トキ ~ Nipponia nippon ~ その1
トキの学名が「Nipponia nippon」ということは知ってますよね!
1828年というから江戸時代(もっと詳しく言うと第13代将軍の徳川家定の頃だから、江戸時代後期)の頃のことですが、博物学者であるシーボルトがオランダの王立自然史博物館(ライデン博物館)にトキの標本を送った時に、当時の博物館の館長だったテミンクがこの学名を命名したのです。
その頃のトキは日本のいたるところで見られ、日本を代表する鳥と思われたため、命名に日本の国名が使われたんだそうな。
このように江戸時代までは北海道から九州まで、各地に生息していました。ところが明治以降はその美しい羽のために乱獲され、農薬の影響でエサとなるドジョウなどが減少など生息環境も悪化!! 「Nipponia nippon」の命名からわずか150年余りで、とうとう絶滅寸前まで追いやられてしまいました。
まだビギナーの頃に、図鑑を見て「Nipponia nippon」という学名を見て、これって国鳥じゃないけど日本の代表種みたいじゃん!と、いつかは見た~い!というあこがれの鳥の一種となっていました。
ところが1981年1月に最後に残った野生の5羽が捕獲され、この時点で野生種が絶滅! その後人工ふ化を試みたけど失敗続き。その中で一番長生きをした「キンちゃん」も2003年に死亡してしまったために、国内のトキは完全に絶滅してしまったのです。
この国内での捕獲と同じ年の1981年4月に、中国で絶滅したと思われていた野生のトキ7羽を発見したと報道されたのです! これが世界で残された唯一の野生なのです!
中国では陝西省洋県(せんせいしょうようけん:古代中国の諸王朝の都である長安一帯を含む地域)に生息しており、ここへ行かなければ野生のトキには会えなくなってしまったのです。もうこれでは諦めるしかありません。万事休す・・・です!
それが、ちょっと状況が変わってきました。最近ブロンズトキを見たことによって、「残るトキ科はトキのみ」となったのです!
さらに友人からの話を聞くと、「佐渡で野生化した中には足環の付いていない成鳥も見られるぜい!」というじゃありませんか! 「おっ、おおお~ いいじゃん!」こりゃ行くっきゃありません!・・・こういう展開になるのはごくごく自然の摂理なのです!!
え~っ、佐渡のトキって中国から贈呈された個体の人工繁殖じゃん!って? いいのいいの、そんな細かいことなんて気にしませんってば!! ゲージに入ってなきゃOK! 足環がなきゃ、さらによかよか~!! 善は急げです!早くいかないと夏羽になっちまう~~
あとは「野生のヤツじゃなきゃヤダ!足環の付いたのなんてヤダ~!」と、愚図っていた私が行く気になるのを手ぐすね引いて待っていた同志への連絡のみ!・・・ということで続きは次回へ。
P.S. 上記に書いた「中国でのトキの再発見」については 『トキが生きていた - 国際保護鳥トキ再発見の物語』(劉蔭増:著 桂千恵子:訳)という児童書があるという記述を見つけたので、さっそく図書館へ検索したら、あったあった~! 在庫がありました!! 次回のブログはこれを読んでから書くことにします。