学力テスト Vol.462-1 頭かきシリーズ その79

「スプリング・エフェメラル」と言う言葉を聞いたことがありますか?「春のはかない命」と言う意味で「春の妖精」とも呼ばれています。

主にカタクリやイチリンソウなど、春の一時期にだけ咲く植物のことを言いますが、その頃に出現するチョウたちのことも「スプリング・エフェメラル」と呼びます。ギフチョウやウスバシロチョウなどが代表種ですが、これらは佐鳴湖の周辺では見られず、もう少し山間部に行かないと見ることができません。

菜の花に来たツマキチョウ♂

私は勝手ながら、このツマキチョウを「佐鳴湖の春の妖精」と呼んでいます。例年ソメイヨシノが咲く頃になると翔び回るようになるのですが、パッと見は小型のモンシロチョウ。

翔ぶのも素早いし、なかなか止まることがありません。止まると、こんなふうに翅の先にあるオレンジ色が目を引いて、それはそれはものすご~く可愛いのです!

こちらはツマキチョウの♀

さて本題。桜シリーズの3回目はこの鳥です。大サービスで全身像を!
この名前と頭かきの方法を答えて下さい。






学力テスト Vol.461-2 その解答 ヒヨドリ ~ ボサボサ頭の雑食屋 ~ 

 ヒヨドリ ~ ボサボサ頭の雑食屋 ~

今でこそ、一年中どこでも見かける鳥ですが、ホンの40年ほど前までは、夏は山に住んでいて、エサが不足する冬になると里に下りてくる「漂鳥」でした。

ヒヨ君は国内では「フン、どこでもいるじゃん!地味だし~!声はうるさいし~」と言われるけど、これでも海外のバードウォッチャーからは「おおっ、これがそうか~!」と喜ばれる、とにかく一度は見てみたいという鳥なのです。

というのも、ヒヨ君は日本以外では朝鮮半島の南部.台湾、フィリピン北部あたりにしか生息していないという分布域が狭いので、イギリスやアメリカ在住のバードウォッチャーは地元では見られない鳥なのです。
「地味だろうが何だろうが、見たことない鳥を見たい~!
って、いうのは鳥屋だったら絶対なのです!

嘴の先端にソメイヨシノの花粉をいっぱい付けています。
このようにポリネーター(花粉受給者)としての重要な役割を担っています。

河津桜の花びらの付け根にある蜜を吸っています。

れれっ、ついでに花びらをムシャムシャと食べてしまいました。
ここが、メジロやスズメとは違うところ!

ヒヨ君たちの食欲はホントに旺盛です。我が家のバードテーブルに置いたミカンや柿などは独占して、スズメやメジロたちが来ると追っ払ってしまいます。

とある日、ペアと思われるヒヨたち2羽が我が家に来ました。最初の個体が柿にパクついている時に、そばの木に佇んで待っているもう1羽。最初のが腹いっぱい食べた後、次のが食べようとすると追い払ってしまいます。あれれ?ペアなのになぜ意地悪を? 
ちなみにヒヨは雌雄同色ですが、観察していると最初の個体はどうやら♀のようです!
この力関係を見ていると、どこぞの夫婦を連想してしまいます。
もちろんピラカンサや木の実も大好物で、昆虫なども食べてしまい、その種類と食欲はあきれるばかり。


ある時、公園のベンチで休んでいたら、5m先に飛んで来てタンポポの花を茎からちぎって丸ごと咥えました。タンポポに夢中でこちらには気づかなかったようです。

こちらに気付くとすぐそばの木に飛び移って、そこでムシャムシャ!
この何でも食べるという食性の広さが繁栄を支えているのです。

ヒヨドリは国内で11種類の亜種に分類されるのだそうな。

こちらは石垣島で見かけた「イシガキヒヨドリ」という亜種。
南に行くにしたがって体色が濃くなる傾向にあります。

おさらい:「亜種」というのは「種」の一つ下の分類上の単位で、同じ「種」の中に地域によって、大きさとか形態とか羽根の色に変化がある個体群のことです。さらに大雑把に言うと、「同じ種の生きものだけど、ちょっと違うような感じの生きもの」・・・ということです。

おととい撮れたての「間接頭かき」。気持ちよさそうだね~