学力テスト Vol.318-4 その解答 ダイシャクシギ

 ダイシャクシギ

名前の由来を調べても出てこないので、自己流で解釈することにしました。

すなわち、シャクとは尺貫法でいう「尺」のことで、その長さによってダイシャクシギ・チュウシャクシギ・コシャクシギとなります。

時代小説でも「六尺の居丈高の大男」だとか「二尺七寸の業物」とか、尺貫法でいろいろな寸法が表現されてますよね! 現在のメートル法に換算して小説を読むこともしばしば。


さてさて、今回ご紹介の「ダイシャクシギ」は全長が60㎝。1尺とは30.3cmだから、その存在感のある嘴は体長のちょうど半分! おお、ピッタリのサイズじゃ~~!!

ついでだから「コシャクシギ」をご紹介

こちらが「チュウシャクシギ」 
大・中・小がうまく表現されています。

…と思いきや、ダイシャクシギを漢字では「大杓鴫」と表記すると書いてありました!

オ~マイガ~!! でも「杓」とは柄杓(ひしゃく)のことで、大きい柄杓という事と思われるので、大した違いではありませぬ!

前回のエゴシギゾウムシの写真とも比べてみて下さい。

「ダイシャクシギ」の飛翔

すべてが「ダイシャクシギ」

全長がダイシャクシギと、ほゞ同サイズの「ホウロクシギ」

漢字では「焙烙鷸」と書き、褐色味の強い羽色が焙烙(ほうろく・素焼きの土鍋)のように見えることから付けられた名前とのこと。
ダイシャクとよく似ているけど、どこが違うか分かるかな? 自分で調べないとなかなか覚えないので、ここには書かないでおきま~~す!


学力テスト Vol.318-3 その解答 ハチクマ

 ハチクマ

猛禽類としては少々変わったお名前!!

悠々と飛ぶ姿は魅力たっぷり

 鳥の大きさには、通常「全長 」とよばれる長さが使われます。全長とは鳥を真っすぐに伸ばし、嘴の先端から尾羽の先端までの長さです。脚の長さは含まれません。要するに鳥を仰向けに寝かせて嘴を伸ばし、尾羽の先までを測定すると思えばよろしい。脚は無視します。

ハチクマの♂はカラスとほぼ同じサイズです。


ここでサイズを比較してみると
ハチクマ   ・・・全長は♂が約 57cm、 ♀が約 61cm、翼開長は ♂121 、♀135cm。
ハシブトガラス・・・全長は57cm、翼開長は105cm。
ハシボソガラス・・・全長は50cm、翼開長は99cm。

「翼開長」とは翼を左右にまっすぐに広 げた横の長さです。 ハチクマはハシブトガラスよりやや大きいというイメージの鳥ですが、それは翼開長を含めた全体での話です。すなわち、全長は同じくらいでも翼を広げるとハチクマの方が大きな鳥に見えるのです。
ここで、ミニテスト! この写真のカラスはどっちかな?

 クイズとしては、両方のカラスに登場してもらえたらよかったのですが、自然状態でこちらの思ったように撮れるなんてことは至難の業!! だから、そこんところは想像力と分析力でトライしてみてチョ!!
 
 あゝ、ややこしい?!?!・・・ まあ、カラスのような「ものさし鳥」と比べてハチクマがどんなサイズかというのが、分かればもうそれだけで充分なんだけどネ!

ハチクマとカラスは上の写真と同じ個体です。

上がハチクマ、下がトビ。ハチクマの方が小さいのです。
トビって意外と大きいのです。

クマタカ 成鳥

 ハチクマの名前の由来を説明するには、どうしてもこの「クマタカ」君に登場して頂かねばなりませぬ。
 漢字では「蜂熊または蜂角鷹」・・・角鷹というのはクマタカのことです。
ハチが大好物のクマタカに似たタカという意味です。

こちらがハチクマの♂成鳥 違いが分かるかな?

 両種の生息環境が似ているのと、大きさが似ている・・・の2点から、こんな名前が付いたのだと思われます。

 ハチクマが大好きな食べ物はハチ、特にスズメバチ類やアシナガバチなど、集団で巣作りをする肉食性のハチの幼虫やさなぎが大好物。
 こんな猛禽類は他にいません。ライバルがいないということは食べ物を独占できるという大きなメリットがあります! 渡って来た5月にはまだハチの活動が活発ではないので、その時期はカエルやヘビなどを主食としています。

※スズメバチ類などのように集団で、女王蜂や働き蜂など階層がある人間社会のような社会的構造で生活をしている虫のことを「社会性昆虫」と呼びます。

 さらにハチクマのヒナは孵化してから巣立ちするまでの期間が、他のタカ類に比べて成長が早いので有名。それはハチの幼虫やサナギなど高カロリーな栄養源で、夏の間にどんどんと子供を育て、秋の渡りの頃までに長距離を飛べるように・・・という戦略でもあります。

 抱卵期間は28~35日で、雛は孵化してから35~45日で巣立ち。巣立ち後30-~60日程度で親から早々に独立。そして9月下旬には遥か彼方、数千キロの東南アジアを目指して旅立ち!

 鳥たちにとっては太古の昔から、当たり前のようにそうやって暮らして来たのだろうけど、我々から見たらものすごいことをしているんだなと、つくづく感心してしまいます。

さてさて、ハチクマの観察で、特に面白いのは個体変異が多いこと。

暗色型♀

中間型♂

淡色型 幼鳥

背面は黒化色か、または

このような褐色です。

 このハチクマの大移動が長崎県五島列島の福江島で見られるんだよね~!
その数、約1万羽!! 日本に飛来したほとんどがこの島の上空を通過するのだそうな!!
一度は是非とも行きたい、どうしても行きたい! 行かねばならぬ~~!!!
まずは手始めに、地元で明日から本格的に秋の渡りの観察開始でござ‘る。




















学力テスト Vol.318-2 その解答 アカハラダカ 

 アカハラダカ

 ようやっと待ちかねたタカの渡りが始まりました! 8月以降は撮るものが少なくて待ち焦がれてたな~

 そんなタカの渡りの中で、この辺りでも今頃から10月中旬の頃に「アカハラダカ」という小型のタカが、ごくたまに見られることがあります。チャンスは年に一度あるかないかで、それも1~2羽程度。

 日本での繁殖記録はないので、浜松の東から飛んで来るのは中国大陸経由で日本を通過して南方に向かう個体なのでしょう。

※南方というのはフィリピン以南の東南アジアの各地のことで、その周辺で越冬します。

 そんなごくごくまれなタカが長崎県の佐世保に行くとワンサカと見られるのです。一度は行きたい・・・いや、どうしても一度は行かねばならぬっ!!

 それにしても遠い!すっごく遠いんだよね~! 浜松から佐世保までは960km!! 高速道路をぶっ飛ばしても12時間! 出るのはため息ばかりなり~

  現役中は週末しか動けなかったので、タカの渡る予想日や天気と、こちらの折り合いの取れる日の調整がかなり困難! 自然相手なので最低でも3泊はしなくちゃいけないし・・・

 そんな思いを何十年もず~~っと抱いてきたけど、今回そんな思いの同志が首尾よく3人集まりました。「今度行くつもりなんだけどさ~」「ん? んん? 行く行く~ 絶対に行きたい~~!!」「オラも~~!!」話のまとまるのが早いことと言ったら・・・!

車で行くのは大変なので、新幹線とレンタカーを選択、これで気にするのは天気のみ!! 

 どうしてこんなところにまで見に行くのかというと、渡りのスケールが全然違うのです!

 いつも見ているのは、どう頑張ってもサシバが数百、ハチクマが数十、ノスリも数十・・合計でようやく500羽出ると「今日はスッゲ~良く飛んだね~」とニコニコ顔!     それが、この烏帽子岳では桁が違うのです。

 一日に数千羽がドバ~~~ッと通過するって光景が信じられますか? 話はこのくらいにして写真を見れば一目瞭然!!

観察地の烏帽子岳から見た佐世保市と港です。
烏帽子岳の標高は568mですが、頂上近くまで車でいけるので楽ちん。

朝、7:30頃 烏帽子岳の北西に第一陣が沸き上がりました。
朝一番に飛ぶのは前日のうちに海を渡って来て休息していた群れです。
この方角の向こうには対馬や、繁殖地の朝鮮半島があります。

アカハラダカが3羽大接近で飛んできました。
上昇気流を探して次第に上がっていきます。

ざっと数えて97羽± こんなにすごいタカ柱は初めて!

こちらはもっと増えて130羽± ただただ唖然です!!
100-400mmのズームレンズを目一杯小さく
100mmにしても、群れのすべてが写せません!

胸に縦斑があるのは幼鳥

♂成鳥の虹彩は暗赤色なので黒っぽく見えます。

♀成鳥の虹彩は黄色 腹部は♂よりも鮮やかです。

 撮りながらその美しさにウットリ・・・なんて言うのはウソばっかりで、時速40~50kmで通過するのであっという間です。それに団体で次から次へと来るので目移りしてしまってどれを撮ってよいのやら・・・アワアワしている間、ホントにあっという間にいなくなってしまいます。

 ちなみに、この日の烏帽子岳でのカウントは11252羽で、これは過去20年間でも 1万羽を超えたのは5回のみで、歴代でも5番目というすごい記録!!               

 烏帽子岳でアカハラダカの渡りの全数が見られるわけではないにしても、ここが一番確率が高いのです。そして、当然ながら我々の見ているのも烏帽子岳でカウントしている全てではないにしても多分2000~3000羽は見ているはず!
なんせ、撮るのに夢中でカウントは現地の鳥屋さんにお任せして後回し~~!!

 これが10時頃でほゞ終了してしまって、あとは頭の中でアカハラダカの残像が飛び回っておりましたデス。午前中が勝負というのはこういうことなのか~・・・と納得。頂上は日陰がなくて暑いけど、秋らしい風が吹き上がってきて気分爽快です。

 こんなシ・ア・ワ・セな体験をしちまって、もう今後の運を使い果たしてしまったのではないかと心配になったくらい!

 この日の夕食? 今回の幹事のおススメの名物「ハーブ鯖」で乾杯です!! これがまたおいしかったんだよね~! 

 ちなみに翌朝も行ったけど、朝方は9時まで小雨がパラつき、それ以降はガスが出て視界も悪くなり、昼近くまでいたけど全く飛びませんでした。あとで観察記録を見たら翌々日も0、その次の日も2羽だけ!! 一日ズレていたらと思うと・・・ひぇ~~、あな、恐ろしや~ だから面白いんだけどネッ!!

 詳しくは「タカの渡り全国ネットワーク」で、日本全国の過去のデータを見ることができますよ! 地元のタカの動きも見れるのでぜひご覧ください。
















学力テスト Vol.318-1

 「暑さ・寒さも彼岸まで」とはよく言ったものです。昼以外の時間が、かなり過ごしやすくなってきましたネ!

夜になると、待ちかねたように庭ではエンマコオロギが素晴らしい演奏を奏で、ヒロバネカンタン(第2化)の鳴き声も。そして玄関横からは控えめなツヅレサセコオロギの音色、室内では迷い込んできたカネタタキが「チン、チン、チン・・・」と鳴いています。すぐ近所の草むらからはスズムシやマツムシの音色が! 

10日ほど前とはまるで違う~! いよいよ秋本番ですね~!!


さてさて、恒例のクイズですが、個々の名称が短い場合は問題を作りにくいのが欠点。

そこで、今回は名称をバラバラにして、細かいピースにしてみました。ジグソーパズルの感覚で考えて、この中から3つの答えを見つけてください。

もちろん、攪乱戦法として余ってしまう単語も混ぜてあります。ではレッツラゴ~!

ア ・ イワ ・ オオ ・ カハ ・ ギ ・ ジシ ・ シロ ・ チク ・ ハ ・ マ ・ ヤマ ・ ラダカ


以下の写真は、クイズとは何の関係もありません。

こちらはお馴染みの「コムラサキ」君・・・のスタンダードタイプ
♂の翅表は光線の方向によって紫色に輝きます。名前はオオムラサキに対しての言葉。

遠州地方では、たまに見られる「コムラサキの黒化型」の裏側

黒化型の別名は「クロコムラサキ」と呼ばれ、蝶マニアにも人気があります。
通常タイプとの比率は5~10%くらい?! 現在見られるのは第3化かな?

ちょっとした開翅の角度によって、こんなふうに美しい色に変化する構造色!

翅をゆっくりと上下に動かしているので、この色を撮るのは連写での撮影でないと
なかなか大変!!

参考までに「オオムラサキ」の♂を載せておきます。

こちらは日本の国蝶だけあって、その美しさは群を抜いています。日本最初の蝶切手にも採用されているくらいだから当然と言えば当然なんだけどネ!








学力テスト Vol.317-4 その解答 ルリモンハナバチ

 ルリモンハナバチ

初めて遭遇したのは、2012年の8月、ご近所の佐鳴湖畔でした。

うわわ~、何じゃこりゃ~ 

初モノのハナマルに喜びは当然ですが、この時の興奮と感動はかなりのハイレベル!
今でも忘れることはありません!
サイズは13~14mmとセイヨウミツバチくらい。ハチには黄色や黒の配色が多いので、青いというのは、かなり珍しいのです。青といっても黒地に青い毛が生えているんだけどネ!

今年も出逢えました。

アガスターシェという園芸種です。ハーブの仲間で小花をたくさんつけるので、
蜜源としてハナバチ類などに喜ばれる植物です。

絵になるのはやっぱり野草だな~
こちらは、「まだ夏なのに・・・アキノタムラソウ」

ミソハギに来た~


ミソハギは盆の頃によく咲く花なので、別名をボンバナ(盆花)とか、ショウリョウバナ(精霊花)と呼ばれています。

モンキチョウと2ショット

「幸せのブルー・ビー(青い蜂)」と呼んでネットで話題になっているって書いてあったけど、何のこっちゃ? 青けりゃ幸せってことかい! そんなら同居人の顔色ばかり気にしていて、何かある度に青い顔をするオイラって、いつもシアワセってことだなっ・・・フン!

こんなブルーな気分になる要因として、最近は毎日天気がイマイチだし、鳥情報もないので少々、情緒不安定なのかもしれませぬ。どうも我ながら器が小さくていけません、シュン!

マツムシソウの上品な薄紫にルリモン君がよく映えてますね~

そして何と何と、このハチもどうやら寄生蜂らしい!! ・・・けど、まだ謎が多く寄主を噂されるコシブトハナバチ属っていうのは、またの機会にご紹介しましょ!

さてさて、明朝から念願の「烏帽子岳」に行ってきま~す!・・・・ということで、しばらくの間、お休みでござる。


学力テスト Vol.317-3 その解答 エゴシギゾウムシ

 エゴシギゾウムシ

だいぶ前の話になるけど、一度でいいからカワセミを見たいという超ビギナーを佐鳴湖に連れて行ったことがありました。

もちろん、事前に双眼鏡の使い方も教えて、動かないマガモで練習。

お目当ての♀が、うまい具合に木の枝で休息していたので「はい、どうぞ!」と教えてあげたのはいいけど、第一声が「ええ~~っ! こんなに小さいの?」「どのくらいだと思ってた?」「このくらい」と指差した方向にはキジバトが!! ぐゎ~~~ん!!

どうやらTVでは当然ながら大きく写っていたので、勝手にハトくらいと思っていたらしいです。 まあ隣に比較するものがないと、そんなものなのかな?

ということで、こちらの「エゴシギゾウムシ」のサイズを想像してみて下さい。

名前の由来は鳥のシギ・・・ダイシャクシギあたりのイメージの長い嘴(ゾウムシの場合は口吻と呼びます)を持ったゾウムシということ。シギとゾウが合体だから長いのは当然! 漢字では「鴫象虫」と書きます。

白黒のシンプルカラーで私の大好きな虫!

サイズの正解はこちら

エゴノキの実が約1cmなので、想像つくと思うけど、図鑑には5.5mm~7mmと書いてあり、もちろん小さい方のサイズが♂で♀が7mm。

飛び出す寸前に、下の翅を伸ばした~!

翔ぶ瞬間はバンジージャンプをするかのように両手を拡げて「シュワッチ~~!!」と飛び出します!

さてさて、今回の特別ボーナスはこちら!!

虫の上に置いてある紙は手作りの物差しで、1目盛りが1mmです!

1円玉の直径が20mmだから、やっぱり2mmかな?!?!

これは「チビシギゾウムシ」というシギゾウムシの仲間です。シギゾウムシやチョッキリを探している時に発見しました! 
フォルムも色もそっくりで、まるで「マメエゴシギゾウムシ」!!

昆虫図鑑には、斑紋には個体変異があるので尾節板や交尾器などで確認する必要あり・・と書かれていたので、ここでは「カミヤチビゾウムシ」または「ジュウジチビゾウムシ」ではないかな?・・・としておきます。







学力テスト Vol.317-2 その解答 イラガセイボウ 

 イラガセイボウ

7月のある日、珍しく庭で草木の手入れをしている時に、二の腕に「チクッ」と、針で刺したような鋭い痛みが! 「アチッ!」そんな感じの痛みに、近くを見ると葉の裏に見たことのある幼虫が!!

うわわ~~ こんなのが庭にいるのけ?

うげげげげ~~ こちらは正面顔
体中に線香花火のようなトゲトゲの戦闘服をまとった「イラガ」君の幼虫です!

すぐに室内に戻って、ガムテープで刺された場所をベリッと・・・これはトゲが刺さっていたら抜く処置です。トゲが刺さったままでは毒がどんどん体内に!! 次にすぐに水洗いして、ステロイド系の軟膏を塗りました。

この即効の処置が功を奏したのか、今回は痛みもすぐに消えて、腫れることもありませんでした。以前、フィールドでドクガ類に刺された時は医者に行かなければならないほどの腫れと痛みでひどい目にあってたからね~ 今回はその教訓が生かされたってこと! デヘッ

イラガの繭です。

終齢幼虫はこの硬いシェルターを作ってで、サナギになって翌年の初夏の頃に成虫になるまでを過ごします。
この繭ってものすっご~く硬いんです! 主成分はカルシウム。
どのくらい堅いかというデータを発見! 
縦(長軸方向)では7.7㎏、横(短軸方向)では6.4㎏の圧力まで耐えられると書いてありました。・・・硬いはずです! 国内の昆虫が作る繭の中でも上位を誇る硬度です。

こちらが「イラガセイボウ」

別名を「飛ぶ宝石」、英名でも「jewel wasps」と言われていますが、私に言わせればミラーボールの下で輝きながら華麗なステップを見せたサタデイ・ナイト・フィーバーのトニー君 」!!  映画での配役はもちろんジョン・トラボルタ。


前出のハラアカマルセイボウや、オオセイボウは寄主であるドロバチ類の巣内に卵を産み付けるけど、
このイラガセイボウの行動は例外で、イラガの繭を見つけると強引にもその固い殻をかじって穴をあけ、長い菅状の産卵管を使って、中にいるイラガの前蛹に産卵します。

言ってみればイラガの天敵中の天敵!! イラガにとっては頑強なシェルターですら役に立たないというハンパない強敵です!

「スズメノショウベンタゴ」または「カエルノショウベンタゴ」と呼びます。

イラガセイボウまたはイラガ本体が抜けた抜け殻です。どちらが出てきたかの見分けは、イラガセイボウに産卵されていれば上のふた以外の場所に小さな穴があるはず! なければイラガが上のふたを開けて出てきたってこと。

「タゴ」って何だ? 都会っ子で意味がわからんという人のために解説すると「タゴ」とは、農家の人が水や糞尿を入れて天秤棒で運ぶ桶のこと。子どもの頃は畑の中にも肥溜めが埋めてあって、それを「こえったご」とか「くそったご」と、呼んでいました。

畑で鬼ごっこをしていて、逃げるのに夢中でこの「こえったご」へドッボ~ンと落っこちたヤツもいたっけな~!! 

アンタじゃないのって?!?!・・・いえいえ、私はそんなヘマはしておりまへんがや~!

おっと、大事な事を忘れてた! イラガの幼虫がいたってことは我が家の庭にも繭がどこかに隠れてる公算が高い ⇒ トニー君だって近くにもいるかも? ⇒ 繭にセイボウがかじった穴が見つかったら6月頃になってトニー君が出てくるかも? さっそく繭探しをせにゃならん~~!! ⇒ 「庭で見つけた虫リスト」にイラガセイボウが載ったら ⇒ トゲトゲのイラガ君に乾杯じゃ~!! 


だけど不思議なことにトゲトゲ君は1匹しか見つからなかったんだよね~ その後その近くの葉っぱが食害にあってることもなし! どうして1匹だけ?これが大きな大きなミステリー!! トゲトゲ君がいてくれないことには、トニー君の出番もないからね~

それにしても、トゲトゲ君が繭に変身するところや、成虫が出てくるところを観察したかったな~ ちなみに成虫には毒はありません。
ん、刺されたトゲトゲ君はどうしたんだって? その時は、そんな大事なことを考えもせずに、コンニャロメ~と、家の前の小川へポイしちゃった~! 
やって気が付く寝小便とはこのこと・・・大事なチャンスをみすみす逃してしまいました!
遺影だけはしっかり撮っておいて、今回ちゃんとページの最初で活用したけどねっ! 
くれぐれも残念なり~!!!

おまけの話:虫をいろいろ食べるのが好きな人たちがいて、ネットを見たらこのトゲトゲ君を食べるとものすご~くおいしいんだそうな!
興味のある人は「昆虫食を楽しもう」でどうぞ! 万が一、気分が悪くなってもオイラのせいじゃありませんので・・・