学力テスト Vol.463-1 頭かきシリーズ その80

 春のチョウと言えばモンシロチョウ、でもこのチョウは純国産種ではありません。もともとはヨーロッパの乾燥地帯にいるもので、中国経由で日本に入ってきたチオウなのです。

スジグロシロチョウ・ニホンスイセン

そして意外と見過ごしているのが、この元々から日本にいた『スジグロシロチョウ』。翔んでいる時にはわかりにくいけど、止まるとこんなふうに支脈が見えるから、気をつけていると見つけられるかも?

止まっているのは、これも日本に古くから自生している「ニホンスイセン」です。


さて、本番!

この鳥の名前と頭かきの種類を答えて下さい。

頭かきには「直接頭かき」と「間接頭かき」の2種類があります。


学力テスト Vol.462-4 その解答 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その3

 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その3

花札の歴史は室町時代末期にポルトガルから伝えられたカードゲームを参考にして、日本独自の花鳥風月の絵柄を用いて作られたカードです。

今回はその花札の中で、2月の絵札に書かれた「梅に鶯」のお話。自分でも以前からちょっと気になっていたので調べてみました。

「平郡庵のHP」より借用しました。

この絵のことを「梅に鶯」と呼びます。そしてこの鳥のことについてネットでは、ああでもない、こうでもないと、かんかんがくがく!

参考までにこちらは「梅にメジロ」

「梅にウグイス」は撮ったことがないのでご勘弁ください。ネットでもあまり見かけないよね? きっとチャンスがほとんどないんだろうね。


1.「この鳥はメジロです!」と断定するコメントがあちこちから出されています。
根拠としては ① ウグイスは藪の中にいて出てこない。② メジロはウメで吸蜜をするが、ウグイスは虫などが主食で吸蜜はしない。③ ウグイスのような緑がかった茶色ではなくメジロのような黄緑色。 

2.それに対して「いやいや、これはれっきとしたウグイスです!」という主張。
根拠としては ① これは写実的ではなく、デフォルメされたもの。 そうでなければ11月のツバメの説明がつかない ② 江戸時代にはメジロもウグイスも飼育していたポピュラーな鳥なので、絵師がそれを間違えるはずがない。江戸時代の図鑑でもその違いはしっかりと描かれている。  ※デフォルメ:造形的に意図して変形させること

11月の「柳につばめ」
「平郡庵のHP」より借用しました。


この「梅に鶯」という言葉は「取り合わせが良いものの例え」で、「松に鶴」と同じように成句として扱われています。だったら「ビールに枝豆」もきっとそうじゃろな!?

3.上記の2つとは別の説もあります。
中国でも「梅に鶯」と言いますが、その時の「鶯」といえばコウライウグイス(漢字では黄鸝、黄鳥)ことを指します。
春を告げる鳴き声のよい鳥として古くから知られていたようです。
そのコウライウグイスの♂の羽は黄色で、虹彩の色は何と何と赤!

花札に描かれたウグイスの中(上段の右から3番目)にも、体全体が黄色で赤目の鳥がいますね! 絵師はこの鳥のことも知っていたのかな?

1987年5月撮影のお宝画像です。

コウライウグイスはウグイス科ではなく、コウライウグイス科というまったく別のグループに属します。
主に日本海の島々で、春や秋の渡りの時期に見られる珍鳥です。

この写真は友人から借用しました。

さ~て、皆さんはこの花札の鳥が何なのかを考えた時に、どんな答えを出しますか?
 
 





学力テスト Vol.462-3 その解答 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その2

 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その2

サクラのシーズンにウグイスをセットに撮ったことがなかったので「そんじゃ、この際だから撮ってみるか~」と軽く考えてしまったのが運の尽き!決めたことはやらねばなりませぬ。ヒマだとろくなことを考えません。

そもそもヒヨドリやメジロのようにサクラで吸蜜をするわけではないので、サクラに来る時は虫ねらい!よって木の中をアチコチ飛び回るのです。

ついでに、写真をやるジイサマたちがあまり撮ったことのない「八重紅枝垂桜」とセットというのを狙ってみました。どうせ撮るならダンディにカッコよく撮ってあげないとね!


このサクラの後ろにブッシュがあってウグイス君も鳴いているので、辛抱強く待っていると、来るには来ます。ごくたまにだけどネ! 
さらに、サクラは開花からせいぜい1週間しか持たないという、けっこう厳しい期限付き!


全身像を写すにはかなり手ごわいぞ~

「どうしてそんなややこしいのに挑戦するんじゃ?」って言いました?「えっそんな質問する?そんなのヒマつぶしに決まってんじゃん!」なのです。

ウグイス君はブッシュで時々囀っているので、サクラに来てほしくて下手な口笛を吹いても、ちっとも寄って来てくれません。待つのもだんだんとめんどくさくなってきました。・・・ということで昼食を食べに自宅へ一旦戻ります。
昼食を食べれば少々元気が出てきて、またムクムクと挑戦意欲がわいてきます!

これならどうじゃ!

こちらがようやく撮れた全身像

囀っているところも何とかゲット~!!

ジョビコのようにサクラの中で「頭かき」なんてやってくれっこないので、もうここらが上限! ここまで撮るのに1週間ほど掛かってしまいました。疲れた~~













学力テスト Vol.462-2 その解答 ウグイス ~ ウグイス色って ~ その1

ウグイス ~ ウグイス色って ~ その1

鳥の鳴き声には大きく2つあります。1つは「地鳴き」で、もう1つは「囀り」です。

どこにいるか、わかるかな? ちゃんと中央に写っているんだけど・・・

大きくすると見えるかな?

冬のウグイスはいつも「地鳴き」のみで、姿はほとんど見せません。
いつもブッシュの中を素早く動き回っているのです。

色も保護色だし、こんなふうに藪の前に姿を見せることも稀です。

こんな時に出す声は「チャッ、チャッ」という地鳴きだけです。ウグイスは笹薮などが好きなことからこの地鳴きを「笹鳴き」と呼び、ウグイス同士の日常会話でもあります。
藪の中ばっかりだから「ウグイス?そんなの見たことがない~」というのも当然のこと。


ウグイスはこのような緑がかった灰褐色で、「うぐいす餅」で連想するような鮮やかな緑色ではありません。「ウグイス餅」に近い色をしたのはメジロなのです。
だから、たまたま藪の前に出てきて、姿がチラッと見えても「あっウグイスだ!」とピンとくることはないのです。


3月中旬頃になると、誰もが知っているあの「ホーホケキョ」と、さえずりを始めます。
その時になるとジッと止まってさえずることがあるので、声の位置からウグイスを探し出すことができます・・・時々だけどね。

ウグイスは一夫多妻制。
この美しいさえずりは ①縄張り宣言 ②メスを誘う声 の2つの意味を持っています。
「ヘイ、ベビー!俺ってカッコいいだろ?!」とチャラ男ふうにとか「そこの素敵なお嬢さ~ん!僕とお茶でも飲みながらファッションのお話でもしませんか?」とダンディな紳士ふうにとか・・・とにかくあの手この手でメスにアプローチして口説き回ります。

ただし、その後の抱卵とか子育てはすべて♀まかせ! 多い時は5~6羽の♀を口説きまわるのです。

ある本にはウグイスの縄張りは200mほどと書かれていましたが、今年は当たり年のようで、佐鳴湖のとあるポイントでは環境が適しているのか300m歩けば5~6羽います。

そんなウグイスの「頭かき」を撮ろうと思ったら、目立つところに現れてさえずるこの時期しかありません。
ただやみくもにウグイスの鳴き声を頼りに探しても、そう簡単に「頭かき」が撮れるはずがありません。さえずりが聞こえても、ほとんどの場合は遠いか、木の影になってしまって見えないのです。今回はそれを散々実行してみてわかりましたわい。

見晴らしのいいソングポスト! これが最短の道です! 粘り強く様子を観察していると、運良くそんな条件をバッチリと満たしてくれるウグイス君を見つけました!この子なら絶対に「頭かき」が撮れるぞ~!と確信を持って臨みました!

さえずりの途中で羽繕いをやり出したらチャンス!・・・というように簡単にいく話ではありません。羽繕いの予告なしで突然「頭かき」をすることだってあるのです。

あっと! 首を傾けた~
こちらからは見えないけど、左足で「頭かき」をしているに違いありません!!

2~3度「頭かき」をしたあとに足をたたもうとしている瞬間が写っていました。
こんな写真を載せたって「これのどこが頭かきでいっ!」と非難されるに決まってます。
この日は1日粘ってこの成果だけ・・・ガックリ!! ホントに疲れるぜい!

それから数日間のトライも空しく過ぎた今朝のこと。
撮り始めて間もなく、さえずりを終えた後に右足で「頭かき」をしてくてたのです。

当然ながら、それは1~2秒のあっという間の出来事!・・・でも、今回はしっかりとその全貌が撮れていたのです!!

「頭かき」が終わって右足を折りたたむ瞬間です!
これぞ「間接頭かき」の終わる瞬間!!!
ようやくミッション完了です!! フィ~~

これからは余裕を持って囀りを聴くことができます!

このウグイス君のご協力に感謝感謝です!


おまけ:「探せ!春の鳥ウグイス」
https://www.mech.chuo-u.ac.jp/~okubolab/media/uguisu.html

物まねのプロである江戸屋子猫さんと学生3名がホンモノのウグイスの真似をしたという分析結果が報告されています。
なるほど、私の口笛にはウグイスがまったく反応してくれないわけです! デヘッ











学力テスト Vol.462-1 頭かきシリーズ その79

「スプリング・エフェメラル」と言う言葉を聞いたことがありますか?「春のはかない命」と言う意味で「春の妖精」とも呼ばれています。

主にカタクリやイチリンソウなど、春の一時期にだけ咲く植物のことを言いますが、その頃に出現するチョウたちのことも「スプリング・エフェメラル」と呼びます。ギフチョウやウスバシロチョウなどが代表種ですが、これらは佐鳴湖の周辺では見られず、もう少し山間部に行かないと見ることができません。

菜の花に来たツマキチョウ♂

私は勝手ながら、このツマキチョウを「佐鳴湖の春の妖精」と呼んでいます。例年ソメイヨシノが咲く頃になると翔び回るようになるのですが、パッと見は小型のモンシロチョウ。

翔ぶのも素早いし、なかなか止まることがありません。止まると、こんなふうに翅の先にあるオレンジ色が目を引いて、それはそれはものすご~く可愛いのです!

こちらはツマキチョウの♀

さて本題。桜シリーズの3回目はこの鳥です。大サービスで全身像を!
この名前と頭かきの方法を答えて下さい。






学力テスト Vol.461-2 その解答 ヒヨドリ ~ ボサボサ頭の雑食屋 ~ 

 ヒヨドリ ~ ボサボサ頭の雑食屋 ~

今でこそ、一年中どこでも見かける鳥ですが、ホンの40年ほど前までは、夏は山に住んでいて、エサが不足する冬になると里に下りてくる「漂鳥」でした。

ヒヨ君は国内では「フン、どこでもいるじゃん!地味だし~!声はうるさいし~」と言われるけど、これでも海外のバードウォッチャーからは「おおっ、これがそうか~!」と喜ばれる、とにかく一度は見てみたいという鳥なのです。

というのも、ヒヨ君は日本以外では朝鮮半島の南部.台湾、フィリピン北部あたりにしか生息していないという分布域が狭いので、イギリスやアメリカ在住のバードウォッチャーは地元では見られない鳥なのです。
「地味だろうが何だろうが、見たことない鳥を見たい~!
って、いうのは鳥屋だったら絶対なのです!

嘴の先端にソメイヨシノの花粉をいっぱい付けています。
このようにポリネーター(花粉受給者)としての重要な役割を担っています。

河津桜の花びらの付け根にある蜜を吸っています。

れれっ、ついでに花びらをムシャムシャと食べてしまいました。
ここが、メジロやスズメとは違うところ!

ヒヨ君たちの食欲はホントに旺盛です。我が家のバードテーブルに置いたミカンや柿などは独占して、スズメやメジロたちが来ると追っ払ってしまいます。

とある日、ペアと思われるヒヨたち2羽が我が家に来ました。最初の個体が柿にパクついている時に、そばの木に佇んで待っているもう1羽。最初のが腹いっぱい食べた後、次のが食べようとすると追い払ってしまいます。あれれ?ペアなのになぜ意地悪を? 
ちなみにヒヨは雌雄同色ですが、観察していると最初の個体はどうやら♀のようです!
この力関係を見ていると、どこぞの夫婦を連想してしまいます。
もちろんピラカンサや木の実も大好物で、昆虫なども食べてしまい、その種類と食欲はあきれるばかり。


ある時、公園のベンチで休んでいたら、5m先に飛んで来てタンポポの花を茎からちぎって丸ごと咥えました。タンポポに夢中でこちらには気づかなかったようです。

こちらに気付くとすぐそばの木に飛び移って、そこでムシャムシャ!
この何でも食べるという食性の広さが繁栄を支えているのです。

ヒヨドリは国内で11種類の亜種に分類されるのだそうな。

こちらは石垣島で見かけた「イシガキヒヨドリ」という亜種。
南に行くにしたがって体色が濃くなる傾向にあります。

おさらい:「亜種」というのは「種」の一つ下の分類上の単位で、同じ「種」の中に地域によって、大きさとか形態とか羽根の色に変化がある個体群のことです。さらに大雑把に言うと、「同じ種の生きものだけど、ちょっと違うような感じの生きもの」・・・ということです。

おととい撮れたての「間接頭かき」。気持ちよさそうだね~