学力テスト Vol.455-3 その解答 キンクロハジロ ~ 自慢のロン毛 ~

 キンクロハジロ   ~ 自慢のロン毛 ~

これがクイズに出した写真の元ネタです。
頭部が構造色で紫色に光っています。

光の角度によっては濃緑色にも変化します。
この色は光の複雑な屈折によって発色しているのです。


ヤッホ~と挨拶している足指の様子から「三前趾足」「標準蹼足」「水かきあり」「直接頭かき」が見えます。

和名の由来は色の目をした黒い体羽に白い模様があるということ。
キンクロ君にはカモ類によく見られる「翼鏡」がありません。


「翼鏡」というのは、このコガモ君でいうところの「次列風切」のエメラルドグリーンの部位のことで、カモの種類によって色が異なります。

こちらは♀ 
冠羽が控え目で短いです。♀はあくまでも、どこまでも控え目!

キンクロ君の自慢はこのロン毛の冠羽

英名は「Tufted Duck」といい、「Tufted」とは「房状の」とか「束になった」という意味で、密集して束になった羽毛などのことをいいます。

おおっ、風が強くて左右にバサバサと揺れています!

うわわ~~、自慢のおぐしが乱れちゃう~~!!

こちらは幼羽です。
虹彩もまだ鈍い黄褐色で、嘴の付け根に白斑があるので♀です。

これから成長して大人になったらロン毛で素敵なダンディを見つけることでしょう。それには自分も磨きを掛けねばなりませんぞ!











学力テスト Vol.455-2 その解答 ウミネコ ~ 巻き舌が恋しい~  

 ウミネコ ~ 巻き舌が恋しい ~ 

これがクイズに出した写真の元ネタです。

正面顔だとちょっと強面!?
足指は「三前趾足(さんぜんしそく)」で「標準蹼型」と言うのが見えるかな?

幼鳥だと、まるで別の鳥のよう。
成鳥っぽくなるには3年ほどかかります。

左は大型カモメの「セグロカモメ」君。
ウミネコ君はこんなに差があっても中型カモメの仲間です。

かゆいかゆい~~と「直接頭かき」

八代亜紀が亡くなって、もう1年が経ってしまいました。あの絶妙な巻き舌が聞かれなくなってホントに淋しい限りですよね~!

彼女の持ち歌に「海猫」(1982年)という曲があります。一回だけ紅白で披露したことがあるけど、あまり知られていないのかもしれません。

この曲はNHKテレビの「あなたのメロディ」という視聴者参加型の音楽番組・・・すなわちプロではない人が作詞や作曲したものをプロが歌うという番組で、この「海猫」はそんな中から生まれたヒット曲なのです。

私は八代亜紀の曲の中では「おんな港町」と共に最も大好きな曲で、いつも聴いているんだけど、皆さんもYOU TUBEでぜひ聴いてみてくださいませ。もちろん「海猫」も出てきます。









学力テスト Vol.455-1 頭かきシリーズ その74

 今回の「頭かきクイズ」は今までの復習を兼ねたプチテストを作成してみましたが、きっと簡単すぎじゃねっ!

①鳥の名前 ②頭かきの方法 ③足指の形 ④水かきの種類 ⑤水かきの有無  について答えて下さい。

A

B

C

D
足指の形
水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆





学力テスト Vol.454-2 その解答 ソリハシセイタカシギ ~ 断トツ人気 ~

ソリハシセイタカシギ ~ 断トツ人気 ~

ビギナーの頃は毎日のように図鑑を眺めながら、あれも見たい これも見たいと思いながらページをめくっていたものでした。その中でもひときわ心を躍らせた鳥の一つが、このソリハシセイタカシギでした。

名前が長ったらしいので、英名の「Pied Avocet」から「アボセット」と呼ぶことが多いのですが、誰に聞いてもシギチの中では断トツの人気No.1!! 

※Piedというのは「白黒斑の」という意味です。 

最初の出会いはン十年前のこと。山陽地方に出たと聞いて「うわわ~~、で・でた出た出た~~!!」と大興奮!!週末を待ちかねて、それ~っとばかりにすっ飛んで行きました。

とある巨大な工場の敷地内にある水辺にいたアボセット君をフェンス越しに! そこまでは70mほどとかなり遠かったのに、金網にへばりついて観察!! 「見た見た~、ついに見ちゃったぞ~~!!」それはそれは神々しく見えて、夢心地で帰ってきたものでした。

アボセット君は「間接頭かき」

この頭かきの方法は「セイタカシギ」君も同じです。

一般にシギ類はそのサイズに関わらず「直接頭かき」なのですが、アボセット君とセイタカシギ君は何故か「間接頭かき」。

その理由として、この2種は分類上は「チドリ目」の中でも「シギ科」ではなく、「セイタカシギ科」に属していて、「シギ科」とは近縁ではなく、「間接頭かき」をするチドリの仲間に近いということらしいのです。

アボセット君の足指は三前趾足ですが、ちょっと変わっています。

拡大すると、水かきが大きくてまるでカモ類のようです。
これだと「半蹼足」ではなく「標準蹼足」と言うんだろうな?きっと!

「蹼足(ぼくそく)」って何のこっちゃ?の復習です。 
「蹼」とは「水かき」のことで「蹼膜(ぼくまく)」とも呼び、皮膚から進化したものです。


はるかカスミの彼方の記憶ではセイタカシギ君には、こんな水かきを見たことがありません・・・という事で、在庫の写真を見直してみました。

中指と外指の間にホンの小さな水かきしかありません・・・やっぱし!

なぜ大きい水かきが? ・・・当然の答えながら、アボセット君は泳げるのです!!


そう言えば、数年前にこんなふうにプカプカと浮かんでいる写真を撮ったことがありましたわい!!
どうも近頃は思い出すのに時間がかかっていけません!! やれやれ

前回、このクイズの答えを「半蹼足」で正解としましたが、どう見てもカモ類と酷似しているので、私見は訂正して「標準蹼足」としました。
ただ、ソリハシセイタカシギの水かきのことを「標準蹼足」と明記しているのは見つからないので、もしかしたら「半蹼足」が正解なのかもしれません。よう判らん!

それと、これだけ水かきに違いがあり、なおかつ嘴も途中から思いっきり上に曲がっているという大きな違いが、同じ「セイタカシギ科」なのに「セイタカシギ属」と「ソリハシセイタカシギ属」に分かれている理由なのかな? ・・・知らんけど!







学力テスト Vol.454-1 頭かきシリーズ その73

 新年のお年玉として、庭に来てくれる小鳥たちにと12月初旬に買って冷凍庫に貯め込んでおいた次郎柿をエサ台に置きました。

今年の次郎柿はカメムシの被害が甚大で、値段が急落! カメムシがつつくと黒いシミができて等級が下がってしまうのです。それとか形が不格好なものも規格外! そんな規格外品が安く売られているのを見つけて買っておくのです。

冷凍の次郎柿はレンジで2分ほどチンしてから横半分に切ってエサ台に置きます。今回は改めて実験用として、同じ皿に1ヶ当たり100円近くもする「三ケ日の青島みかん」を切って並べて置きました。

実を言うと、年末に出掛けた「ミカン切り」の時に、落ちていたのを拾い集めておいたミカンなんですけどねっ!

庭に時々遊びに来てくれるのはスズメ・メジロ・ヒヨドリ・シジュウカラ・ヤマガラ・ジョウビタキ君たちですが、そのうち甘いものに目がないのが最初の3種類。

その結果は予想どおりで、柿と一緒に置いたらミカンには見向きもしません。

それほど次郎柿の方が甘みが多いという事と、いくらおいしいミカンでも酸味があって柿には甘みの点では到底敵わない!ということなのです。

子供の頃はおいしいものと、いつも食べ慣れているものが食卓に並ぶと、必ずおいしいものは最後まで撮っておく性分だったのですが、これは鳥には通用しないようです。とにかくうまいものから先に食べる! これは自然界での鉄則です!!

さて本題、新春クイズの第2弾はこちらです。


この「鳥の名前」と「頭かき」の方法をセットで答えて下さい。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

そして今回も追加問題です。いつものように「足指の形」や「水かきの種類」に関しても答えて下さい。もし、水かきの種類に該当しない場合は「無し」と解答して下さい。

足指の形

水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆








学力テスト Vol.453-2 その解答 カワセミ ~ 新年第1号 ~ 

  カワセミ ~ 新年第1号 ~ 

カワセミ君は体が小さく、足指をしっかりと撮るのがなかなか大変。

よ~く見てください。指が癒着しています。

これを「合趾足(ごうしそく)」と呼びます。

参考「フィールド図鑑 日本の野鳥 第2版」より

上のイラストが一般的な鳥の趾(あしゆび)の形です。
ところが、カワセミ類を含むブッポウソウ目の鳥では前趾(ぜんし)すなわち前向きの3本の指が根元で癒合しているのです。
第二趾(内側の指)は1/3ほど、第四趾(外側の指)は2/3までが、それぞれ第三趾(中指)とくっついているのです。

なぜこんな形に? というのは以前に詳しく書いているので、もう一度その部分をコピペでご紹介します。

合趾足は見た目は不便な足指のように見えるけど、巣作りの時にその威力を発揮するのです。カワセミの巣穴は垂直の崖などに、80㎝から1mほどの奥行きで、体の幅くらいのトンネルを掘るのですが、短い足は狭い穴を通るのに都合がよく、さらにこの合趾足の形がスコップのように土をほじくり出すのに最適なのです! 
ということで、これがカワセミ類の選択した足指の進化の結果なのです。

ちなみに、穴掘りスペシャリストのモグラ君の前足は5本の指がすべて癒着していて、さながらスコップのような形状になっているのです。

うわわ~、新年早々 死体の写真かい!?!?

いえいえ、そうではありませぬ!これはたまたまビュンビュンと高速で首を振ったところが撮れただけ! そのために少々ピンボケで、瞬膜も真っ白く撮れてしまったのです。

瞬膜を閉じる前

瞬膜を閉じた時
ごく薄くですが、目が白濁しているのがわかりますか?

その名のとおり、瞬間的に開閉するので「瞬膜」と呼びます。カワセミ君の場合は、もちろん水中へダイビングする時にも瞬膜を閉じて目を守ります。

ちなみに、どの鳥にも瞬膜がありますが、その役割というのは
①目の表面のホコリを取り除いたりして保護する ②太陽からの直射や水面からの反射光を減光したり ③風から目を守ったり ④潜水性の鳥ではゴーグルの役目をしているのです。

おっと、羽の後ろ側から足指が出てきました。

瞬膜を閉じて、気持ちよさそうに「間接頭かき」

これはすぐ近所で、元日に撮れたもので、もちろん今年最初の「頭かき」の撮影第1号なのです! 大好きなカワセミ君で頭かき第1号が撮れるなんて 超ラッキー~!!
今年はきっと、いいことがたくさんあるぞ~~!!!

P.S. 「水かき」の事を書き忘れました。ネットで調べたら1つだけ、「水かきは無い」と書いてあるのを見つけました。
自分でも確認したけど、写真の在庫では見つかりませんでした。今度、カワセミ君に聞いてみますねっ!!





















学力テスト Vol.453-1 頭かきシリーズ その72

 正月は久しぶりに近所の佐鳴湖公園で・・・というよりも、お屠蘇を飲んでしまったので運転できずに仕方なく・・・ナノデスケドネ。それにしても散歩をしている人の多いこと!

ジョビ君がいました。そ~っと近づいてみても逃げません。
結局は2mで撮れてノートリ(ノートリミング:すなわち拡大してない写真の事です)。

アオジ ♀

帰り道でアオジのペアがいたのでベンチに座って撮っていたら、どんどん近づいてきました。何と1mを切って、足元まで来てしまいました。「う、うわわ~、それじゃピントが合わなくなっちゃうじゃん!」

一緒にいた♂も大接近してきました!!

「あわわわ~、オイラって、もしかして鳥に好かれてる?」と、言うよりも完全にこちらを無視しているようでした。「とうとう、オイラも石になっちまった~」

庭に来るメジロやヒヨドリたちに昨年のうちに買っておいた甘~い次郎柿をあげても警戒心はハンパないし、アオジ君なんてチラッとガラス越しに立っただけで脱兎のごとくササ~ッと飛び去ってしまう!・・・いったいこの差は何なんだ?!?!

さてさて、少々ヒマな時間ができたのでクイズを作ってみました。


この「鳥の名前」と「性別」、「頭かき」の方法をセットで答えて下さい。

頭かきの方法 1:直接頭かき 2:間接頭かき

さらにさらに今回も追加問題です。いつものように「足指の形」や「水かきの種類」に関しても答えて下さい。もし、水かきの種類に該当しない場合は「無し」と解答して下さい。


足指の形
水かきの種類
※2つのイラスト資料「鳥のフィールドサイン 観察ガイド」箕輪義隆








学力テスト Vol.452-2 その解答 ユリカモメ ~ シンボルバード ~

 ユリカモメ ~ シンボルバード ~


清水港クルーズでは出航して間もなくのこと、水上や防波堤で待機していたユリ君たちが船を追いかけてきます。

その数はざっと30~40羽なので、なかなかの圧巻です。


こんな写真を撮るにはスマホとか18ー55mmの小さいレンズの方がGOOD!
いつもの100ー400mmレンズではユリ君もあふれてしまうか、バックに富士山を入れるのが難しくなってしまいます。

ユリ君たちのお目当ては観光客が投げるパンなどのエサ! もちろん私も前日に食パンを買ってきて事前に細かくしたのをリュックに入れて用意万端でしたとも。

自分でパンを投げていては撮れないので、近くにいた子供たちにパンを渡して投げてもらいます。
「はい、投げていいよ~」「もっと高くへ~」など、注文を付ける方も大変です。なんせ富士山をバックに撮らねばなりません故。

今回のクイズ・・・実は過去に学力テストでは370-4と423-3で「頭かき」や「足指」のことを出題しているんだけど、清水港クルーズに登場してもらったついでに復習を兼ねて再度出してみました。

ユリ君は遊覧船の最後尾の手すりにも止まってくれます。

彼との距離は1m以内ですが、ヒトを怖がる気配は全くありません・・・というよりも「もっとパンをちょうだい~!」と催促してきます。


その足を拡大すると前指が3本と後ろ指が1本の「三前趾足(さんぜんしそく)」で「標準蹼足(ぼくそく)」なのがよ~くわかります。

「蹼足(ぼくそく)」って何のこっちゃ? 「蹼」とは「水かき」のことで「蹼膜(ぼくまく)」とも呼びます。皮膚から進化したものですが、ユリ君はカモ類のように水かきを利用して泳ぎ回るようなことは殆どしません。プカプカ浮かびながらチョット足を動かす程度に見えます。

頭かきは「直接」です。


こんなふうに夏羽に換羽を開始するのは3月下旬頃からで、4月の上旬頃までの間で約半月ほどかけて変身するのです。

夏羽に変身した後は極東ロシアの方へ渡って繁殖するのですが、冬になればちゃんと戻ってきてくれます。

ユリカモメはシンボルとして結構人気があるようで「東京都の鳥」の他には、焼津市、四日市市、春日部市、大津市、福岡市などで「市の鳥」に認定されているのです。


また今度、このクルーズで逢おうね~~!!