エゴヒゲナガゾウムシ
7月中旬、今年も楽しみな季節が到来!! 登場する時期を待つ鳥や虫はいっぱいいるけど、この虫くんは格別な存在です!
虫を撮り始めると、一番困るのが名前の検索!
そんな中、保育社の「原色日本甲虫図鑑」シリーズの中の「Ⅳ」はオトシブミやカミキリムシ、ゾウムシ、ハムシが載っている魅力的な本でので、けっこう早めに購入しました。
その図鑑を眺めていると、「おおっ!これは見たい!絶対に見たい~!」というのが数種類出てきます。
それは初めて見る鳥の図鑑で例えるなら、ヤツガシラ・ヤマショウビン・コウライウグイスのようなものです。とにかくグググ~ッとハートを引き付けるのです!!
そのうちの一つがこのエゴヒナガ君。図鑑というのは上から撮った写真しかないのが普通なんだけど、それでもチョット変?!?!・・・というのが伝わってきました。
エゴの実を探せばいいのかと、手始めに近所の佐鳴湖などを探したけど見つからない! もちろん自宅のエゴノキにもいやしねえ!
そこで郊外へ行って双眼鏡で徹底的に探すことにしました。
そして、3年目の7月にようやく発見! 「やった~~!! ついに見つけたぞ~~!!」
この感激が大きいから、自分で探すのは大変だけど止められないんだよね~
しかし虫までは4m以上あって、とてもじゃないけど撮れません! いつもはマクロレンズだから、望遠レンズで甲虫を撮るのは初めてのこと!
仕方ないので、非常手段! 捕虫網を伸ばして慎重に慎重に・・・ようやくエゴヒゲナガ君を目の当たりに見ることができました。
実の大きさが約1cmだから、この虫の大きさがわかるでしょ?
右が♀、左が♂で、体長は3.5~5.5cmです。
こちらが♀を正面から見た顔
そして、こちらが♂
手元の2004年発行の世界文化社の図鑑を見ると「ウシヅラヒゲナガゾウムシ」と記載されていて、これが旧名称。 ・・・それもその筈、一目瞭然 その名前の通りの顔!
現在の名前より、こちらのほうが似合っているし、面白くていいと思うんだけどネ
♂を横から見るとこんな感じ
ちょっと角度を変えてみると顔の前面が・・・
何と何と顔の前面は断崖絶壁で、あだ名を「ギアナ」君と命名しました。
すなわち「動くギアナ高地」。
どうしてこんなに垂直なのかというと、♂と♀がおでこや頬っぺたをピッタリとくっつけて愛を語るようにできているから・・・と言う、わたくしめの新説はまったく認められておりません。
♂はシュモクザメのように目が飛び出しています。どうしてこんな形になったかというと
ほ~ら、こんなふうに体は葉っぱに隠れたままで、目だけを出して外の様子を見ることができるんです!!
言ってみれば潜望鏡で覗いているようなものです。
警戒心は意外と強くて、他のゾウムシ類と同じく、危険を感じると手を放してポロっと下に落ちるか、プ~ンっと翔んで行ってしまいます。
今年はどういうわけかエゴの実があまりできてません。そのせいなのか見つけたのは♂1♀2のみ。でも何とか逢えてよかったな~