学力テスト Vol.353-2 その解答 アリスイ 

 アリスイ

アリスイは「直接頭かき法」です。

そもそもアリスイという言葉自体が、キツツキとは縁遠い感じですが、頭かきの写真をよ~く見てもらうと分かるように、足指は前に2本、後ろに2本のキツツキと同じ対趾足。

舌の特徴も他のキツツキ同様に頭部の後ろを巻くように収納されています。
この文章の意味がわからない人は「キツツキ 舌の構造」で検索してみてください。

その頭部の中を見ることはできませんが、その長~い舌を使ってアリなどを食べるのです。
食べるというか、その仕草はアリを舐め捕っているっていう感じ。

アリの巣に嘴を突っ込んでいます。大接近で撮影!!

舌はご覧のように長~~いけど、多分もっともっと伸びるはず!
※キツツキの舌の長さは嘴の5倍ほどと言われているのです。

キツツキの舌の先端は種によっては、穴の中の虫を引っ掛けて出しやすいように釣り針のように返しがついていたり、トゲがついています。

写真ではアリスイの舌の先端は細く尖っているように見えますが、哺乳類の「アリクイ」の舌と同じようにネバネバしています。この秘密兵器でアリを舐め捕っているのです。

アリって言えば蟻酸は大丈夫なのかあ? それとアリって噛まれると結構チクッとするんだけど、アリスイがそれを気にしている様子は全くありません。


嘴が頑丈そうでもなく、他のキツツキのように木に垂直に止まって尾羽でしっかりと木に支えるわけでもなく、木に巣穴を開けるわけでもなく、ドラミングをするわけでもなく、羽根の模様はコノハズクのような朽木色・・・などなど、どう見たってキツツキの仲間じゃないわい!!

タカのような変わった鳴き声!!

決して数が多いわけではありませんが、秋になるとアリスイを見かけることがあります。
これはサシバを見ている時に見つけたものですが、モズのように木のてっぺんで「キィキィキィ、キィキィキィ・・・」と囀っていました。

という訳で、どこをとっても「不思議なヤツ」・・・というか「変わり者」という言葉がピッタリの感じです。

さて、明日からは10月。コロナなんてぶっ飛ばせ~~!! と、明るい気分で迎えましょう・・・という訳で、気分転換にどうぞ!

若者に人気のある「Shaffle Dance」に、自分の歳もわきまえずに挑戦してみました・・・が、足がもつれるわ、自分の足は踏んづけるわで、メチャ悪戦苦闘です。
やっぱし無理! 多分無理なのかな? きっと無理! なんだろうな~

https://www.youtube.com/watch?v=hGSKfCF44W8 

https://jwsearch.jword.jp/go.phtml?type=cnt&fm=2&agent=&partner=jwsearch&bypass=&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DT45TZAdkKgI&lang=&name=yst_jwsearch_clk_yst02








学力テスト Vol.353-1 ~頭かきシリーズ その3~

 いよいよ、コロナ対策で束縛していた規制が9/30で解除になるとのこと! でも気を緩めずに、もうしばらくは緊張感を持続しつつ生活しましょうね~!

さて、クイズ 「頭かきシリーズ」の第3弾の始まり始まり~!

下の3種類の鳥の「頭かきの方法を当ててみましょう。
第1~2弾と同じように、鳥の名前と頭かきの方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき


A

B

C



学力テスト Vol.352 その解答 おまけのクイズ ハシブトガラス・ハシボソガラス

 ハシブトガラス・ハシボソガラス

前回の「Vol.352 その解答 ハシボソガラス」で出した、おまけのクイズの解説です。

フィールドで記録をするとき、フルネームでは面倒なのでノートに記録する時は「ブト」とか「ボソ」と書きます。さらにどちらもいて、面倒な時は「ブソ」とも書きます。まあ、自分のノートだから後から分かれば大丈夫!

さてさて、おさらいにもう一度復習してみましょう。

ハシボソガラス
おでこも垂直に近いので一見、ブトに見えるけどボソ君!

これは上の写真を連写している時に撮ったもの
おでこが垂直になっていないから、ボソ君に見えてきたかな?

ハシブトガラス

どうです? ボソ君と比べて当然ながら嘴が太いけど、上嘴の先端部のカーブがこちらの方が大きいのが分かりますか?

再度、こちらはボソ君 
上嘴の先端部のカーブもゆるやかで、おでこの曲線はなめらかです。

これならどうじゃ? ブト君
段々と違いがわかって来たかな?

さらにしつこく、ブト君登場!!
これでもう大丈夫かな?!?!

では仕上げに、この4羽の中でブト君はどれかな?

ちなみに、鳴き声は「ガーガー」とか「ゴアー」と濁っているのがボソ君で、ブト君は「カーカー」とか「アーアー」というのが通常ですが、これだけで判断してはいけません。
ブト君も濁った声を出すことがあるのです。だからややこしいのじゃっ!!

先日、BSのNHK「WILD LIFE」で放映した「言葉でつながる小鳥たち」のように、カラスたちもいろいろな会話をしています。

ただ、鳴く時の姿勢が違うのでここはしっかりとした識別ポイントになります。
おっと、それは自分で調べるべし!

公園などで見ていると、地上に降りているのはボソ君の方が多いような感じです。
これはボソ君が基本的に平原の地上性の鳥で、ブト君は森林性の鳥という習性も関わっているような気がします。

カラスを観察しているといろいろな行動をするので、双眼鏡でじっくり観察するのも面白いですよ。カラスに関わる本もたくさん出ているので、図書館でも探せます。

スキップをしたり、斜めに歩く鳥なんてそうそういませんよ! カラスは体も大きいし、嘴も足も頑丈、その上に雑食性なので食べ物に困ることはありません。
だから他の鳥と比べて遊ぶ時間が多く取れます・・・それがどんどん利口になっていく理由の一つかな? 犬よりも脳が大きいと言われてるしねっ!!

最後に幼鳥をご紹介、母親にエサをねだっています。
カラスの口の中なんて、なかなか撮れるチャンスはありません。

幼鳥は口の中が赤くて、羽にもまだ成鳥のような艶がありません。
成鳥の口の中は何色かって? ・・・黒です!!


翌年には、このように美しいうっとりするような「カラスの濡れ羽色」をした成鳥になってくれることでしょう。

昨今はこんな素敵な髪の色の女性には、とんとお目にかかれないのが、ものすご~く残念ではありますが・・・。

ちなみにですが、このような色を称して「濡烏(ぬれがらす)」といい、日本女性の髪の理想美とされているのです。

さらには 烏羽色(からすばいろ)とも言って、青みを帯びた黒を指します。

















学力テスト Vol.352-5 その解答 ハシボソガラス

 ハシボソガラス


体全体が黒いので、頭かき方法が「直接」なのか「間接」なのか、よく見えづらいですが、翼の後ろ側から左足を伸ばして頭を掻いてるところをパシャッ!・・・ということで、カラスは「間接頭かき」が正解です。

ここでカラスの羽繕い作業での特殊技能をご紹介。

何をしているのか、分かりますか?

実はわざわざ、アリの巣の上にドッカリと座り込んでいるのです。
当然ながらアリは怒って体に這い登ってきます。

アップするとこの通り! うわわ~  顔の周りもアリだらけ!!!

本で読んで以前から知ってはいましたが、見たのはこの1回だけ!! アリの巣の上にじっと座って恍惚の表情!! これは「蟻浴」と呼ばれる羽根の手入れ方法なのです。
ヒトには到底、思いつかないような発想です!

この「蟻浴」という行動は1935年にドイツの鳥類学者エルヴィン・シュトレーゼマンによって報告されています。

ハシボソガラスはユーラシア大陸に広く生息しているので、エルヴィン博士もこのような蟻浴を観察していたのでしょう。
※ハシブトガラスは東アジアだけの分布で、欧州にはいません。

現在に至っても説得力のある証拠はないとのことですが、仮説としてはアリの出す蟻酸を利用して羽根に付いた寄生虫を駆除しているのではないか? また蟻酸を羽根につけておけば防虫の予防にもなるのではないか? ・・・とのことなのです。

カラス以外にはカケスやムクドリも「蟻浴」をすることがあるんだって!
ムクドリなら見るチャンスが多いので、気をつけていればそのシーンに遭遇できるかもネ?

さてさて、ここでおまけのクイズ。
カラスのことをよく知るのには、まず名前を知らねばなりませぬ。
次にあげる写真は誰かな?

A

B

C

D

E















学力テスト Vol.352-4 その解答 セイタカシギ

 セイタカシギ

うらやましいを通り越して恨めしいほどに長い足! こんなに長い足なら「頭かき」なんてどうにもなりそうだけど、この鳥は少々変わり者!

成鳥は間違いなく「間接頭かき」

親から教わったのか、それとも遺伝子で受け継いでいるのか、幼鳥も「間接頭かき」

セイタカシギを「変わり者」という理由は下記のとおりです。

オグロシギ 
大型のシギですが、ご覧の通り「直接頭かき」

更に大きいホウロクシギ  こちらも「直接頭かき」 

スズメくらいのトウネンだって「直接頭かき」

シギ類は、間違いなくこの「直接頭かき」が基本なのです。

シギたちの頭かき行動を見ていると、セイタカシギだけが「間接法」を使っているのです。セイタカシギの方が足の位置が後方にあるのかな? そんなふうには見えないけど!

さらに調べてみるとセイタカシギは頭部は間接法で掻くが、嘴は直接法で・・・という説がありました。ややこし~~・・・でも、まだこの嘴掻きのシーンは撮れていませんでした。

ところが今年、ついについに こんなのが撮れました。

上の2番目の♂成鳥の写真の続きになるのだけど、頭掻きをした後にそのまま、ごく自然に嘴も掻きだしたのです!
おおっ!! 例外を見つけた~~!!・・・というか、頭掻きの次にそのまま嘴を搔いたのは自然の流れのように見えたのです。

A:間接法の鳥が直接法を行うこともあるが、B:直接法の鳥が関節法を行うことはない
という定説もあるとのことなので、今回のセイタカシギの行動はどうなるのじゃ?

まあ、自分がセイタカシギの身になって考えれば、「頭も嘴も近いんだから間接だろうが直接だろうが、どう掻いたっていいじゃん! アンタ! なんか、文句あるのけっ?フン!」って言っちゃうけどネ!

こうなったら是が非でもBのパターンを見つけ出さねばならぬ!!
・・・もしかしたら超珍鳥に出会うよりもハードルが高いかも?! 
こうして、とめどもなく「頭かき」への探求は続くのです。フィ~~!









学力テスト Vol.352-3 その解答 カリガネ

 カリガネ

解答に一発で「カリガネ」の名前が出た時にはビックリ! 
マガンとの見分けがしっかりと付いているという事で、かなりの識別能力に敬意です!!

さて、鳥たちを撮影していると、よくこんなシーンに遭遇します。

これは上空に何か気になるものが飛んで来た時の仕草! 特に天敵の猛禽類が来た時です。
鳥の眼はヒトの5~8倍と言われる視力を持っているので、こんな時に、私が上空を見渡しても、猛禽類はまだ小さくて点でしかありません。
そこでカリガネ君が気にしている猛禽類を簡単にご紹介。

トビは自然界のスカベンジャー 

すなわち掃除屋さんなので、生きている鳥を襲うことはまずありません。
だからトビが飛んで来ても鳥たちが逃げることは、ほとんどありません。


ミサゴはほぼ100%と言ってもいいくらいに、食事の対象はサカナ! 淡水魚でも海水魚でも何でもありの大好物! 毎食が刺身定食!!

稀には魚以外のカエル・ネズミ・昆虫類も食べることがあると言われているけど、見たことはありません! だから鳥たちにとっては脅威の対象ではありません。

ハヤブサ これは怖いぞ~~

オオタカがカモ類を襲うことはしょっちゅうなので特に要注意です!

こちらはオオタカの幼鳥 
シルエットは同じでも成鳥とは全く色が異なります。

さてさて、カリガネ君や小鳥たちはトビ・ミサゴなど自分たちを襲ってこないタカ類とハヤブサ・オオタカ・ハイタカ・ツミ・チョウゲンボウなどを、どのようにして見分けているのでしょう? 
何とも不思議でなりません!

ビギナーのバードウォッチャーが基本を教わる時には「まずはトビを見分けましょう。トビを見分けるには尾羽が三味線のバチ型になっているか?どうかです!」・・・なんてことを、鳥たちも親から教わっているのでしょうか?

ミサゴはパッと見れば白いのが特徴ですが、オオタカだって成鳥は真っ白! ましてや、それが幼鳥になればトビと同じ色で果たして見分けがつくのかな?

この疑問に、明快な答えを知っていたら教えてくださいネ~







学力テスト Vol.352-2 その解答 アオバズク

 アオバズク

アオバズクの頭かきは「直接法」
喉の下がかゆ~~い・・・ううっ 気持ちいい~~

前指が3本でのVサイン!!

この写真から2つのことが見えてきます。

1つは指の裏の肉球が素晴らしく発達していること。これはモノを捕まえやすくとか、枝に止まりやすくするなどのメリットがあります。

そして、2つ目にはどのフクロウ類にも共通することですが、趾(足指)が前に2本、後ろに2本にもできること。・・・ん、んん? 何のこっちゃ?と思われる方は下の写真をどうぞ!

このように普段は前に2本の指を出しているのです。
要するに、この方が獲物を捕まえる時も枝に止まる時も、すこぶる具合がいいんですと!

ヒトの右足の例でわかりやすく説明すると、鳥の後ろ指は親指(第1趾)、前足の人差し指(第2趾)、中指(第3趾)、薬指(第4趾)で、鳥の多くは小指がなく4本指です。
そして、この薬指(第4趾)を自在に前後に動かせるという事なのです。
すごいでしょ?!?!

こんな特殊な足のことを可変対趾足(かへんたいしそく)と呼びます。ちなみに一般の鳥のように前が3本足の場合を三前趾足(さんぜんしそく)といいます。


参考までにこちらは巣立ちして間もないフクロウの赤ちゃん。足指は2本ずつ出ています。
狩りができるようになった暁には、その不思議な能力を存分に発揮することでしょう。










学力テスト Vol.352-1 ~頭かきシリーズ その2~

 「頭かきクイズ」 シリーズの第2弾!

コガモ 淡水ガモの代表種

オシドリ 淡水ガモ

スズガモ 海ガモの代表種

淡水と海、どちらの区分でも、カモ目は必ず「直接頭かき」で、例外はなさそうです。

さてここからがクイズ第2弾の始まり始まり~!
下の4種類の鳥の「頭かきの方法を当ててみましょう。
第1弾と同じように、鳥の名前と頭かきの方法をセットで答えてください。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

A

B

C

D