学力テスト Vol.462-4 その解答 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その3

 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その3

花札の歴史は室町時代末期にポルトガルから伝えられたカードゲームを参考にして、日本独自の花鳥風月の絵柄を用いて作られたカードです。

今回はその花札の中で、2月の絵札に書かれた「梅に鶯」のお話。自分でも以前からちょっと気になっていたので調べてみました。

「平郡庵のHP」より借用しました。

この絵のことを「梅に鶯」と呼びます。そしてこの鳥のことについてネットでは、ああでもない、こうでもないと、かんかんがくがく!

参考までにこちらは「梅にメジロ」

「梅にウグイス」は撮ったことがないのでご勘弁ください。ネットでもあまり見かけないよね? きっとチャンスがほとんどないんだろうね。


1.「この鳥はメジロです!」と断定するコメントがあちこちから出されています。
根拠としては ① ウグイスは藪の中にいて出てこない。② メジロはウメで吸蜜をするが、ウグイスは虫などが主食で吸蜜はしない。③ ウグイスのような緑がかった茶色ではなくメジロのような黄緑色。 

2.それに対して「いやいや、これはれっきとしたウグイスです!」という主張。
根拠としては ① これは写実的ではなく、デフォルメされたもの。 そうでなければ11月のツバメの説明がつかない ② 江戸時代にはメジロもウグイスも飼育していたポピュラーな鳥なので、絵師がそれを間違えるはずがない。江戸時代の図鑑でもその違いはしっかりと描かれている。  ※デフォルメ:造形的に意図して変形させること

11月の「柳につばめ」
「平郡庵のHP」より借用しました。


この「梅に鶯」という言葉は「取り合わせが良いものの例え」で、「松に鶴」と同じように成句として扱われています。だったら「ビールに枝豆」もきっとそうじゃろな!?

3.上記の2つとは別の説もあります。
中国でも「梅に鶯」と言いますが、その時の「鶯」といえばコウライウグイス(漢字では黄鸝、黄鳥)ことを指します。
春を告げる鳴き声のよい鳥として古くから知られていたようです。
そのコウライウグイスの♂の羽は黄色で、虹彩の色は何と何と赤!

花札に描かれたウグイスの中(上段の右から3番目)にも、体全体が黄色で赤目の鳥がいますね! 絵師はこの鳥のことも知っていたのかな?

1987年5月撮影のお宝画像です。

コウライウグイスはウグイス科ではなく、コウライウグイス科というまったく別のグループに属します。
主に日本海の島々で、春や秋の渡りの時期に見られる珍鳥です。

この写真は友人から借用しました。

さ~て、皆さんはこの花札の鳥が何なのかを考えた時に、どんな答えを出しますか?
 
 





2 件のコメント:

  1. カラフルな絵札!
    ウグイスかメジロなのか~難しい
    私は2のウグイス説かな~o(^-^)o
    コウライウグイスって初めて知りました。
    華やかな色合いですね~

    返信削除
  2. 私も2の説に大賛成です! 
    コウライウグイスは日本の鳥ではないので、花札のイラストに似ているけど、ちょっと違和感があってちがいますよね!

    返信削除