キセキレイ ~ 糞嚢(ふんのう)~
キセキレイ ♂
漢字で書くと「黄鶺鴒」。そもそも「セキレイ」の語源とは?!
「鶺鴒」は中国での音読みをそのまま表したもので、古くは「脊令」といいました。
「脊」は脊椎のことで、すなわち骨や背すじのこと。
「令」は「冷たい」とか「澄んだ」という意味。
「背筋がまっすぐに伸びた鳥」という意味です。
そもそも鳥類の背骨は、背骨(脊椎骨)が完全にくっついていて全く動きません。これは鳥の最大の特徴である飛翔に最も適応した進化の結果なのです。
鳥の背骨は胸から腰までの骨を一体化させ、1本の軸になっています。これによって飛翔の際に体をまっすぐに保つためのエネルギーを節約できたり、バランスを保つのも容易になるという大きなメリットを生み出しているのです。
いつも「アンタは姿勢が悪くて、猫背でみっともな~い!!」と言われているので、セキレイ君のまっすぐな姿勢を見習わねばなりませぬ。
さて、今回の本題である「糞嚢(ふんのう)」について。
鳥は「総排泄腔(そうはいせつこう)」という生殖器と排泄器官を兼ねたものを持っています。総排泄腔から出される鳥のフンは尿と混ざり合っています。
水気の多い消化カスのほとんどは尿で、尿酸によって白っぽくなっています。
鳥は大腸が短く、体内にフンを貯めずに絶えず排便します。散歩をしていたら上からベッチャ~っとフンが落ちてきた! という経験はありませんか?
我が家の駐車場はちょうど斜め上に電線があるので、風向きによってはムクドリやカラスのフンで車がベッタリとフンだらけ・・・ということがよくあります。ホントいやになります、フン!
赤塚不二夫の「おそ松くん」じゃないけど、六つ子です。
山間部の、とある橋から見て数十メートル先の対岸の石垣の隙間で産まれました。よくもまあ、こんな開けっぴろげの所で育てているものです。カラスやヘビなどの天敵に襲われずにヒナたちは元気よく育っています。
よほど両親の天敵へのガードが堅かったのかな?
「ママ~、うんこ出る~~!!」
すると、すかさず親が「早く早くこっちにお尻を向けて~」と指示!
ヒナの排泄腔から出されたウンチは、なぜかプリプリのマシュマロのようです。
孵化後しばらくの間、ヒナのフンは ゼリー状の薄い膜に包まれて排出されます。これを「糞嚢(ふんのう)」と呼びます。
ヒナが巣立ちすると巣を清潔にする理由がなくなるために、糞嚢は作られなくなります。
親はヒナがフンを出すとすぐに巣の外に運び出します。
時には飲み込むこともありますが、これにも理由があって幼鳥は消化が未発達なので栄養分がまだ残っている場合があり、それを無駄なく再利用しているのです。
フンを運び出す行為は、巣内を清潔に保つことによってフンの臭いや汚れで捕食者に見つかるのを防いでいます。
キセキレイは水辺に近い所で営巣していますが、このフンを離れた場所に捨てに行きます。
おっと、左の子が親を待ちきれずにフンを出そうとしています。
それでも、お尻は本能的に巣の外に向けています。
親はすかさずにそれを拾い出します。
あやうくセーフ!!
両親は一日中、ヒナのためにエサ探しとウンチの処理に追われています。
ヒナの頭かきが撮れました!!
やっぱり親と同じく「間接頭かき」でした!
巣立ちして数日経ってから見つけたヒナで、尾羽の長さも親の半分以下。まだまだ短距離しか飛ぶことができません。
ヒナはまだ自力でエサを捕ることができません。子育ての苦労はまだしばらくは続きます。どちらも、もう少しだからガンバレ~~!!
マシュマロのような「糞嚢(ふんのう)」
返信削除ウンチの処理がしやすくなっているんですね♬
ヒナの間接頭かき♬ばっちり~!(^^)!
子育ては大変!! フレーフレー! (^O^)/
フンまで進化しているとは驚きです!
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