学力テスト Vol.443-2 その解答ー1 キジ ~ 国鳥・・・なのに狩猟鳥 !! ~

 キジ ~ 国鳥・・・なのに狩猟鳥!! ~

キジと言えば思いつくキーワードがあれやこれやと出て来ますよね。思いつくだけでも「日本固有種」「国鳥」「狩猟鳥」「桃太郎」「県の鳥」「構造色」「母衣打ち(ほろうち)」・・・エトセトラ。

キジは日本の「国鳥」です。1947年に日本鳥学会が国を代表する鳥としてキジを「国鳥」に決めました。・・・が、それが狩猟鳥だなんて!! 世界中を見渡してもこんなのは日本だけ!! 

「国鳥」としての選定された理由には♂の羽が美しく、姿も立派であることが国鳥としてふさわしいからという理由ですが、それとは別に、昔から貴族や武士の間で貴重な肉として扱われてきたという食肉の文化の歴史もあり、狩猟鳥でもあるのです。何じゃこりゃ、フン!

サンコウチョウの時に書いたけど、それぞれの都道府県の県や市には花・木・鳥などがシンボルとして決められています。昭和38年(1963年)に農林省が各地方自治体に「県鳥選定」を通達、全国各地でその運動が始まりました。

岡山県は桃太郎伝説の地元! 桃太郎と言えばその家来にはキジ、サル、イヌ!! キジは桃太郎と縁が深いことから、当然ながら岡山県の「県の鳥」に指定されています。

かつて観光で倉敷市に行ったときに 桃太郎の地元であることに気付きました。おおっ、そう言えば街のあちこちにキビダンゴを売ってたじゃん! 

そして「桃太郎からくり博物館」というのを見つけたので入ってみました。当然ながらキジのグッズもたくさん飾ってありました。

なぜこんなに美しい色をしているのか?

それはひたすら♀に気に入ってもらうために進化してきたのです。選ばれなかった♂は子孫を残すことができず、消え去るのみ!

これこそがダーウィンの提唱した「性淘汰」で、♂が派手な羽毛を持つようになったのは、このような♀の選択による進化の結果なのです!! ♂からは怖くて厳し~いお話!

キジの羽毛の見事な色合いは構造色なので、太陽光で緑色や紫色にキラキラと輝きます。それはそれはうっとりするほどの美しさ!

英名は「Green Pheasant」 または  Japanese Pheasant」。
学名も「Phasianus versicolor 」すなわち「さまざまな色をしたキジ」という意味なので、これはきっと構造色のことも指しているのでしょう。


さてさて、キジと言えば「ケーン・ケーン」と鳴きながら羽をバタバタするのが有名です。春になると縄張り宣言や♀へのアピールで大忙し!

このパタパタは「母衣打ち(ほろうち)」と呼ばれています。
言わばキジのドラミングなのです!

その「母衣打ち」のスピードは、何と1秒間に約3回ほど。

「母衣(ほろ)」って何だ?・・・の説明は、一言で言えば戦国時代の武士が使っていた武具のことです。

母衣の説明をすると長くなるので、知りたい人はネットで「ほのぼの日本史 サムライの必須アイテム 母衣とはどんなもの?」を検索してみて下さい。

リンクのアドレスはこちらです。 https://hono.jp/sengoku/horo/ 


母衣打ちで♀が近づいてくると♂は体を斜めにしながら尾羽を広げ、♀の周りを回りながら「どうでい、オレってカッコいいだろ?!だろだろ?!」とアピールします。

あれれ? ♀がそっぽを向いてしまいました。

でも心配は無用です。♀は♂よりも数段と駆け引き上手で、さらに♂の気を引くために「私しゃ、アンタなんて好みじゃないもんね~」と、わざと知らんぷりをしているのです。♂を決める絶対的権利は♀にあるのです!!

キジは「一夫多妻制」なので、産卵以降の子育てはすべて♀の仕事です。
♂はどうするのかって? ♂は他の♀を求めて、次なる仕事へいざっ! これが一夫多妻の宿命なのです。どんなに可愛くて愛する♀であろうとも、次なる♀へ行かねばなりませぬ!

つかの間、愛する♂に守られながら、♀はのんびりと頭かき
当然ながら「直接頭かき」です。ああ、気持ちイイ~~


車の中で本を読んでいて、たまたま顔を上げた時、すぐ近くの草むらの中に♀を見つけました。「おっと、これはひょっとしたらひょっとするぞ~」の予感!さっそくカメラの用意!

しばらくして道路に3羽のヒナを連れた♀が!!
ヒナはその大きさから推定すると生後2ヶ月以内かな?

車内から固唾を呑んで撮ったけど、静寂な田園に響くのはシャッター音のみ!
その音が聞こえているのか、ヒナもやや緊張しているようです!!


キジは草むらの中にばかりいるので、こんなふうに足指が撮れるチャンスはなかなかありません!

ようやく「三前趾足(さんぜんしそく)」で「水かきなし」が撮れました。


キジは漢字では「雉」と書きます。
この漢字を分解すると「隹」というのは「とり」のことで、「雉」はすなわち「矢のように飛ぶ鳥」という意味なのです。
ただし、そんなに長距離は飛べません・・・頑張っても、せいぜい200~300mがいいところ。


そろそろ「狩猟鳥」の枠から解放してあげて、人を警戒せずにのんびりとしている姿を見たい・・・そう思うのは私だけじゃないっしょ?!?! だって国鳥なんだからさっ!

















2 件のコメント:

  1. [母衣打ち] 迫力ありますね\(^_^)/
    キジの♂ 見事な美しさ!!
    以前、用水路沿いを歩いていたら
    前方の柵に♂のキジが!
    私に気がつき柵から飛び降り、私が数歩歩くと
    キジ君私をチラッと見てチョコチョコ前進。
    また数歩いくと、
    キジ君も前進。
    何回か繰り返し広い道に。そのご
    田圃に降りたので追うのは止めました。
    結局、最後まで飛ばず~
    矢のように飛ぶ鳥[雉]なのに(^^;
    母キジと3羽のヒナにもあったことが。
    ヒナはもう少し大きくなっていましたが
    歩く後ろ姿が可愛かったです。(^^)
    ヒナの三前趾足がハッキリ撮れていますね\(^_^)/
    母衣。検索してきました♬
    時代によって役目が変わっていったんですね~

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  2. いろいろな感想をありがとうございました!
    しっかりと読んで頂けると書いた苦労も報われまする。

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