学力テスト Vol.447-1 頭かきシリーズ  その66


定食のフジバカマで吸蜜するアサギマダラ君

こちらはケイトウの花で吸蜜

こんな風景は初めて見たけど、たまには違った味覚を楽しむのかな?

そして、写真を整理していて気づいたのがこれ! 

この個体には「イラゴ」すなわち「伊良湖岬」とマーキングされています。
どこか東から翔んで来て伊良湖までたどり着いたところでマーキングされたのです。
※伊良湖岬はアサギマダラのマーキングポイントで有名なところです。

ここから西の伊良湖岬までは約30kmあるのですが、もしかしたら昨日は台風並みの強風が吹いたので戻されてしまったのかな? きっとそうにちがいありません!
だとしたら、せっかく西へ向かって渡っていたのに、またやり直し!!
大変だけどガンバレ~~!!


さてさて本題。
いつもどおりに「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えて下さい。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

さらにおまけで、今回も追加問題です。いつもと同じように「足指の種類」や「水かきの種類」に関しても答えて下さい。もし、水かきの種類に該当しない場合は「無し」と解答して下さい。


足指の形

水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆







学力テスト Vol.446-2 その解答 ブロンズトキ ~ 新参者 ~ 

 ブロンズトキ ~ 新参者 ~

あまり聞いたことのない名前で、載っていない図鑑が多い・・でも、どこかで見たことがあるような? それが今回の「ブロンズトキ」君なのです。

もし、見たことがあるなら動物園かな?
現在なら、掛川の「花鳥園」に行けば見られるようです。

ブロンズトキは東南アジアやオーストラリア、アフリカなどに広く生息しています。
英名では「Grossy Ibis(光沢のあるトキ)」と呼ばれています。

国内での初記録は200211月に沖縄本島と、ホンの12年前の新参者!!
だからまだ図鑑に載っていなくても仕方ありません。
それ以来2006年、2012年、2014年と単発的に記録があります。
20214月には石垣島へ何と何と19羽の大集団が飛来!!  
その群れがバラけたのか、6月には富山県射水市で1羽の記録が。
だんだんと近くなってきました。

そして今回の個体は 2024年4月:宮崎 5/12:高知 5/14:徳島 5/22:愛知・・・と流れてきたルートが分かっていて、愛知県に来たという情報が入ったその日は、たまたまヤボ用があって行けなかったために、愛知在住の友人数名に情報収集をお願いしました。
彼らも現場に行ってくれたのですが、タッチの差で逃してしまいました! ホントに逃げ足の速いヤツです。

その数日後、おおっ、ついに静岡県に飛来!! 
こうなったら「海外や動物園で見てるから、今回はパスしようかな~」などとグズグズ言っている暇はありません。

その日、私が電話をもらったのは昼過ぎで「今なら間に合うと思うよ~」とのことでしたが、その日は大雨警報発令中で、すでに雨が降っています。しかも現地までは高速をぶっ飛ばしても1.5時間!! 条件としては最悪に近いのです。

でも電話をもらった以上は「はい、わかりました! すぐに行きまっす~~!!」と言うしかありません。久しぶりに「熱血オジサン」の血が騒ぎ出しました! 
雨が降ってりゃ人は少ない! 雨は止むときだってある! ・・・ポジティブに考えたら最良とは言わないまでも、そんなに悪かない!
だって、昨日までに聞いたポイントで4回も連続して振られちゃったのですから、行くっきゃないだべ!!

あれっ、股のぞきをしてるのかな? まるで「天橋立」のようなポーズです。

70mくらいと、やや遠かったのですが何とかゲット~~!! 雨のせいか薄暗くて、特徴的なブロンズ色もよくわかりませんが、とりあえずはゲットということで、ようやく今夜は安眠できそうです。
そして、当然ながら天候が回復する明朝未明の出発で再トライ!!

コサギ君とにらめっこ

「オメエ、どこから来たんじゃ? ここらじゃ見かけね~ツラじゃんか?!」
「オ、オイラ 迷子なんです~、ここってどこっすか~?」

そこへ好奇心が強く、チョイ悪オヤジのハシボソガラス君も登場!


一触即発のムードが漂い始めました! 緊張のあまり、ブロンズ君のトサカの毛が逆立っています! うわわ~っ、飛んじゃダメ~~!! チョイ悪オヤジ~、それ以上近づくな~


でも、そこはどこぞのおバカな生き物とは違って、無益な脅しや殺生などはしない!という自然界のルールで、大事には至りませんでした。

「はぁ~~、飛んで行かなくてよかった~」~と胸をなでおろしました。
だって、まだ着いたばかりで、ろくろく撮ってないもんね~!


ブロンズ君の特徴は何といってもこのくちばしの形。シギの仲間以外では見かけないフォルムです。さすがトキ科の仲間です。
この嘴での採餌もガツガツと慌てる風でもなく優雅です。


餌は主に動物性のもので、ドジョウ、カエル、タニシ、昆虫、小魚、甲殻類などで植物は食べないようで
す。

構造色による羽の色変化もすごいんです!


赤銅色だったり、濃緑色だったりと角度によって様々に変化するのです。


この写真から「三前趾足(さんぜんしそく)」と「半蹼足(はんぼくそく)」、さらに「水かき無し」をイメージしてください。

トキの仲間は「直接頭かき」です。

やっぱり鳥たちは外で生き生きしてるのを見なくちゃね~!!

P.S. オリンピックなどでは銅メダルのことを「Bronze Medal」と言うので間違いやすいのですが、ブロンズは銅のことではありません。銅は「Copper」といいます。
ブロンズとは銅に錫(すず)を混ぜた合金で「青銅」のことです。
青銅で作られたもので、有名なのは「ロダンの考える人」とか、渋谷の忠犬ハチ公」、「奈良の大仏」・・・だそうな。