にカナダ)と広範囲・・・というように、ヒレンジャクの方が局所的。

日本に春先に渡ってくるのは同じ行動だけど、ヒレンジャクは沖縄県中部以北~西日本に多いのに対し、キレンジャクは本州中部以北に多いです。
一度、冬の日光に行った時に遭遇したレンジャク200+の群れはほとんどが黄色ばっかりでビックリ!!

何故か静岡県はヒレンジャクが圧倒的に多いのです!
無いものねだりとか、珍鳥にばかり目が行くのは欲深いオイラ達としては当然の反応!

クロガネモチの実をおいしそうに

というような理由で、レンジャク君たちが飛来すると、周りの誰もが「黄色はいた?」と反応するのです。とは言っても、そこでヒレンジャク君たちの価値が落ちる訳がなく、彼が渡ってくると皆さん、心なしウキウキするようです。

かく言うわたくしめなんぞの、この鳥に対する馴れ初めは、この鳥を初めて見たのが鳥見を始めてまだ10ヶ月ほどの時!!
何と何と我が家の団地の屋上のアンテナにゴソ~っと200羽以上の群れで突然現れたのです!! 彼らの目的は延々100mにも及ぶ垣根のピラカンサ!! 


4Fに住んでいた当時、自宅の窓から見える隣のアンテナにも、道路の向こう側の民家のアンテナにもヒレンジャクだらけ~~!!
これを当時、雲の上の存在だった野鳥の会の支部長に電話したら、すっ飛んできました。どうやら私が第一発見者のようでした。


それからは毎日毎日、見知らぬ顔の野鳥の会の面々が顔を出し、皆さん満足そうに見入っているのをマンウォッチング!!・・・てなわけで、ヒレンジャク君は私にとっては絶対に忘れられない思いで深く、そして大・大・・大好きな鳥なのでござる。
ということで、今回のクイズ Vol.304には真打ちとしてご登場願った次第なのです。











学力テスト Vol.304-3 その解答 ノハラツグミ

ノハラツグミ


ツグミとはちょっと雰囲気の異なるノハラ君! これが高貴に見えてしまうから不思議!! ヨーロッパなどの分布域では市街地の公園でも見かける普通種なんだそうな。


図鑑ではツグミとは1.5cmしか違わないのに、この時はずいぶん大きく見えたのが摩訶不思議!

この日は天気が良くて、かげろうが立ってしまい、なおかつ50mという悪条件。それでも琵琶湖近郊まで遠征してきたのだから見られただけで充分と、とりあえずは納得の気分です。
この時は何人いたかって?、ザラっと数えて100人以上かな? 昔と決定的に違うのは全員がデジカメを持っているという事。


こちらは1980年に伊勢原市で見た時のもの。当時のことを調べてみると日本初記録が1960年で、多分この個体はそれ以来という大珍鳥!! 
もちろん当時は銀塩カメラでの撮影のポジフィルムなのでありまして、それをデジタル化したものです。

先月、都内のある公園に珍鳥が出たと聞いて出掛けて行った友人からの話では、何と200人以上が群がっていたとか! 


携帯もない時代で、日曜日の夜に電話をもらいFAXで地図を送ってもらってから、次の週末までの日々は仕事が手につかず、悶々として待ちわびたのを懐かしく思い出します。

ホントのところはこんな近距離だったら、有休や仮病を使ってすぐにでも飛んでいきたいんだけど、「抜け駆けは絶対にご法度!!」の親友との硬い約束があるから、どうにもなりません!
もしその約束を破ったら、そのあとは5寸釘の嵐に身をさらさなければなりません。
親友との絆を大事にするか、自分の心に正直に行動するか・・・ハムレットの日々です。
もし内緒で行ったとしても、うれしくて黙ってるのも辛いしね~~

現地に着くまでは不安と期待が混ざり合って、それはそれは複雑な時間!!
珍鳥を見るまでのこの時間が一番スリルがあって面白いのかもしれません・・・というよりも、今でも一番そこに魅力を感じるのかも?!?!

当然ながら、残っていてくれた時の喜びはひとしおで、逆の場合も数多くあるけど、そんな時はその記憶を消すことにしておりまする。わざわざ北海道や九州まで出かけて行って振られた話なんて、体に悪いから覚えていたくないもんね~ フン!!

学力テスト Vol.304-2 その解答 オオカラモズ

オオカラモズ
これが今回、回答者さまを悩ませたご本尊!

漢字で書くと「大唐百舌」 
文字通りに中国からのお客さまで、かなりの珍鳥でござる!


この尾羽はけっこう特徴があるので、これ以上のヒントが出せなかったのが、回答者さまを悩ませた原因。


白~灰色~黒…と、いたってシンプルで、ほぼモノトーンでありながらも、こんなに美麗種の鳥はおりませぬ!!! ・・・これぞ「Simple is Best」のお手本!

普通種のモズが20cmなのに、この鳥は何と何と30cmという超デカサイズ!!


撮る前に見とれてしまって、シャッターを押すのも忘れてしまいます!!


私の好きな鳥の中では、間違いなくベスト5に入る掛け値なしの珍品
・・・でしょでしょ?!








学力テスト Vol.304-1

466億円の経費を使ったマスクって言うのが、どうなっちゃたかっていうと、今日現在ではまだ5%程度しか配られていなんだと!
妊産婦などを優先して送ったら不良品だったとか・・・、すでに近所の杏林堂あたりでも
マスクは購入できるようになっているのに・・・です。

まあ、おバカな政治家の言う事を真剣に聞いていると腹の立つことばかりなので、最近ではコロナ関連のニュースも前ほど真面目に見なくなってしまいました。

さてさて、そんな浮世を忘れてクイズに没頭!
数ヶ月以内に撮ったものが、だいぶ貯まってきたのでそれをご披露することに!

A

B

C

D


学力テスト Vol.303-5 その解答 カリガネ

カリガネ
江戸時代の有名な画家である尾形光琳の実家が「雁金屋」という屋号の呉服屋。
屋号の由来の「雁金」とは幸福や金を意味し、雁金紋を使用していたんだそうな。
そんなシアワセを運ぶ鳥について。

茨城県千波湖に舞い降りたカリガネの幼鳥 1994年 
人を怖がらなかったので、かなり近距離で見ることができました。

それまでは、いつも伊豆沼で5万羽以上のマガンの中からようやく探し出して見つけ出すというのが定番で、距離も50m以上は当たり前。

幼鳥が2羽 いつもずっと寄り添っていました。
黄色のアイリングがチャームポイント。そして短めの嘴

後ろの大きいのがマガン 
カリガネはマガモとほぼ同サイズです。

4羽の中の2羽がカリガネ どれかわかるよね?


夢の浪漫飛行

前回のマガンの時に書いたヤツをYOU TUBEで見てくれましたか?
「渡り鳥が目の前! 一緒に空飛ぶ絶景映像」 
最初にビックリするのは、超近距離で、しかもガンたちと同じ速度で飛ぶっていうのは
ホントにすごいこと!!

ガン類の巡航速度はおよそ時速70kmくらいだから、けっこう早いけど、これにスピードを合わせて飛べる飛行機って何だろ?


これはご存知、グライダー エンジンはありません。

コクピットはこんな感じ 大人一人が座ると左右の余裕はありません。

ロープで牽引してもらって飛び上がります。

あとは静かに静かに空中を疾走するのみ
これなら鳥の近くに行けるかな?

さてさて、5年ほど前に、この「モーターグライダー」というのに乗せてもらったことがあります。要するにグライダーにエンジンをくっつけたものです。
機内はこんな感じ、いかにも飛行機っぽいでしょ?!?!

フライト直前、私は右側の助手席に座って、左の運転手 おっと失礼をば・・・機長でした! を撮っています。
足元は多分、鉄板1枚だけ。離陸直後はかなりの緊張で身の縮む思い!!

旅客機の経験しかない私にとって、この鉄板の薄さとガタガタする、かなりの振動音が体に伝わってきて、機体が旋回する時にちょっと斜めになっただけで、うわわわ~~、思わず手に力が! とてもじゃないけど外の写真を撮る余裕なんてないない。
オーマイガー!! ・・・俺ってこんなに高所恐怖症だっけ?


奥の太平洋から手前の浜名湖入り口の弁天島温泉が一望できます。
中央の砂地には弁天名物の赤い鳥居も見えます。


静岡県では当然No.1で東海地方でもベスト5に入るという、高さ213mの「浜松アクトタワー」1994年の建築。バブルの真っ最中に作られたため、地元ではバブルの塔の別名があります。それを眼下に、こちらは高度400mほどで飛行中。

浜松には航空自衛隊があり、その周辺区域は飛行が禁止のため、佐鳴湖や我が家の上空を飛ぶことはできませんでした・・・う~む、残念なり~!

この1時間のフライトの第一の目的は、この飛行機で里の家上空を周回することでした。
それについてはブログ内の右上にある検索からどうぞ ⇒「天国からこんにちわ」

この飛行機は時速が150kmとのことなので、鳥と並走するにはちょっと早すぎた?
それに高度も高すぎた? 道理で1羽も鳥がいなかったわけだわい!! 
もっとも鳥を探す余裕もなかったけどね~

こうなりゃ、次は「レッドブル・エアレース」の助手席に挑戦で~い!!





学力テスト Vol.303-4 その解答 マガン

マガン

マガンとカリガネの混群 2019年12月愛知県に飛来しました。

どれも幼鳥です。
毎年のように、こんなふうに迷子のガンが静岡県や愛知県に飛来します。

この幼鳥は1羽だけで佐鳴湖に飛来しました。2015年
人を恐れることはまったくなく、この写真もコンデジで3mほどからの撮影。

ガンと言えば思い出すのは「ニルスの不思議な旅」。

ニルスと、その相棒であるガチョウのモルテン、ニルスのペットであるハムスターのキャロットが、アッカ隊長率いるガンの群れと共にスウェーデン国内の旅をするアニメで、当時は幼稚園児だった子供たちと一緒に夢中になって見たことを思い出します。

ちなみに、ガチョウというのはカモ目カモ科ガン亜科を原種とした家禽のことです。

この本を書いたのはスウェーデンのセルマ・ラーゲルレーヴという女性児童文学者(1909年にノーベル文学賞を受賞)
登場するガンは、アニメでは種類が不明ですが、日本に数多く飛来するマガンではなさそうです。マガンはスカンジナビアには分布していないようなので、想像するとハイイロガンあたりかな?

渥美半島に飛来したハイイロガン 1986年

YOU TUBEで発見しました・・・「渡り鳥が目の前! 一緒に空飛ぶ絶景映像」
横を飛ぶのはコクガン、カオジロガン、アオガン、ハイイロガンといったガンたちやツル。この映像を見ているだけで、ガンたちと一緒に飛んでいる気分になるので、必見です!

この体験をさせてくれるというから、ぜひ参加したいものです。
宇宙ロケットに乗るのは少々高すぎるけど、これだったら実現可能かも?!?!

コロナで外出ができなかったら、カナダグースと一緒に少女が旅をする話の
「グース」1996年作 という映画も絶品でお勧めです!