学力テスト Vol.390-3 その解答 オオハクチョウ ~ ヤマトタケルノミコトの化身 ~

 オオハクチョウ ~ ヤマトタケルノミコトの化身 ~

いつも家族で一緒に行動、真ん中の灰色の2羽が子供たちです。

右側が幼鳥で、左が親鳥

日本最大級の鳥といえば、ご存じ「オオハクチョウ」。
全長はマガモが約60cmに対して、オオハクチョウは約165cm。
体重はマガモが約1.1kgで、オオハクチョウは約10kgだから、なんとマガモの9倍!!
翼開長も220cm~240cmとオオワシやタンチョウと変わらない!!

おっと、飛び立つようです!

助走をつけて、水上を大きな足で蹴り上げます!
バタバタと蹴る水音は50m先にも聞こえてきます。

体重が10kgもあると、なかなか揚力がつきません。助走距離は20~30mにも!

すぐ後ろにいるのはコガモの群れ
助走の近くにいたら、踏みつぶされそうで危ないぞ~!

大きいだけに飛翔は迫力満点!! 
右へ旋回するのにも顔の上下は真っすぐのままです!

うわ~、そのまま正面へ向かってきた~!
あわわ~、画面から溢れちゃう~~!!

羽音まで聞こえてきます。


クイズに出した、おでこが赤茶色に変色した理由を調べてみました。
着色の原因は、泥炭湿地林から流れ出たタンニン成分を多く含んだ赤さび色をした湖沼の水辺で生活していた影響。繁殖羽に換羽すると赤さび色は消えて普通の羽衣になる・・・こんな記事を見つけましたが、これでいいのかな?

頭かきは「直接型」です。
実は実は、オオハクチョウはカモ科なのです。

ハクチョウは古来から信仰の対象になっています。日本各地には「白鳥神社」や「白鳥明神」というのが数多くあり、特に東北地方でその信仰が盛んのようです。

いにしえの英雄であるヤマトタケルノミコト(日本武尊)は、その死後にハクチョウに生まれ変わったといわれ、「白鳥神社」に祀られているのです。


 日本に渡来するのは、2022年1月の全国ガンカモ調査によると、オオハクチョウが27,170羽、コハクチョウが46,624羽、どちらか不明が1800余り、総合計は約7万羽。
その多くは北海道、東北地方や新潟県などで越冬します。

 遠州地方でも毎年、ホンの少数が渡来して、そのたびにマスコミに取り上げられるほどの人気者。これからも、ハクチョウの人気が衰えることはないのでしょう。















学力テスト Vol.390-2 その解答 トビ ~ オイラだって猛禽だい! ~

 トビ ~ オイラだって猛禽だい! ~

まずは浅野琢磨君に感謝感謝! あんなものすごいゴールは初めて見ました!

一瞬、何が起こったか理解できなくて、頭の中では ① ん?入ったのかな?と思った次には ②「えっ、オフサイドは大丈夫?!」となり、次に ③ ゴールが認められた!と分かった瞬間には全身鳥肌が立つわ、涙が出るわでメチャクチャ興奮しちゃいましたわい!! 今朝の新聞を見ても、まだまだその瞬間が思い出されます。

さあ、次のコスタリカ戦には必ず勝ってくれよ~~~!!! ここで万が一でも負けたら、せっかくの歴史的瞬間が元の木阿弥になっちゃうぞ~!!


さてさて本題。

♪ 夕焼け空がマッカッカ とんびがくるりと輪を描いた ホーイのホイ~ ♪

 これはかの有名な「夕焼けとんび」という曲で、民謡歌手出身のミッチーこと「三橋美智也」の曲。ミッチーのことはもちろん知ってるよね? えっ、知らないって? ダメダメ、噓言ったってダメです!! 年齢詐称はいけませんぞっ!

 ミッチーは昭和30年代の日本の歌謡界黄金期に数多くのミリオンセラーを連発し、販売枚数は歌謡界史上最多の16千枚と言われる昭和歌謡界のキングなんだからさっ!・・・やっと思い出したかな?

 今回は、この「とんび」こと「トビ」君についてのお話。

 英名は「Black Kite」で「黒い凧」です。飛んでいる姿は空を優雅に舞っていて、まさに凧です。

どうしてこんな飛び方ができるんだろう? それは風切羽に秘密があります。

一番外側の長い羽を「初列風切」といいます。


 初列を拡大すると、この写真の右から3番目の一番大きい羽で、初列の内側から数えて7番目、トビ君の初列の中でも最長の羽です。
 羽の途中から太さが半分に細くなっている点にご注目!! 
ちなみに写真の右から2番目はトビ君の尾羽です。  (「羽 原寸大写真図鑑」より)


トビ君の場合、初列風切は10枚、次列風切も10枚、3列風切が3枚の構成です。

 初列風切は根元から真ん中あたりまでは太く、そこから先が細くなっているのは「きらかき」と呼ぶ・・・今回、こんな名前を初めて知りました。

 「きらかき」は大型鳥類の初列風切にあって、高速飛行時は隙間を閉じていますが、旋回する時など、ゆっくり飛ぶときには開いています。
 これは翼の先端に渦のような気流ができると失速してしまうため、それの防ぐように「きらかき」の隙間から空気を逃しているのです。


 トビ君が畑の上で、集団で旋回しています。きっとここに上昇気泡があるのでしょう。この上昇気泡の中や外縁でゆっくりと回っています♪♪ もちろん飛びながらエサを探しているのです。


 トビの視力はヒトの約8倍といわれています。人が10m先に落ちてるお金を発見できたとしたら、タカはそれを80m先からでも識別できるということ!
だから遠距離から獲物を見つけるなんてのはお茶の子さいさい!

 日本の伝統色の一つに「とび色」というのがあります。この「とび色」というのは「トビ」の羽の色のことです。それは日本人の目の虹彩の色のことも言います。黒いところは瞳孔で、そのまわりを囲んでいるのを虹彩というけど、とび色をしてるでしょ? 
アリスの「君の瞳は10000ボルト」の歌を歌ってみましょう!

 アンタの彼女だって「とび色の瞳」なんだけど、じっくりと見たことある? 恥ずかしくて見たことない? それって目を合わせられないほどに純情ってことなのかな?

ものすご~く暗くてわかりにくいけど、トビ君の「直接頭かき」

 頭かき特集の写真を撮り始めてから、トビ君の頭かきを撮るまでに何故かものすご~く時間を費やしてしまいました。
 電柱の上でボーっとしていたりするので、たまには羽繕いや頭かきをするのかと思いきや、意外と真剣に辺りを見回していたり、不用意に近づくと逃げたりと、なかなかチャンスがありません・・・ということで、こんな写真でもようやく撮れた大事な一枚なのです。

屋根の上でじっくりと尾羽を羽繕い

羽を広げて日光浴

こんなポーズの日光浴もします。ほかの猛禽では見たことがありません。
乗っかっているのは何と何とあの「二宮金次郎」の上でした。

 こんな、のんびり・おっとり型の性格の「トビ」君が大好き!! 写真屋の皆さんが見向きもしないからこそ、これからもいろいろ絵になるところを撮っていこうかなっと!!


















学力テスト Vol.390-1 ~ 頭かきシリーズ その36 ~

 いよいよ明晩は対ドイツ戦!! どんな結果になるのやら?!?!

結果はともかくとして、感動させてくれる試合を期待しましょう!!

さっそくですが本題。

次の3種類の「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えてください。今回はメチャ簡単すぎかな? 

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C


学力テスト Vol.389-5 その解答 ツツドリ ~ メインディッシュは毛虫 ~

 ツツドリ ~ メインディッシュは毛虫 ~

渡ってきたばかりの成鳥

標高の高い山麓にまだサクラが残っているころに渡ってきて、さかんに鳴いてます。

「ポポ、ポポ、ポポ・・・」と筒を叩くような鳴き声が和名の由来で、平安時代からツツドリの名で知られていたようです。


江戸時代には、タネマキドリ、ナワシロトリ、ムギウラシなどと言われていました。

「タネマキドリ」(種まき鳥)という名前も、カッコウ類の中では一番早く4月下旬に渡ってくるのでそんな名前が付いたんだろうね、きっと。


カッコウ類の4種はどれも特徴的な声の持ち主ですが、ツツドリ君も名前の由来の通りの少々変わった声。

「百聞は一見に如かず」ならぬ「一聞は百見に如かず」です。ぜひYouTubeで検索を!


こちらはまだ若鳥

秋になると大陸へ帰るものが、市街地の公園などでもけっこう見られます。
もしツツドリ君を見たかったら、サクラのような毛虫がたくさんいる場所を探索すると、きっと見つかりますぞ!


おっと、毛虫を捕まえました。

ほかの鳥が食べないようなこんな毛虫が大好物!!

迷いもせずにパクっと!!
毛虫というのは鱗翅目、すなわちガの仲間などの幼虫です。

中には毒のある毛虫もいます。ヒトが間違えてそれを触ったりすると、その繊毛が刺さって炎症を起こしたり強いかゆみが出たりする、けっこう厄介な虫!!

そんなことは全く気にせずにパクっと丸呑み!! 毛虫に刺された経験のある私には、彼らの口の中はどうなっているのか不思議でなりません!!

サクラの葉が大好きなマイマイガの幼虫

このマイマイガはドクガほどではありませんが、毒はあるようです。
でもツツドリ君にとっては、かなりのご馳走に見えることでしょう。

不思議なのはこんな色のツツドリがいるってこと。

「赤色型」と言って、♀に限っているのですが、どこをどう調べても、何故こんな色がいるのか?、何故♂にはいないのか? が記載されていません。誰か知ってたら教えてくれ~









学力テスト Vol.389-4 その解答 オグロシギ ~ ここはどこ?わたしは誰? ~

オグロシギ ~ ここはどこ? わたしは誰? ~ 

幼鳥が3羽

飛翔すると、止まっている時には見えない尾が見えます。
英名でも「Black-tailed Godwit」と尾羽のことを表しています。

田んぼで好物のタニシを捕食中

ほぼ夏羽ですが、まだ換羽途中かな?

こちらは完全な夏羽 ビューチフルです~!!

 オグロシギはカムチャツカや沿海州(ロシア連邦のシベリア東南部を占め、日本海に面する地域)などで繁殖し、熱帯アジアで越冬します。
日本には春秋の渡りの季節に旅鳥として通過をします。

友人に、自称も他称も「超」のつくほどの「方向音痴」の人がいます。

 例えば愛知県に出かけて、帰りは自宅へとナビをセットしたのに、なぜか途中でまた愛知県方向に戻ってしまったとか!・・・当の本人曰く「少しくらい間違えたって、日本中の道路は繋がってるんだから、いつか帰れるから大丈夫だいっ!」とまったく動じません!

方向音痴というのは、基本的には「方角が分からない」ということのようです。

 試しに、走行中に左から太陽が当たっている時に「西はど~っちだ?!」と聞いた時に・・・1.2.3.4・・・ようやく5秒後に「こっち!」と西を指しました。この空白時間の間に脳をフル回転させて方角を考えていたそうです。聞いてみると「ちゃんと考えないとわからない」とのこと。

この人は鳥になったらきっと迷鳥になっちまうんだろね~

 昼間渡る鳥は、太陽の位置を体内時計で補正しながら渡っています。夜渡る鳥は星座を頼りに方角を知るんだそうな。さらに地磁気も感じて方角を決めているのだそうな。


 オグロシギの幼鳥くんがのんびりと「直接頭かき」をしているけど、そろそろ渡る方角のことを真剣に悩んだ方がいいんじゃないのけ? 
「隣にしっかり者のネーチャンがいるから大丈夫だいっ!」 
おっと、そのしっかり者こそが「超・方向音痴」だったら共倒れになっちゃうんだぞ~!!

 もしも、方角を間違えてアメリカ大陸なんぞへ行ってしまったら、現地のバーダーは「うわわ~~、ものすっごいのが来た~~!!」と大興奮で迎えてくれることでしょう!!






学力テスト Vol.389-3 その解答 ハチクマー2 ~ はっつぁんのエア・ウオーク ~

 ハチクマ ~ はっつぁんのエア・ウォーク ~

 ハチクマは漢字では「八角鷹」とか「蜂角鷹」と書きます。 「角鷹」とはクマタカのことで、「ハチが大好物でクマタカに似たタカ」という意味です。決して落語に登場する「はっつぁん、くまさん」からではありませぬ。

英名も「Oriental Honey Buzzard」で、ここでも「honey(蜂蜜)」が出てきます。

クロスズメバチ

とある林道で、クロスズメバチの巣が橋の欄干にありました。
こんな目立つ場所だと、すぐにハチクマ君に見つかってしまいそうです!

 カエルやヘビ類なども捕食しますが、何といっても大好物はハチの仲間で、特にクロスズメバチの巣が多く、他のスズメバチ類やセイヨウミツバチなどの卵、サナギ、幼虫などを捕食してヒナに与えます。

オオスズメバチ

この巣は地面の隙間に作ってありました。ハチクマはこんなのも狙います。


 ハチの巣を襲えば、当然ながら多くのハチに刺されますが、ハチクマの顔の羽毛は細かいうろこ状の硬い毛で覆われていて、刺されても平気だとのこと! ・・・ホントかね~!?!?
試しに顔面をアップすると、噂どおり かなり硬そうな羽毛に見えます!

このトビの顔の羽毛と比べると、こちらは やはり普通の鳥らしい柔らかさが感じられます。

 さらにさらに、驚くべき攻撃力があります。それは「ニオイ」です。巣を襲われたハチは、最初のうちは激しく抵抗しているけど、次第にあきらめたように攻撃が鈍くなるという現象があるのです。
 これはハチクマがハチの嫌がるニオイを発散しているのではないかという仮説です。ただし、まだ実証されている訳ではないとのこと。ホントならものすごい事!!


 一度、こんなのが撮れたことがありました。♂の成鳥が両足でしっかりとハチの巣を握りしめています。あまり声を聴けないタカなのに、鳴きながら飛んでいたのは、ヒナたちに一刻でも早く獲物を持って行けるという喜びの声を出していたのかな?!

 春の渡りがサシバなどに比べて半月以上も遅いことも、ハチ類の生活に照準を合わせているのです。それにもかかわらず、エサの栄養価が高いこともあって、ヒナの成長は他のタカ類に比べても超ハイスピードです! だから幼鳥もサシバと同じ頃に東南アジアに渡っていけるのです。

飛びながらの頭かきは「直接型」です。

おっと、足を前後に動かし始めました!!

おおっ!!、これぞ「マイケルのムーンウォーク」ならぬ「はっつぁんのエア・ウォーク」


 BGMで Michael Jacksonの「Billie Jean」まで聞こえてくるようです!!
モテるように、飛びながらもステップの習得をしてるのかな? 男はいつの世も、どの世界でも、いつでも、たゆまぬ努力と前進あるのみ!! なのであ~る。
おっと、この写真は♀じゃったわい! まっ、いいか!