学力テスト Vol.482-2 その解答 ササゴイ ~ 名人位に挑戦 ~

 ササゴイ ~ 名人位に挑戦 ~


ササゴイ君の狩りは、見ていて飽きることがありません。

ササゴイ君は抜き足差し足で、そ~っと水際まで行き、息をひそめながらジッ~として石に変身し、魚が近寄ってくるチャンスを待ちます。
それを見ているこちらも息を止めて、シャッターボタンを半押ししたまま、今か今かと待つのですが、なかなか魚が寄ってこないようです。こちらも指先が固まってしまいました。

オオッ、見事にアユをゲットしました!

ササゴイの狩りの成功率は20~30%と言われていますが、もう少し高いような気がします。
2023年に、この川で見ていた個体は13回の狩りで何と11回成功!! 
その成功率は86%でした! これは驚異的な数値です!!

カワセミ ♀

片や、カワセミは「Kingfisher」と言われるだけあって、その成功率は70~80%といわれています。魚捕りにかけては彼に敵う者はいません。これぞ「名人位」の貫禄!!

獲物が来た~~! 魚を狙ってダイブの瞬間!!

捕まえた~! これぞ待っていた大物の「オイカワ」の婚姻色!!

・・・と思いきや、しっかり咥えられなくて落っことしてしまいました!

あわわ~~、慌てて咥えなおそうとしたのですが、相手も必死です!!!

とうとう逃げられてしまいました。
逃した魚はデカかった・・・トホホです。

なぜか、この個体はこんなことばっかりです。ちょっとドンくさいのかも?!
それでも成功率は25%というのは、まずまずの平均点といったところかな?
名人位に挑戦するには、さらなる努力をせねばなりませぬ。

熊本県の水前寺公園には「疑似餌」という手法を使う賢いササゴイがいるという話を聞きました。落ち葉、羽毛、昆虫の死骸などを嘴でくわえて水面に浮かべ、これを疑似餌として使って近寄ってくる魚を捕るというのですが、ぜひそのフライフィッシングとやらを見てみたいものです。

しかし、ここは川なので流れがあってその秘技を使えません。仕方なく石化けして、魚を待つしかないのです。

ササゴイ君は「直接頭かき」です。

彼の足指の形は「三前趾足(さんぜんんしそく)」。
水かきはこの写真ではちょっと判りにくいかな?

これならどうじゃ! 
中指と外指の間に水かきが見えます。
この形を「半蹼足(はんぼくそく)」といいます。

我々ヒトから見ると何だか中途半端で、あっても無くてもいいようなサイズのように見える、この水かきの大きさは浅瀬で歩いて狩りをする彼らのライフスタイルには最適な進化の結果なのです!  
不安定な足場をつかみやすいように指先が長く、水かきはこれ以上大きいと水中抵抗があって邪魔なので、素早く足を運べるこの大きさがベストなのです。

今回は幼鳥も見ることができました。

狩りの様子は見られなかったけど、とりあえず自力で魚を捕まえる術は会得しているとのことでした。


このササゴイたちが安心して暮らせるような環境を維持せねばなりません。
















学力テスト Vol.482-1 頭かきシリーズ その96

 

キアゲハ
つい先日、お隣りのランタナに翔んで来ました。

まだ尾状突起もどこも擦れていなくてピカピカ!! 
きっと羽化したばかりなのでしょう。

尾状突起はアゲハチョウやシジミチョウの仲間に見られますが、それは捕食者の目をあざむく効果だとか、飛翔の安定化、または健康で魅力的なサインとして機能する・・・・と、考えられています。


さてさて、本題です。
この鳥の ①名前 ②頭かきの種類 さらに③足指の形 ④水かきの種類 の4問について答えて下さい。
頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。


足指の形

水かきの種類

上記2枚のイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆







学力テスト Vol.481-2 その解答 キセキレイ ~ 糞嚢(ふんのう)~

 キセキレイ ~ 糞嚢(ふんのう)~

キセキレイ ♂

漢字で書くと「黄鶺鴒」。そもそも「セキレイ」の語源とは?!
「鶺鴒」は中国での音読みをそのまま表したもので、古くは「脊令」といいました。
「脊」は脊椎のことで、すなわち骨や背すじのこと。
「令」は「冷たい」とか「澄んだ」という意味。
「背筋がまっすぐに伸びた鳥」という意味です。 

そもそも鳥類の背骨は、背骨(脊椎骨)が完全にくっついていて全く動きません。これは鳥の最大の特徴である飛翔に最も適応した進化の結果なのです。

鳥の背骨は胸から腰までの骨を一体化させ、1本の軸になっています。これによって飛翔の際に体をまっすぐに保つためのエネルギーを節約できたり、バランスを保つのも容易になるという大きなメリットを生み出しているのです。

キセキレイ ♀

いつも「アンタは姿勢が悪くて、猫背でみっともな~い!!」と言われているので、セキレイ君のまっすぐな姿勢を見習わねばなりませぬ。

さて、今回の本題である「糞嚢(ふんのう)」について。

鳥は「総排泄腔(そうはいせつこう)」という生殖器と排泄器官を兼ねたものを持っています。総排泄腔から出される鳥のフンは尿と混ざり合っています。
水気の多い消化カスのほとんどは尿で、尿酸によって白っぽくなっています。

鳥は大腸が短く、体内にフンを貯めずに絶えず排便します。散歩をしていたら上からベッチャ~っとフンが落ちてきた! という経験はありませんか?
我が家の駐車場はちょうど斜め上に電線があるので、風向きによってはムクドリやカラスのフンで車がベッタリとフンだらけ・・・ということがよくあります。ホントいやになります、フン!

赤塚不二夫の「おそ松くん」じゃないけど、六つ子です。

山間部の、とある橋から見て数十メートル先の対岸の石垣の隙間で産まれました。よくもまあ、こんな開けっぴろげの所で育てているものです。カラスやヘビなどの天敵に襲われずにヒナたちは元気よく育っています。
よほど両親の天敵へのガードが堅かったのかな?


「ママ~、うんこ出る~~!!」
すると、すかさず親が「早く早くこっちにお尻を向けて~」と指示!

ヒナの排泄腔から出されたウンチは、なぜかプリプリのマシュマロのようです。

孵化後しばらくの間、ヒナのフンは ゼリー状の薄い膜に包まれて排出されます。これを「糞嚢(ふんのう)」と呼びます。
ヒナが巣立ちすると巣を清潔にする理由がなくなるために、糞嚢は作られなくなります。


親はヒナがフンを出すとすぐに巣の外に運び出します。
時には飲み込むこともありますが、これにも理由があって幼鳥は消化が未発達なので栄養分がまだ残っている場合があり、それを無駄なく再利用しているのです。

フンを運び出す行為は、巣内を清潔に保つことによってフンの臭いや汚れで捕食者に見つかるのを防いでいます。
キセキレイは水辺に近い所で営巣していますが、このフンを離れた場所に捨てに行きます。

おっと、左の子が親を待ちきれずにフンを出そうとしています。
それでも、お尻は本能的に巣の外に向けています。

親はすかさずにそれを拾い出します。

あやうくセーフ!!
両親は一日中、ヒナのためにエサ探しとウンチの処理に追われています。

ヒナの頭かきが撮れました!!
やっぱり親と同じく「間接頭かき」でした!


巣立ちして数日経ってから見つけたヒナで、尾羽の長さも親の半分以下。まだまだ短距離しか飛ぶことができません。


ヒナはまだ自力でエサを捕ることができません。子育ての苦労はまだしばらくは続きます。どちらも、もう少しだからガンバレ~~!!













         

学力テスト Vol.481-1 頭かきシリーズ その95

今年も庭のエゴノキにヤマガラ君が来てくれました。

8/27 昨年と1日違いの来訪というのも驚きです。
食べ頃の時期というのを、しっかりと把握しているのはさすがです!

エゴノキの実を両足でしっかりと握って果肉を突いています。

エゴノキという名前は、果皮に「サポニンという有毒物質が含まれていて、それを口に入れると喉や舌を刺激してエグいことからきています。

ヤマガラ君は果皮に毒があることも承知しているので、果皮はちぎって捨ててしまいます。

種子には毒がなく、脂質もたくさん含んでいて栄養たっぷりです。

持って行かずに、その場でおいしそうに食べていました。
今年は実がいっぱいなっているから存分に召し上がれ~

 では本題。

この鳥の名前と頭かきの種類を答えて下さい。頭かきは ①  直接頭かき ②  間接頭かき のどちらかです。














学力テスト Vol.480-2 その解答 キビタキ ~ 紫外線で見える世界 ~

 キビタキ ~ 紫外線で見える世界 ~

キビタキ ♂

キビタキは絶大な人気を誇っていますよね。

♂はなぜこのように美しいのでしょう。それは鳥もヒトと同じように色の識別ができるからなのです。いえいえ、それだけではありません! 鳥には何とそれ以上にヒトが見えない紫外線色域まで見えているのです。

♂の色彩が美しい理由・・・それはひたすら♀に自分をアピールするためです。♀に選んでもらえないと自分の子孫を残すことができません。そのためにひたすら美しくありたいと努力しているのです。

ヒトは光の3原色である「赤・緑・青」を見分けることができます。それに対して鳥類の多くは4原色「赤・緑・青+紫外線域」を見分けることができると考えられているのです。

紫外線域」が見えるという事で、パートナー探し、エサ探しなどに役立っています。♀は♂の羽毛への紫外線の反射を利用して、健康状態が良いか?などの判断材料にしているのです。

いつも水浴びをして、汚れや虫を取り除かねばなりませぬ。


「昨日出会ったあのカワユイ娘と仲良くなりたい~~! 気に入ってもらえるには、もっと身だしなみを整えなくっちゃなんねえ~!」と、いつもよりも気合を込めてバシャバシャと・・・。

「こんなもんでいいかな? いやいや、あの娘はすっごくきれい好きって聞いてるからな~」

「これでもか~」とばかりに、さらに念入りに!

「う~ん、我ながらイイ男になったぞ! ムフッ」

黄色い部位の鮮やかさは♀への最大のアピール!! この美しい黄色は食べ物から得られる色素で得られたりしますが、健康状態によっても左右されます。
従って美しい♂ほど「よく餌を捕れる元気者」「病気に強い健康体」というように♀からの評価点が高くなるのです。

姿も大事ですが、さえずりも重要な♀へのアピールポイント!!

前回、問題でツクツクボウシを載せたのには理由があります。
決して物真似をしているわけではありませんが、ツクツクボウシが鳴く「オーシーツクツク」とよく似たようなメロディラインや、コジュケイの鳴き声を連想させる旋律など、いろいろなバリエーションを取り込み、あの手この手で♀に気に入ってもらえる楽曲を奏でるのです。さすがは「森の歌姫」と呼ばれる所以です。

キビタキ ♀

果たして彼女には♂の献身的な努力が届いているのでしょうか?
それにしても、やけに♀って地味~・・・なんて思ってはいけません。この色彩こそ抱卵や子育てには絶対不可欠だという証明なのですから!! 
♀からしたら、♂なんて遊びほうけているチャラ男にしか見えないのかも?!?!


この、のんびりと「間接頭かき」をしているところを見ると「フン!アンタなんか目じゃないわい!わたしゃ、もっとイイ男を待ってるんだいっ!とっとと他へお行き~!」と思われているようです。まだまだ♂の努力が報われる日は遠いようです。
♂たちよ、明日に向かってガンバレ~~!!






学力テスト Vol.480-1 頭かきシリーズ その94

ツクツクボウシ

今日、我が家の庭に何と何と! 初めてツクツクボウシが来てくれました。

夏休みの中盤・・・8月の旧盆の頃、あの騒々しいクマゼミの声が少々ピークが過ぎた時期になると鳴き始めます。
小学生の頃はこの声が目安で、ツクツクボウシが鳴き始めると「うわわ~、そろそろ夏休みの宿題を始めなくちゃなんね~・・・」と思ったものでした。

そのツクツクボウシの声も9月に入るとピークを過ぎたのか、徐々に弱々しい声に聞こえてきますが、おっとどっこいそれは気のせいで、他のセミがいなくなった10月初旬でも元気に鳴いていることがあるのです。


 さて本題。

この鳥の名前と頭かきの種類を答えて下さい。頭かきは ①  直接頭かき ②  間接頭かき のどちらかです。