学力テスト Vol.461-1 頭かきシリーズ その78

 

アセビで吸蜜
そろそろ春の使者ギフチョウが見られる頃です。
浜松は全国で一番最初にギフチョウが観察されるのです。

ショウジョウバカマに来ました。


さてさて、桜シリーズで第2弾のクイズです。



この鳥の名前と頭かきの方法を答えて下さい。

学力テスト Vol.460-2 その解答 ジョウビタキ ~ 究極を狙え ~

           


佐鳴湖の河津桜は3月初旬から咲き始めます。


春を待ちわびていた人たちも、あまり散歩に出ない人も続々と集まってきます。

いつも佐鳴湖にたむろしている写真屋のジイジたちが狙うのは、サクラに集まる小鳥たち。
ヒヨドリやメジロなどサクラの蜜を目当てに集まるのを撮るのは簡単です。

ジョビコ

ところが、虫や木の実などが大好きなこのジョウビタキが桜に来るのを撮るとなると、なかなかに大変!・・・と言うのも、鳥に興味のない人たちがスマホで間近にサクラを撮ろうとひっきりなしに近寄ってくるからです。これではジョウビタキも近づいてきません。
それでなくても吸蜜などしないジョウビタキがサクラに止まるのはまれな事なのです。

最近ではジョウビタキの♂のことを「ジョビオ」、♀のことを「ジョビコ」というようです。


世の中には鳥の写真集なるものが、毎年のように発売されます。もちろんプロの撮影した本なのですが、プロはアマチュアよりも上位の物を撮らねばなりませぬ。
とは言え、現在のアマのジイジたちが持っている器材は、プロとほとんど変わらないので、プロが差をつけるとしたら、その腕やノウハウを発揮するのみ!

「カワセミがハスの花に乗っている」こんな写真はン十年前だったら「おおっ、すっげ~~!」と評価してくれたのが、現在ではヒマなジイジたちもそんな写真を楽々撮ってしまうので、プロとしてはさらに差をつけるべく、例えば「ハスに乗ったカワセミの頭にトンボが乗った瞬間」などを狙わねばなりませぬ!

さて、これは背景がピンクなので、サクラだろうとわかります。
でも、サクラに止まってないからこんなんじゃダメ~!


ようやく待ちに待った瞬間で、河津桜の枝に止まってくれました。でもこんなんで満足してはダメなのです。

このくらいなら良しとしようかな? ・・と納得しかけた時!

その時です!
何の予告もなしにモデルちゃんが  Vサイン!!!😮
これぞ「間接頭かき」とサクラの2ショット!!

小鳥の場合は、この動作がホンの1~2秒くらいなのです。シャッターボタンを押して写るまでのタイムラグもあるので、ホントに大変です!

これが撮れてこそ、いつも「頭かき」にこだわっている私としては最上級の出来映え!! 
まさに「待てば海路の日和あり~!!となったのです。
少しくらい顔に影があろうが、そんな細かいことは構やしません!
それにしても、これが撮れるまでの気苦労といったら・・・。もうイヤじゃ~













学力テスト Vol.460-1 頭かきシリーズ その77

 

河津桜 3/10の撮影です。

ソメイヨシノは他の桜に比べて寿命が短く60~70年と言われています。
佐鳴湖ではソメイヨシノが老木になってくると、この河津桜に植え替えることになっているようです。この品種の方が早く春を感じることができて、皆が喜ぶと思っているのかな?



今か今かと春を待ちわびている時期に、この花が咲くと辺りがパーッと華やかになって、散歩の人も増えてくるような・・・。

今日は1週間ぶりに佐鳴湖を散策してみました。
ウグイスがあちこちで囀り、ヒクイナも2羽が鳴いていました…もう春本番じゃん!!

さてさて本番! いつものクイズです。

この鳥の名前と頭かきの方法を答えて下さい。



学力テスト Vol.459-3 その解答 ハシビロガモ ~ ぐるぐる ~

 ハシビロガモ ~ ぐるぐる ~


「ええっ、なんで? どうして? うわわ~っ、こんな変なのが?」・・・誰が何を言おうと、このカモが大・大・大・大好き~~!! あのでっかすぎる嘴が大好き~~!! 

英名では「Northern Shoveler」。意味は「シャベルを持って働く人」とか「シャベルのような嘴のカモ」・・・という意味です。シャベルとはもちろんスコップの事! ハシビロ君のスコップの刃先の形は丸形かな?

こんなフォルムの嘴は世界中のカモを見渡してもいません!

そして、さらに彼らには他のカモ類にはない「板歯(ばんし)」という秘密兵器を備えているのです。

この白い歯ブラシが「板歯」です。

嘴の裏側はこんな感じ! 
これはなかなか見られないショットですぞ!

他で例えてみると、ザトウクジラかな? ザトウ君もこのような櫛状の歯を持っていてオキアミや小魚などをドバーっと一気に飲み込んだ後は、その櫛状の歯の間から海水を外に出しているのです。

ザトウ君の場合は獲物のオキアミや小魚を捕食する際に、「バブルネット・フィーディングと呼ばれる気泡を発生して小魚が逃げないように壁を作ったり、「インサイド・ループという尾びれを水面を叩きつけたり・・・といろいろな手法を用います。

我が愛すべきハシビロ君はと言えば、足の水かきをフル回転させて水面上をグルグル回って水中に渦を作り、プランクトンや植物の種子などを水上に浮かび上がらせて、それを採食するのです。

こちらはちょっと人見知りするのか、群れとは離れて2羽だけで採餌中。

おっと、そこへ隣のペアが混じってきました。
この方が渦が大きくなってプランクトンも浮いてくるでしょう。


これだけ集まればかなり大きい渦ができて、プランクトンなどもたくさん浮いてくることでしょう。この日見た最大の群れは何と100羽以上という大群でした!! しかもその大群がが2つも!!
中には他とは違う方向へ回るオッチョコチョイも。
彼らは水面上に浮かんできたものを吸い込んだ後に、板歯を通して水だけを外に吐き出すのです。
こんな芸当ができるのはハシビロ君だけ! こうして彼らは他のカモたちとは違う独自の方法で採餌を行っているのです。

次列の「翼鏡」の上部の雨覆は薄い水色で、これも見事な配色!

構造色のため、色変化をしているので♂よりも地味に見えますが、♀も同じ配色です。

頭部も構造色で、マガモと同じく濃い緑から青紫に変化します。

これが♂のカンペキな生殖羽
ビシッと決めたダンディなフォーマルウェアです!!
どうです? ハシビロ君たちを少しは見直しましたか?

















学力テスト Vol.459-2 その解答 ヒドリガモ ~ デコちゃん ~

ヒドリガモ ~ デコちゃん ~

ヒドリガモは全国的にも渡来数がベスト5に入るほど、たくさん渡ってきます。

佐鳴湖でも例年200羽ほどが見られます。


おでこのクリーム色を「緋色」と見立てたのが名前の由来で、江戸時代の頃にも「ひどり」と呼ばれていたのだとか。

英名はユーラシア大陸の北方で繁殖するので「Eurasian  Wigeon」。Wigeon(ウィジョン)」というのは、このカモの鳴き声をオノマトペで表したものなんだそうな。

おっと、オノマトペというのは擬音語のことです。外国人には、この笛を鳴らしたような「ピューイ」という鳴き声がそのように聞こえたのでしょう。


このカモの特徴について時々書かれているのが、この台形のような四角い頭! ひたいが垂直にあがって、そこから先がポコッとへこんでいます。

このフォルムが独特なのでよく覚えておくといいと言います・・・が、


カモの頭の形なんて、こんなふうにしょっちゅう変わるけど、何かの時にこれを披露すると「おおっ、お主なかなかできるな?!」と言われるかも?!

ヒドリ君たちはベジタリアンで水草や海草類が大好き!

チラ見は可愛い顔をしていておとなしそうだけど、「うっひゃ~、そこまでやるんかい!」というくらいにオオバンからエサを奪い取ったり、結構えげつないことをやります。

♂は翼鏡の美しさはもちろんのこと、雨覆の純白がよく目立ちます。

飛んでいても♂の雨覆はすぐにわかります。

こちらは「アメリカヒドリ」君

近縁種で北米では普通種です。英名は「American Wigeon」。こちらのおでこは、さらに淡いクリーム色で、特に目から後方へかけての緑色がビューチフル!!

ヒドリガモとはロシアのチュコト半島(またはチュクチ半島とも呼ぶ)と、アメリカとの国境付近で繁殖期の分布が重なるので、よく交雑種が産まれています。

ヒドリガモの中には、この交雑種がよく紛れ込んでいるので、それを探すのも暇つぶしにはもってこいです。100羽ほどいれば1羽くらいはいるかも? 
もちろん、このアメリカヒドリを見つけることが最優先なことは言うまでもありません!

この交雑種の件に関しては何回も載せているので、そちらをご覧ください。
表紙右側の索引で「アメリカヒドリ」と検索すれば出てきます。

このカップルから交雑種が産まれることはなさそうです。












学力テスト Vol.459-1 ~ あんた誰シリーズ  その19 ~

数日の寒さと3日間ほどの雨で散歩をさぼっていたら、佐鳴湖公園の河津桜が一気に満開に!! 一週間前にはまだホンの数輪だけだったのに・・・

ヒヨヨン君もどれを選ぼうかと思案中


こんな格好で吸蜜しても首の筋を傷めない?


 さて本題! 今回もカモの「翼鏡(よっきょう)」についてのクイズ その2です。

ヒントは写真の中にいろいろと入っているので、そんなに難しくはないと思うけど。

A
B




学力テスト Vol.458-3 その解答 コガモ ~ 可愛い鳴き声 ~

 コガモ ~ 可愛い鳴き声 ~

和名は国内最小のカモだから「小鴨」。
おもしろくもなんともないネーミングです。

英名では「Teal」または「Green-winged Teal」といいます。「Teal」は青緑色のことを指します。コガモの「翼鏡」は鮮やかなコバルトグリーンをしているので「Teal」とはこのことを指しているのです。

♂の翼鏡

♀の翼鏡 
♂と同じ色をしています

「翼鏡は幼鳥の頃から発達しています。

これは♂が生殖羽になる途中の換羽中。
「翼鏡」がしっかりと見えています。

もう一段階、換羽が進んだ状態。頭部はほぼ完成形です。

それにしても生え変わった羽が、抜けたのと同じ形・同じ役割をするというのはホントに不思議な事です!

♀成鳥
コガモの場合「翼鏡」がチラチラと見えることがよくあります。

こちらは♂だけの集団です。

換羽が終了している個体もいれば、まだ換羽途中の個体も見えます。

水面採餌ガモの仲間は生まれてから繁殖可能になるまでの期間が1年! 
いろいろ調べていくうちに分かったのは、どうやら遅れて生殖羽に換羽するのは若い個体のようです。

だから、この写真では成鳥のエクリプス(非生殖羽といいます)から換羽して生殖羽になったものと、前年の繁殖期に生まれた若鳥が第一回冬羽から生殖羽に換羽中の個体がごちゃ混ぜになっているということです。


コガモはカモ類の中では最も早く9月下旬には渡ってきます。そして春には最も遅くまで残ってもいます。
ガンカモ調査のカモ類の中ではマガモ、カルガモなどに続いてBEST5に入るほどに多く渡ってきます。

けっこう細かい水路にまでいることが多いので簡単に見つかります。自分の周辺で探してみましょう。

♂の「ピリッ、ピリッ」という笛のような鳴き声はおよそカモらしからぬ可愛い声です。この鳴き声を憶えたら、あなたも一人前のバーダーですぞっ!!










学力テスト Vol.458-2 その解答 マガモ ~ キラキラ ~

 マガモ ~ キラキラ ~

漢字では「真鴨」と書きます。

「真」とはその種類のなかで一番標準的なもの、代表的なもののことです。
マガモはユーラシア大陸はもとより北米にも分布しているカモ中のカモです!

当然ながら、毎年行われる「全国一斉ガンカモ調査」でも、カウント数は段トツの1位で2位のカルガモを大きく引き離しています。

2024年の調査ではカモ類全体で1,584,475羽のうちの 401,334羽で25%を占めているのです。当然ながら静岡県でもガンカモ調査が始まってからず~っと、堂々の第1位!!

自分の住んでいる県ではどうなっているのか? 興味のある人は環境省のHPで「第55回ガンカモ類の生息調査(全国一斉調査)結果(速報)」というのがあって、最下段の方に「資料1 都道府県別の速報値」が載っているので検索してみてください。

「翼鏡は水に浮かんだ状態の時は隠れているので、ほとんど見えることはありませんが、羽繕いやパタパタをした時に見えます。

この白い2本線の間にある、青紫色に輝くのが「翼鏡」。
その部位は一般的には「次列風切」と呼ばれています。

構造色のため、光の屈折によって複雑に色が変化します。

♀も同じ「翼鏡」を持っています。

では「翼鏡」は何のためにあるのか?

それは「飛翔中に後続から見て目印になる」という説が有力です。


例えば他の種も混じった大群がいる湖で、突然にオオタカやハヤブサなどが出た~!
そんなパニックの中、一斉に飛んだ時に後続にいる経験の少ない若いカモにとっては前を飛ぶ成鳥の中に自分と同じ種類の「翼鏡」がキラキラと陽光で輝いていれば、安心してついていけるということなのです。

これが夜間飛行の際に、月明かりの中でも「翼鏡」が輝くとしたら・・・?!?!
想像しただけでもファンタスティック~~!
カモ君たちの視力なら充分にあり得る話カモね?!?!